6 IoT家電編

“パナソニックらしい家電”を追求

お客様のくらしに寄り添い60余年

終戦から5年が経ち、人々のくらしがようやく安定してきた1950年代初め、わが国に家庭電化ブームが到来した。
当社は、1951年に電気洗濯機、1953年に電気冷蔵庫の1号機を発売。これらと同時期に発売された白黒テレビを合わせた3商品は、天皇家に代々伝わる「三種の神器」に例えられ、これらを所有している家庭は人々のあこがれの的だった。
そして、1966年に家庭用電子レンジを発売。新たな生活文化を提案する調理器の登場は、台所に革命が起きたと話題を呼んだ。
「主婦を家事の重労働から解放し、人々のくらしを豊かにしたい」という思いで世の中に送り出されたこれらの製品は今日まで人々のくらしに寄り添い進化し続けている。

各製品の当社一号機

1990年代後半、パソコンやインターネット、携帯電話の普及が始まり情報化社会に突入。生活のさまざまな情報がデジタルへと大きくシフトし始める。デジタル化の波は電気製品にも押し寄せ、テレビや録音機などの黒物家電はもとより、白物家電と言われる洗濯機や冷蔵庫、電子レンジなどでも、“デジタル”と“ネットワーク”をキーワードにした製品開発が検討されていく。

社内報『松風 1999春号』より

スマートフォンと連携する“タッチ家電”を発売

2012年、アプライアンス社の技術本部が開発した近距離無線通信NFC応用システムを採用し、ネットワーク接続を可能にした家電製品が続々と登場する。
先陣を切ったのは、同年6月発売のスチームオーブンレンジ「3つ星 ビストロ」である。スマートフォンでクラウドサーバー上にあるレシピを検索し、レンジにタッチするだけで、そのレシピに合った調理設定にすることが可能になった。
9月に発売したドラム式洗濯乾燥機は、スマートフォンでコースなどを設定し、洗濯乾燥機にタッチすることで、本体での操作を簡略化できるようになった。
さらに、スマートフォンを本体にタッチすると、運転や節電状況を確認できたり、手軽にレシピ検索ができたりする冷凍冷蔵庫を10月に発売した。しかし、当時のスマートフォンの個人所有率はまだ20%程度で、しかも、この機能は「おサイフケータイ」が付いたスマートフォンでしか使用できなかったため、お客様が商品を選択する際の決め手になるには至らなかった。

「パナソニックだからこそできること」を模索して

アプライアンス社は、ネットワーク対応家電に対する当時の市場の反応を確認しながらも、これからは家電のネットワーク化が進むことは必至であると認識する。そして「技術的に商品を“つなぐ”ことは容易、問題はそれによりお客様にどんな利便性をお届けできるかである」と確信し、当社の技術力を結集した“パナソニックだからこそ実現できるお客様価値”を提供するための機能の探究を推進。そして、無線LANに対応し、インターネット接続により実現できる便利機能を搭載したIoT家電が2010年代後半から製品化されていく。その過程には“タッチ家電”開発の経験が生かされていた。

インターネットに“つながる”ことで新しいお客様価値の提供へ

洗濯乾燥機

2017年、インターネット接続を可能にした、ななめドラム洗濯乾燥機を発売した。これは、「朝の出勤前は洗濯する時間がない」「帰宅後に洗濯するのは慌ただしい」などのお客様の声に応えるべく開発した製品である。“スマホで洗濯”アプリを使ったスマートフォンで、外出先からでも遠隔操作が可能になり、以前から要素開発を推進していた「液体洗剤・柔軟剤自動投入」機能と合わせることで、仕事帰りの電車の中などから、帰宅時間に合わせて洗濯乾燥が終了するように操作でき帰宅後すぐに乾燥したてのフワフワな状態で洗濯物を取り出せるようになった。また、スマートフォンでいつでも運転状況が確認できるので、すき間時間の有効活用や運転終了後すぐに洗濯物を取り出せるなど、“つながる”ことで可能になった利便性をお客様にお届けしている。

冷凍冷蔵庫

2019年3月、スマートフォンで設定や運転の状況確認ができる冷凍冷蔵庫を発売。冷蔵庫アプリ“Cool Pantry”を使ったスマートフォンから、業務用レベルの急速冷凍を実現するために開発した「クーリングアシストルーム」の時間設定や、エコナビの運転状況の確認が可能となった。さらに2021年発売の製品には、重量検知プレートと“キッチンポケット”アプリを連携し、冷蔵庫の食材の残量をスマートフォンで確認できる「ストックマネージャー」機能を搭載。外出先からでも残量が確認できるので、重ね買いや買い忘れの防止に効果的である。“つながる”ことにより冷蔵庫はこれまでの食材を沢山入れて長持ちさせる「保存庫」から、おいしさを長持ちさせて調理に役立つ「調理庫」へと進化。さらには食品ロス削減など、お客様の生活に寄り添い、買い物、調理、保存までの“食まわり”をサポートしていく。

スチームオーブンレンジ

2019年9月、スマートフォンのアプリと連携して食事作りのお役立ちを行う、スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ」を発売した。新しい食のプラットフォームアプリ“キッチンポケット”に格納されている多くのメニューの中から、その日の献立へお勧めするレシピを表示したり、アプリで検索したレシピを、ネットワーク接続したレンジ本体に送信したりすることができ、それに合わせて自動的に本体の調理情報が設定される。また、アプリから食材の配達注文を可能にして「料理の下ごしらえ」をサポート。購入後もアプリに追加される新しいレシピをスマートフォンから送信して本体に増やせるため、機器を買い替えなくても機能がアップデートされるようになった。そして2021年9月にアプリと別売アタッチメントで自分仕様に機能をアップデートできる「マイスペック」オーブンレンジを発売。“つながる”ことの利便性が更に高まった。

(左から)冷凍冷蔵庫 NR-F607WPX、ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VX900BL、スチームオーブンレンジ「マイスペック」NE-UBS5

(左から)冷凍冷蔵庫 NR-F607WPX、ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VX900BL、スチームオーブンレンジ「マイスペック」NE-UBS5A

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