岐阜

昭和62年、飛騨川水系ダムをムダなく一元管理。

「ダムは、周知のごとく河川の水を一時せき止めて、その水量を調節し、洪水を防ぐ役目をもっている。また、そこにためた水を田畑の灌漑や飲料用の水として供給し、さらには水力発電にも利用している。つまりダムというものは、そこにためた水をムダなく、適時適切に人びとの生活、活動に役立てているのである」――創業者松下幸之助は、ダムがもつ価値をそう言及していました。さらに仕組みや効用を経営に応用。最初から資金や人材、技術に余裕をもって需要の変動に応える、『ダム経営』の理念を導き出しています。

事業の面においても、私たちとダムは密接な関係があります。岐阜県飛騨川水系の水資源の有効活用を担う、朝日ダム群。朝日ダムを親ダムとして、サブ親ダムに高根第一ダム、子ダムに秋神ダム、久々野ダム、高根第二ダム、小坂ダムを擁するダム群、これらを一括制御する地元の長年の要望だった『ダム総合管理 システム』を中部電力さまのご協力のもと構築、昭和62年に納入しました。最大の特長は、過去数十年間の気象データをもとに6カ所のダムを総合的に予測制御できること。朝日ダムのコントロールセンターで各ダムの貯水量の変化、発電時の放流量、雨量観測所からの降雨・降雪量などのデータを一元管理。過去の気象データと照合してダム群全体の目標放流量や使用水量を決定し、効率的に流量コントロールするのです。もちろん放流時は濁度データを活用して、環境保全にも配慮。河川の増水に備える警告システムも全域に設置。飛騨川水系全長70キロメートルにわたり、まさに松下幸之助が訴えたムダのない水資源活用を実現しました。

大正7年の創業以来、私たちがここまで歩んでこられたことは岐阜のみなさまをはじめとする、たくさんの方々のご愛顧とご信頼の賜物と心より感謝申し上げます。これからも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

おかげさまで、パナソニックは創業100周年を迎えました。