152. 中国を訪問 1979年(昭和54年)

かねて中日友好協会(廖承志会長)から招待を受けていた相談役は、昭和54年6月25日から7月4日まで訪中し、熱烈な歓迎を受けた。

滞在中に、トウ小平副首相、トウ頴超全国人民代表大会常務委員会副委員長(故周恩来首相夫人)、谷牧副首相、康世恩副首相ら政府要人と親しく会見。連日元気に行動し、中国の人々を感心させた。

廖会長から、掛け軸「天寿の歌」を贈られた相談役は、「天寿とは160歳のこと。あと80年間、私も生きるが、みなさんも生きてほしい」と述べ、大きな拍手を受けた。6月28日には、中国企業管理協会の要請で、「企業経営のあり方」について約2時間半にわたり講演した。

また、昭和53年10月来日の際に面談したことのあるトウ小平副首相とは、2回にわたり、人民大会堂で懇談し、旧交を温めた。合間に、万里の長城、十三陵などを見物し、中国の歴史の重厚さに強い感銘を受けた。

この旅行を通して、相談役は「21世紀は日本や中国などの繁栄の時代。大きな視野で、中国の近代化に協力しなければならない」との確信をさらに強め、帰国後、各界に積極的に働きかけた。なお、この訪中は、連日マスコミをにぎわした。

(絵は、「頤和園」で明代の王候の衣装を着用した相談役の姿と天壇公園の「祈年殿」とを組み合わせたもの)