社員紹介

研究開発 松本 裕一

高齢者の心に寄りそうAIをめざしたい。 高齢者の心に寄りそうAIをめざしたい。

「AIに関わる仕事ができ、幅広い事業領域に展開できるフィールドがある」。それが松本裕一がパナソニックを就職先に選んだ理由。AIがトレンドになることを予測していたかのような選択だ。大学院時代の専攻は情報数理学。研究室のテーマに沿って、ロボットをうまく歩行させる研究を選んだ。だが、目標がハッキリしていた方がいい。おもしろい方がいいに決まっている。松本はAI技術と、小学校から続けてきた大好きなサッカーを活かして、「ロボカップサッカー」への出場をめざすことにした。

「ロボカップサッカー」とは、人間のサッカーと同じように自ら考えて動く自律移動型ロボットを使った試合形式の競技会。「2050年にはサッカーの世界チャンピオンチームに勝てる自律型ロボットのチームをつくる」という夢に向かってAIやロボット工学の研究を進め、基礎技術として波及させることを目的としたランドマーク・プロジェクトだ。研究成果の実験・発表の場であり、一般の方も先端技術にたのしく接することができる交流の場でもある。そして、日本大会で好成績を残せば世界大会に参戦できる。何より世界大会はワールドカップと同じ時期、同じ場所で開催されるのだ。がんばればリアルな試合も観戦できる。松本には、そんな下心も少しあった。

基礎となるロボット歩行やAIの研究を進めながら対策を練っていた松本は、偶然にもネットで同じ大学にロボカップサッカー経験のある留学生たちを発見した。早々にコンタクトを取り、即戦力としてメンバーに巻き込んでいった。準備に追われる日々だったが苦にならない。意見のくい違いもあったが、それさえチームワークに変えていった。結果は国内大会で優勝し、世界大会はベスト8。念願のワールドカップも観戦できた。戦略家であるが、忘れてはいけない。確かな研究があったからこその成果であることを。

パナソニックに入社後もAI技術を中心に研究を重ねてきた松本だが、アプリケーション開発において精度や情報処理の高速化という壁にぶつかった。そこで松本はさらなるスキルアップをめざし、AI研究の本場であるシンガポールへ学びに行くことを上司に相談。チャンスを得た。パナソニックの海外R&D拠点、パナソニックR&Dセンターシンガポールと、シンガポール国立大学で「ディープラーニング」を開発しているグループと約1年共同研究し、ひとつ上のスキルとノウハウを身につけた。

現在、松本は画像認識技術のなかでもAIに関連する「ディープラーニング」を、引き続き研究している。画像の特定や人物の顔・音声の認識、予測など、人間が行うタスクをコンピューターが実行できるように学習させる手法だ。これによってカメラに映っている人やものを「見つけ出す」だけでなく、それが「誰であるのか」「何であるのか」「何をしているのか」まで自動で分析できるようになる。さらに人の行動や属性も認識できるようになれば、さまざまなシーンでくらしを改善できる。たとえば駅のホームを歩く人が車椅子の方か、白杖の方か、ベビーカーを押す方かをリアルタイムで判別。それに応じたサポートを、すぐ行うことができる。また監視カメラの映像から自動的に危険人物の顔を割り出せれば、効率的なセキュリティにつながる。カメラがあれば、新しい価値を広げることができるのだ。

松本はBtoBだけでなく、くらしの質の向上にも視野を広げている。「日本は超高齢社会に突入します。技術者としてできることは介護ロボットのサポートなどに役立つAI技術の開発です。キーワードは『人間とAIの協調』。介護業務の効率化や負担軽減に貢献するだけでなく、ロボットが人の表情や動きを察知し、自ら高齢者のサポートを行う。AIが人の心に寄りそうことで、くらしがより豊かになる未来をめざしています」。AIに人の気持ちや表情を知識として教えるのは、あくまで人間だ。トレンドともいえる技術開発の最先端に立って、松本は時代を牽引していく。

仕事場と松本 裕一さんの写真
松本 裕一さんの写真

研究開発
松本 裕一(まつもと ゆういち)
コネクティッドソリューションズ社
2008年入社 情報科学研究科卒

スキルアップのため、海外の最先端技術を学びに行く機会を与えてくれる。
まさにパナソニックは「ものをつくる前に、人をつくる」会社。
より高いレベルの研究をめざすモチベーションにつながる、魅力的な社風が根付いている。

*所属・内容等は取材当時のものです。

社員紹介