社員紹介

研究開発 堂腰 美妃

解析のエキスパートになって、水素エネルギーの「最適解」を見つけたい。 解析のエキスパートになって、水素エネルギーの「最適解」を見つけたい。

世の中の何気ないことにも、どうしてそうなるのかちゃんと理由があって、答えがある。それを教えてくれたのは物理だった。たとえばボールを、どの角度で、そしてどの速さで投げたら、どこに落ちるのか。そんな身のまわりの現象が計算で弾き出せることがおもしろいと思った。勉強が嫌いで、部活でテニスばっかりやっていたけれど、物理を知ってからは「ボールをこの角度で打てば、アウトにならない」なんてことを、どこか感覚的に思いながらプレーするようになった。

そんな堂腰美妃が大学院で「水素」の研究に取り組んだのは、環境問題の解決に貢献したいという思いがあったからだ。人類の大きな課題に、何か答えを出すことに貢献してみたい。そう考えた時、水素に大きな可能性を感じた彼女は、水素を粉末や合金に吸収させて、より安全に、よりコンパクトに貯蔵する水素吸蔵材料の研究に取り組んだ。未来は、こっちの方向にある。研究を進めるうちにそう確信をして、就職する会社は水素の研究ができることと、事業をグローバルに展開していること、その2つを基準に探して決めた。

入社以来、彼女が取り組んできたものは、次世代の発電装置と言われる「純水素燃料電池」のシステム開発だ。「純水素燃料電池は、水素と酸素のみで高効率にエネルギーを生み出しますが、その際にCO2は排出しません。このシステムは、発電部であるスタック、熱交換器、ポンプ、センサーなど数十のデバイスから構成されていますが、私は全体のかじ取り役として、各デバイスをどう組み合わせればもっとも効率的に電気を取り出すことができるか。安全で安定的に制御できるかを日々探っています」。

システム開発を進める上では、解析をうまく活用することが非常に重要になってくる。「難しいのは、解析の結果と実機評価での現象のズレ。実機で起こる現象が、解析モデルでは表現できていない。そんな時は論文や技術資料を参考に『どうしてそうなるのか』を試行錯誤して、もう一度解析モデルに落とし込んで計算をする。これを繰り返すんです」。

また、各デバイスの開発担当者と密にコミュニケーションを取り、スペックや形状の調整をし、トータルとして良い製品をつくることも重要だと言う。「私自身、デバイスの開発も担当することがあるのでよく分かるのですが、各デバイスの開発担当者は、そのデバイス自体を良い製品にしようと考えます。しかし、システムとして組み合わせた途端に『あちらを立てれば、こちらが立たない』という状態になることも。そんななかで『最適解』を見つけることが私の役割です」。

2020年以降の一般家庭における実用化をめざし、純水素燃料電池の開発が着々と進んでいる。「これまでパソコン上でのシミュレーションだったものがカタチになってきて、俄然、現実味を帯びてきました。これが一般の家庭に置かれ、人々が電気を灯し、料理をつくり、お風呂に入る。そんなシーンを想像するとワクワクして、しょうがないですね」。化石燃料を使わず、停電が起きた時でも発電でき、安価で、安全なエネルギーが世界に広がれば、どんな未来がつくれるのか。彼女が探し続けた答えのひとつが解き明かされる日がやってくる。

仕事場と堂腰 美妃さんの写真
堂腰 美妃さんの写真

研究開発
堂腰 美妃(どうこし みき)
マニュファクチャリングイノベーション本部
2011年入社 工学研究科卒

出産、産休を経て仕事に復帰した彼女は、現在、水素を貯めるための水素圧縮装置のシステム開発担当。よりカーボンフリーなエネルギーシステムの構築に向けた製品の開発に取り組んでいる。仕事に家事に育児に、忙しいが充実した毎日とのこと。

*所属・内容等は取材当時のものです。

社員紹介