■1959年 皇太子ご結婚慶祝番組の告知
1959(昭和34)年4月10日、この日は多くの日本人がブラウン管に釘付けとなった。世紀の祝典、皇太子殿下のご結婚である。そのパレードの実況中継を含む慶祝番組を、松下電器は1社提供した。これは当日朝刊に載った告知広告である。番組は延べ13時間半におよび、元祖マルチタレントの徳川夢声と、銀幕の大スター高峰秀子-当社の宣伝キャラクター、ミセス・ナショナルでもあった-が、総合司会を務めた。日本のテレビ本放送が始まったのは1953年2月のこと。これに合わせて、当社も前年11月にテレビ1号機を発売した。最初は高嶺の花であったテレビだが、技術革新と合理化が進み、急速に身近な存在へと姿を変えていく。そして放送開始から6年後のこの日の祝典を経て、テレビは本格的な普及期を迎えた。この流れに乗って当社のテレビ事業も急速に拡大し、1960年1月には業界トップを切って、生産累計100万台を達成するのであった。