130. 「児童の交通等災害防止対策資金」を寄贈 1968年(昭和43年)

会長は、かねてから50年もの間、松下電器を支持し、引き立てて下さった社会の人々に深く感謝したい気持ちをもっていた。

会長は、いろいろ考えた末に、社会の発展向上にいささかなりともお役に立ちたいと念願し、創業50周年記念行事の一環として、5月4日、総額50億円の「児童の交通等災害防止対策資金」の寄贈を発表した。

この当時、交通事故は増加の一途をたどり、とくに児童の死傷者、交通遺児が激増し、国および地方自治体はその事故防止対策に苦慮していた。こうした時に、松下電器が、児童の交通等災害防止のために、毎年3億円以上、通算15年間にわたって、総額50億円を全国46都道府県と6政令指定都市に寄贈することを明らかにしたのである。加えて、沖縄にも同趣旨の資金として5万ドルをこの年一度に贈呈した。この発表は、翌日の5月5日の新聞で「子どもの日にデッカイ贈物」と全国に報じられ、明るいニュースとして話題を呼んだ。

この資金は、各地で児童の交通意識を高めるための交通公園づくりなどに活用された。