社員紹介

設計開発 塚原 知里

おいしさを追求して、飯文化を盛り上げたい。 おいしさを追求して、飯文化を盛り上げたい。

「おいしいものは、人を幸せにできる」。それを知ったのは、ずいぶんと子どもの頃だったと思う。はっきり覚えているのは、苺大福だ。友だちと一緒につくって、それが自分でもびっくりするくらいに上手にできて、「おいしい!」ってみんなで笑った。あとでお母さんとお父さんにも食べてもらったら、笑顔ですごく褒めてくれた。嬉しくて、嬉しくて自分もいっぱい笑った。子どもの頃の塚原知里は、みんなを笑顔にしたくて、時間があればお菓子やパンをつくっていた。

大学生になっても、いちばん興味があることは「食」だった。いくつになっても好きなものが食べられることって幸せだなと思ったから、管理栄養士をめざしたこともあった。大学院での研究も、就職活動も、いつも彼女の中心にあったのは、人を幸せにできる「食」だった。

「はじめは食品メーカーで働きたいなって思っていたのですが、考えてみたら食品メーカーだと、そのメーカーの食品しか関われないかなって。それに健康とかを考えるなら、自分自身でつくる食生活の方が絶対にいい。私が本当にやりたいことができるのは、みんなの食生活に幅広い提案ができる調理家電のメーカーじゃないか。そう気付いてから、調理家電のほぼすべてを扱っているパナソニックを第1志望で活動しました」。

配属の希望を聞かれた時は「電子レンジか、IHをやりたいです」と答えた。それは、より幅広い料理をつくれる調理家電がいいと思ったから。しかし入社後に配属されたのは、炊飯器事業だった。「正直はじめは戸惑いました。炊飯器だと、お米のことしかできないじゃないですか。それで、おもしろいって思えるかなって」。

ライスレディ。彼女の仕事は、そう呼ばれている。調理科学に基づいて、どうすれば誰もがおいしいと感じるごはんが炊けるのかを研究するのが仕事だ。具体的には、プログラム(温度・時間・圧力・スチームなど)や炊飯条件(合数・加水量・電圧・水温・室温)などをいろいろ変えながら、「ご飯を炊く」「試食する」を繰り返し、どんな条件でもおいしい炊飯器のご飯の味をつくり上げていく。「でも、ご飯の好みは一人ひとり違いますから。パナソニックとしてどういったご飯をめざすのか。その基準を自分のなかにつくることが、この仕事の第一歩です。毎日、ご飯を炊いては食べ、炊いては食べ、をしていました」。

そんな彼女が、最初に任されたのが、100周年の機にフルモデルチェンジで発売される炊飯器の開発だった。「それまで開発は一回も経験したことがないですし、開発ステップとかもよく分かっていませんでしたから。こんな記念すべき商品を、新人の私が本当にやっていいの?って」。

まずは、外部の専門家とご飯の基礎研究を行うことから始まった。その成果を学会発表した後は、炊飯プログラムや業界初の鮮度センシング機能などの開発を行った。なかでも力を入れたのが、産地の人とともに取り組んだ、銘柄炊き分け機能だった。銘柄の特徴を最大限に引き出す炊き方をする、パナソニックの炊飯器の目玉とも言える機能だ。銘柄の開発者や生産者に理想の食味を伺い、それをいかに再現できるのかは、まさに試行錯誤の連続だった。「私たちがいいと思う食味でも『これは理想じゃない』って。何度も持ち帰ってみんなで検討して、を繰り返しました」。産地の方が、何年もかけてつくり上げた銘柄だ。食味には強い想いとこだわりがある。そのこだわりを味わっていただくことで、食卓の笑顔を増やしていきたい。そんな想いを原動力に、理想の炊き加減をめざして来る日も来る日もご飯を炊いては食べて、プログラムを調整する日々が続いた。そして最後に「この炊飯器で炊くのがいちばんおいしい」と言ってもらえた時、彼女は子どもの頃のように笑った。

「最近、『お米=太る』というイメージを持たれる方がいらっしゃいますが、栄養学の観点から言わせていただくと、お米はエネルギー効率がすごくいいですし、体内に脂肪として蓄えられない素晴らしい食材なんです。そして何よりおいしい!この日本人の心とも言うべきお米を、コーヒーみたいに好みで選んで、もっともっとみんなに楽しんで食べてもらうことが私の夢というか、野望ですね」。

毎年のように新しい銘柄が開発され、好まれる食味も時代とともに変化する米。「あんなに小さな粒なのに、お米は知れば知るほど奥が深いです。そこがたのしいですね。今は炊飯器、愛してるって感じです!」。

仕事場と塚原 知里さんの写真
塚原 知里さんの写真

設計開発
塚原 知里(つかはら ちさと)
アプライアンス社
2015年入社 人間文化創成科学研究科卒

大切にしている時間は、仕事の後の食事。特に、仕事中は食味が分からなくなるという理由で食べられない、チョコレートやコーヒーを口にする時が至福の時。また、旅行が趣味で、47都道府県制覇まであと少し。

*所属・内容等は取材当時のものです。

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