圧倒的シェアを武器にB2Bソリューションを推進

写真:責任者インタビュー

圧倒的なシェアを誇るパソコン・タブレット製品をコアに顧客企業の

デジタルトランスフォーメーションを牽引

「家電」「住宅」「車載」「B2B」の4つの事業領域で成長戦略を推し進めるパナソニック。とりわけB2Bの分野で、顧客企業の課題を解決するソリューションの「核」となるのが、「レッツノート」「タフブック」「タフパッド」といったパソコン・タブレット製品だ。国内のみならずグローバルでも圧倒的なシェアを誇る同社のパソコン・タブレット事業の「強み」はどこにあり、そして今後、どのような方向でビジネスを成長させていこうとしているのか?開発を統括するキーパーソンに話を訊いた。

 

強いハードを単品ではなくソリューションの一部として展開

写真:モバイルソリューションズ事業部 開発センター 所長 谷口氏のインタビューカット

 ビジネスパーソンから熱烈な支持を得ているモバイルPC「レッツノート」や頑丈ノートPC・タブレット「タフブック」「タフパッド」は、世の中での知名度も高いまさにパナソニックの「看板」とも言える製品。これらの開発を担当しているのが、コネクティッドソリューションズ社モバイルソリューションズ事業部の開発センターだ。「ここ大阪府守口市の開発センターで設計を行い、レッツノートは全て神戸工場で、タフブック・タフパッドは神戸もしくは台湾の工場で製造しています。設計から製造まで全ての工程を自社内で行っているのが、パナソニックのパソコン・タブレット事業の特徴です」と同センター長の谷口尚史氏は語る。

 レッツノートはモバイルPCカテゴリで国内シェアの約70%を獲得しており、14年連続No.1を誇る。タフパッドも全世界の堅牢タブレット市場の約40%のシェアを占め、5年連続No.1。タフブックも、特に欧米の、警察・救急・消防などのパブリックセーフティ分野を中心に販売も好調で、全世界の堅牢パソコン市場のシェア約50%、16年連続No.1を達成している。

 こうした市場での圧倒的な「強さ」の理由として、谷口氏はまず「ターゲットをモバイルワーカーに特化していること」を挙げる。モバイルPCには、レッツノートの特長でもある「頑丈」「軽量」「長時間駆動」が欠かせない。しかしこの3つは、例えば駆動時間を延ばすには電池をたくさん積めばいいが、それでは重くなる、というように、互いに相反する技術要素である。パナソニックでは相反する技術要素を高い次元で擦り合わせ、融合する技術を持っているからこそ、強い製品を生み出せるというわけだ。

 そしてもう1つが、「顧客密着度の高さ」だ。レッツノートやタフブックが誕生して22年。その間、幅広い顧客からの意見を聞き、そのフィードバックを元に新たな製品を開発する、というサイクルを回し続けてきた。「お客様の意見を聞く、といっても、一般的には営業担当者がお客様企業のITマネージャーに聞く程度でしょう。その点、当社では、設計者自らがエンドユーザーの元に聞きに行くのが当たり前。例えば北米では、警察のパトカーに同乗させてもらって一緒に現場まで赴き、そこで警官が実際、どのようにパソコンを使っているか確認しながら新商品のヒントを探る、ということまでしている。そんなこだわりが、仕事の醍醐味にもなっています」

 今後、開発センターが目指すのは、こうした強いハードをコアとして、それを単品ではなくソリューションビジネスとして展開していくことだ。例えば、タフパッドではすでに、背面に赤外線サーモグラフィカメラモジュールを装着して対象物の温度を計測したり、3Dカメラモジュールを装着して離れた場所にある建築物のひび割れの長さを計測したりするソリューションを実現。レッツノートでも、社員のPCやアプリケーションの使用状況をモニタリングして、どのような業務をしているかを可視化するといった「働き方改革支援サービス」を提供している。「センシングやAI、画像解析、データ解析といった最先端技術とパソコン・タブレットを融合させて、お客様のデジタルトランスフォーメーションを牽引できるソリューションを生み出していきたい」と谷口氏は力を込める。

AI、ビッグデータ解析など求められる技術の幅は広い

 こうしたことを実現するには、開発センターに新たな知見を外部から取り込んでいくことが不可欠だ。そこで同センターでは、様々な分野で経験を積んだキャリア人材の積極採用に動いている。

 パソコン・タブレットを中心に周囲の環境をセンシングし、その中にいわば「五感」を入れる。そして、そこから得た感覚をデータ化し、そのデータをAIやビッグデータ解析などを用いて顧客にとって価値あるものにして提供する。それが開発センターが目下、注力しているところ。そのためAIやビッグデータ解析、サーバ、通信など、必要とされる技術の幅は広い。「お客様の困りごとについて『ここにこんな技術を入れればいいのでは』と気づけるセンスを有している人であるとありがたい。また、社内だけの技術では解決できない課題を、社外から持ってきた様々な技術と組み合わせてクリアできる、コーディネーター的な人材も求めています」と谷口氏は期待を込める。

 一方で、パソコン・タブレットそのものをより進化させていくための、電気・機構・ソフト各分野の技術者も必要だ。「パソコン業界の技術の変化は速い。その一歩先を見て先行開発を行っていける人材がほしいですね。重要なのは、固定観念にとらわれず、変化に柔軟に対応できることと、チャレンジ精神です」

 開発センターには昔から、全ての分野の技術者がワンフロアで働き、膝を突き合わせて議論をしながら開発を進める伝統がある。最近は社内に会話スペースを設けるなど、技術者同士の対話から出る自由なアイデアをよりいっそう大切にする風土になっているという。また、パナソニックはパソコンのみならず多彩な製品を開発しているため、社内の他部署と連携する中で、幅広い先端技術を自分の中に蓄積していけるのも魅力だ。「自分が持つ創造力を駆使して『プロのためのダントツの商品』の開発に取り組んでいく。そこに挑戦心をかき立てられる方に、ぜひいらしてほしいですね」と谷口氏。大きなやりがいが待ち受けていることは間違いないだろう。

写真:モバイルソリューションズ事業部 開発センター 所長 谷口氏のインタビューカット 写真:モバイルソリューションズ事業部 開発センター 所長 谷口氏のインタビューカット
パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 開発センター 所長 谷口 尚史 氏 

パナソニック株式会社
コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部
開発センター 所長
谷口 尚史 氏 

一貫してパソコン・タブレット製品の開発に携わる。当初はパソコンの基板設計を担当。1996年には「レッツノート」立ち上げに参画する。以後、2006年から「レッツノートCF-Y5」のプロジェクトリーダー、2011年からハード設計全般のチームリーダーを歴任。2013年から現職に就き、「レッツノート」「タフブック」「タフパッド」の開発を統括する。(※所属・肩書きは取材時のものです。)