くらし事業本部

(本記事は2021年11月時点のものです)

写真:パナソニック株式会社 くらし事業本部 本部長 チーフ・エグゼクティブ・オフィサー(CEO) 品田 正弘(しなだ まさひろ) タイトル文字:企業価値経営を実践し くらしのベストパートナーを目指す

2021年10月に発足した「くらし事業本部」は、家庭から店舗、オフィス、街にいたる様々なくらし空間に対応した商品・サービスを展開しています。5つの分社「くらしアプライアンス社」「空質空調社」「コールドチェーンソリューションズ社」「エレクトリックワークス社」「中国・北東アジア社」を核に、くらし領域の事業が結集した、いわばパナソニックの原点とも言える領域を手がけています。
2022年4月からは、新「パナソニック株式会社」として、人、社会、地球の「健やかさ」を実現するべく、社員一丸となって、お客様の視点でくらしの質を豊かにする取り組みを推進していきます。

「未来起点+人起点」の企業価値経営

お客様や様々なステークホルダーになくてはならない会社になっていくため、私たちは「未来起点+人起点」の考え方に立って企業価値経営を推進します。
「未来起点」としては、中長期的視座に立ち、ミッション、ビジョンに基づいた経営を進めます。ミッション(私たちの使命)として「Life tech & ideas 人・社会・地球を健やかにする」、ビジョン(ありたい姿)として「人を想う技術と創造力で、くらしを支えるベストパートナー」を掲げています。

「人起点」としては、まずお客様に最も寄り添ってお役立ちできる会社になることが基本です。そして約88,000人の従業員全員がお客様と向き合い、同時に「働き甲斐」と「誇り」を持って業務に取り組むことができる経営を進めていきます。「未来」起点だからこそ魅力的な「人」が集まり、かけがえのない人財が切磋琢磨することで未来をつくる、そして社会的価値と経済的価値を創出していく、そのような姿を目指します。

図版タイトル:「未来起点・人起点の企業価値経営」“くらし”になくてはならない新たな価値を生み続けるための、未来起点・人起点の企業価値経営 「未来起点:ミッション・ビジョンに基づくパーパス経営」と「人起点:お客様へのお役立ち、『働き甲斐』と『誇り』の最大化」により、「くらし事業領域」において、持続可能で健やかなくらしを実現する『社会的価値』と、未来につなげる収益力と経営基盤をもたらす『経済的価値』を実現。ステークホルダーと向き合う観点から、統合(財務と非財務)コミュニケーションを推進。

3つの変革軸を長期にわたり一貫して推進

新「パナソニック株式会社」として、くらしの領域で企業価値を高めていくため、3つの変革軸と呼んでいる、「顧客価値の創出」「オペレーショナルエクセレンスの追求」「成長事業への経営資源の集中」の3点を強力に推進します。また、変革を実現するための基盤となる経営システムや人事の仕組み改革にも取り組みます。

図版タイトル:「くらし事業本部 3つの変革軸」 「変革軸 1:顧客価値の創出」優れた顧客体験で、突出したブランド価値を創造。「変革軸 2:オペレーショナルエクセレンスの追求」グローバルトップレベルの生産性・コスト競争力を実現。「変革軸 3:成長事業への経営資源の集中」事業競争力を徹底的に強化し、No.1、2事業の集合体を実現。この3つの変革軸を長期にわたり一貫して推進。この変革を実現するための基盤となる経営システム、人事の仕組みの改革を行い、長期・全体最適視点、チャレンジし続ける人を大事にする会社となる。

くらし事業を営む会社として、一丁目一番地と言えるのが「顧客価値の創出」です。未来を創る視点を経営の仕組みに取り入れると共に、競争力の源泉となるテクノロジーについては、グローバルに、未来への変化を見据え、イノベーションを加速していく必要があります。
複雑化・融合化する技術に対し、自社で培った強みとなる技術だけでなく、その周辺の領域にある技術も外部から積極的に取り入れ、組み合わせることで、さらにスピード感を持ってイノベーションの創出を進めていきます。そのための枠組みとして、将来的には「くらしファンド」の立ち上げも検討しています。
既に商品開発の現場では新たな取り組みにも着手しています。くらしアプライアンス社では、開発・製造・販売の壁を取り除く、マイクロエンタープライズ(ME)制を導入し、商品開発リードタイムの従来比半減を目指しています。商品企画から市場導入、また商品の生涯に渡る収支まで一貫して責任を持ち、1つの商品を世に送り出す全工程のメンバーが参加し、お客様とライフサイクルでつながり続けるチームを構築。現時点で、冷蔵庫、食洗器、電子レンジ、炊飯器、IHクッキングヒータ、オーラルケア、ヘアケア、掃除機、洗濯乾燥機など、白物家電カテゴリで、9つのマイクロエンタープライズが立ち上がっています。
さらに、商品・サービスを通じた顧客接点においても、「未来の定番づくり」「世界観づくり」そして「顧客との関係づくり」を一段と加速することで、当社へのロイヤリティを高め、ブランド価値の最大化を目指します。

2つ目の「オペレーショナルエクセレンスの追求」については、分社の壁を越えて競争力を強化していきます。半導体をはじめとする様々な部材の安定調達はますます重要性を増しており、個別最適になっていたインフラを全体最適に変えるべく、ゼロベースでサプライチェーンを見直しているところです。「コスト力強化」と「安定調達」の両立をトップダウンで聖域なく推進し、今後3年間で1,000億円程度のコストダウンを目標としています。
また、グループ全体としてパナソニック流のDXである「PX(パナソニック トランスフォーメーション)」を推進している中、くらし事業本部においても、従来比4~5倍のIT投資を実施する予定です。

3つ目の変革軸は「成長事業への経営資源の集中」です。まずは分社自らが、競争力や強みを発揮できる成長事業に経営資源を集中していきます。そして、これを超える部分についてはさらに大きな視点で、戦略的なキャピタルアロケーションも進めます。
各事業は対面する業界においてナンバー1または2のポジション確立を目指して、将来的には利益1,000億円規模の太い事業の柱を複数創っていきます。またその進捗や事業の実態を社内外に正しく理解いただけるよう、今後は各分社単位に経営数字を開示し、競争力発揮の足掛かりとしていきます。

持続可能な事業に向けて分社横断で変革をドライブ

2020年度のパナソニックグループの温室効果ガス排出量のうち、スコープ3の割合が大きいくらし事業本部が全体の約90%を占めています。従って、2050年のグループ全体としてのカーボンニュートラル実現に向けては、私たちのコミットメントが大変重要な役割を担います。3つの変革軸と経営システムの改革で長期的にCO2排出削減を進めながら、水素燃料電池など社会全体のCO2排出削減に貢献可能な事業を拡大し、また新たに創出することに取り組んでいきます。

4月からいよいよ新会社となりますが、これらの変革は、CXOと呼ばれる少数精鋭の戦略本部の横断機能でドライブしていきます。また、事業の主役となる5つの分社長には、今までの経験や強みを活かしながら、今回、全員に新しい仕事へのチャレンジをしてもらっています。各分社がそれぞれ対峙する業界とお客様に正面から向き合い、くらしを支えるベストパートナーとしてお客様に寄り添いながら、人・社会・地球を健やかにするためのソリューションを提供していきます。