社員紹介

設計開発 田尾 洋平

世界トップ性能のHEV電池を開発し、世界中に普及させたい。 世界トップ性能のHEV電池を開発し、世界中に普及させたい。

小さい頃から、プロ野球選手になるのが夢で、高校は、かつての甲子園の名門校に入った。しかし、1年も経たずに挫折する。「私は甲子園をめざそうとしたんですが、自分の目標や熱意が周囲とかみ合わずに不満を募らせてしまい、今思えば恥ずかしい話ですが、結局、自暴自棄になって辞めてしまいました」。目的を見失った彼は、毎日のように夜中まで遊び回った。「このままではまずい」と気付いたのは、一通り遊び終えた高校2年の冬だった。「このままふらふらして一生を終えていいのか。大学に行けば、何かやりたいことが見つけられるのではないか」と思った。その日から猛勉強が始まる。「遊んでしまった分を取り戻すために、眠る時間も惜しんで勉強しました」。そして、家庭の事情でそれ以外は許されなかった国立大に見事合格する。

大学では応用科学を専攻。大学院の研究室では燃料電池の材料・設計開発を学んだ。就職活動が苦手だった彼は、教授の推薦でカーバッテリー・メーカーに入社する。そこで、カーバッテリーの設計開発支援や、次世代カーバッテリーの開発に8年間従事した。パナソニックに転職したのは、「これまで自分が身に付けた電池開発の知識や技術を活かして、国内だけではなくグローバルな舞台で仕事がしたい」と思ったからだ。

配属されたのは、オートモーティブエナジー事業部セル設計開発部。そこで、既に量産・販売されているHEV (Hybrid Electric Vehicle)用リチウムイオン電池のVE(Value Engineering)開発と、次世代HEV用リチウムイオン電池の開発を行っている。VE開発とは、コストに対する顧客満足度を高めるための取り組みで、製品・サービスの価値向上につながるものだ。彼は、電池の価値(Value)=機能(Function)/コスト(Cost)の関係に基づいて、材料や要素・機構設計を見直し、電池の価値を向上させる開発に取り組んでいる。

「大変なのは、お客さまとの交渉、折衝です。VE開発は、お客さまとの利害が対立するため、バランスを取るための調整が必要なんです。交渉が難航してVE開発が中止になりかけたこともありました。でも、VE開発を諦めずに何度も足を運んでねばり強く交渉を続けたことで、承諾いただくことができました。この経験は、パナソニックに入社して間もない私にとって大きな自信になりました」。

彼は、この仕事の魅力をこう語る。「地球環境のために生まれたHEVと、それを動かすリチウムイオン電池。どんなに環境性能が優れていても、普及しなければ意味がないと思うんです。その普及の推進力となるのが、私が担当しているVE開発だと自負しています。自分の仕事が、地球の未来につながっている。そう思うと、責任とともに燃えるものを感じます」。

高校で野球の夢を失った男は、今、新たな夢を追いかけている。「目標は、世界トップ性能のHEV用バッテリーを開発して大量生産し、世界中に普及させること。そして、正しく儲けることです。創業者の松下幸之助も言っていますが、正しく儲けることで、納税という形で社会に還元したり、身のまわりの人や家族を支えることは大切だと思っています」。

彼が開発した電池を搭載したHEVが、もうすぐ街を走り出す。「街で見かけたら、このクルマ、お父さんがつくった電池で走ってるんだよって、子どもたちに自慢したいですね」。彼は嬉しそうに語った。

仕事場と田尾 洋平さんの写真
田尾 洋平さんの写真

設計開発
田尾 洋平(たお ようへい)
オートモーティブ社
2017年キャリア入社 応用化学科卒

子どもの頃は、母と弟の3人暮らしだった。大学時代は、生活費を稼ぐため週4日、居酒屋やスーパーでアルバイトをした。その頃熱中したのはブレイクダンス。週末の夜は、仲間たちとストリートで踊り明かした。今は、3歳の息子と1歳の娘と遊ぶことが一番のたのしみ。

*所属・内容等は取材当時のものです。

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