■1930年 ナショナル電気コタツに就て
1930(昭和5)年、松下幸之助は「ナショナル電気コタツに就て」と題した、当社初の企業広告を打つ。これは前年に発売した丸山型電気コタツの優秀性を訴えるもので、「ラジオに絶対無影響の自動温度調節器(サーモスタット)に加うるに温度可熔片(ヒューズ)を以てして、蹴っても転ばしても絶対危険なき安全二重装置とし」と胸を張った。そして翌年、その続編ともいえる「ナショナル電気コタツ 発売三周年を迎えて」が登場する。ここでは自信に使命感が加わり、「大量の生産、廉価の提供、製品の優秀、此処に私共は一意専念、以て不衛生なる炭火アンカ、危険なる不良電気コタツの一掃を期し、火災其他の危険災害の絶滅を計らんが為ナショナル電気コタツをして各御家庭電化不可欠の必需品たらしめんとすることに大いなる使命を感ずるものであります」と表明する幸之助であった。