ハウジングシステム事業部

(本記事は2021年11月時点のものです)

写真:パナソニック株式会社 ハウジングシステム事業部 事業部長 (兼)イノベーション本部長 山田 昌司(やまだ まさし)、タイトル文字:「くらし」に寄り添い、人と社会に新たな価値を提供

私たちの事業は、1958年に雨樋の販売からスタートし、樹脂成型や金属加工といった技術の進化・応用を繰り返して大きく拡大。現在は、システムキッチンやバス、トイレなどの住宅設備、床材や建具といった建材からホームエレベーターなど13カテゴリーにもおよぶ商品群に加え、設計施工を担うエンジニアリング分野までを手がけています。

2022年4月からの事業会社化を前に、ミッション・ビジョンを制定

私たちの組織は、パナソニックグループでも数少ない商品の企画・製造部門と販売部門が一体となった組織へと2018年度に変革。この改組によるモノづくり改革や製造から販売までの一気通貫での取り組みにより、事業の体質強化が図れ、コロナ禍の厳しい環境下の2020年度も従来と同程度の営業利益率を維持することができました。
私たちの強みは、商品の企画・製造・販売にとどまらず、施工からアフターサービスまで含め、くらし空間のバリューチェーン全体で事業を展開している点。加えて、エアコン・換気扇等の空質・空調関連商品、エコキュート等のエネルギー関連商品といったグループ内の設備系商品を組み合わせて、ワンストップでくらし空間全体の提案が可能な点も大きなアドバンテージです。

そして、2022年4月からの事業会社化を前に、ミッションに「くらしの空間から、持続性のある豊かな社会をつくっていく」を、ビジョンに「住生活に関わる確かな技術で、領域を広げ、ともにまだない日常を生みだす」を制定。私たちはビジネスパートナーやお客様との共創を深め、人と社会に新たな価値を提供し続けていきます。

転換点を迎える社会と建築業界に向き合った成長戦略

時代はますます複雑化・多様化しており、社会全体にも建築業界にも環境問題、市場環境、価値観の変化といった大きな変化の波が押し寄せてきています。それらの変化・社会課題に対する的確な対応を通じ、世の中への寄与とそれに伴う事業成長との両立を目指していきます。

具体的な戦略軸は3つ。ひとつ目は前述している既存事業を強化する観点による良質な商品を安定的に供給し続けることを目論む「くらし設備建材ソリューション」。次に業界のバリューチェーンを変革する試みとしての「くらし価値イノベーション」。そして新たなマテリアルやデバイスの開発提供を通じて、持続可能な社会に貢献する「くらしテクノロジーイノベーション」です。

図版タイトル:「ハウジングシステム事業部 3つの成長戦略軸」 デジタルとエンジニアリング融合し強みとして、ハウジングシステム事業部の技術展開、販売網深化を推進。戦略軸の1つ目は、働き方・くらし方の多様化、人口減少(市場縮小)という課題に対し、新・価値創造と業界構造変革を進めながら既存事業の強化を図る「くらし設備建材ソリューション」。これにより良質な商品を安定的に供給し続け快適なくらしを支えます。2つ目は、人手不足や価値観の多様化という課題に対し、新・工業化、新・顧客体験を推進しながら住宅供給のバリューチェーン拡大を図る「くらし価値イノベーション」。これにより商品を簡単かつ綺麗に納め商品を起点としたサービスでくらしを便利にします。3つ目は、省エネ、再エネ促進、水や木などの資源保全という課題に対し、これまで培ってきたデバイス、マテリアルにより住宅設備・建材のバリューチェーン拡大を図る「くらしテクノロジーイノベーション」。独自技術を活用した素材・部材・製品で持続的な社会を実現します。この3軸による取り組みを、デバイス・素材、企画・設計、住設建材(既存事業領域)、施工、サービス・メンテナンスのバリューチェーン全体で展開し、国内住宅市場のみながらず、国内非住宅や海外市場にも拡げていきます。

「くらし設備建材ソリューション」では、ニューノーマルなライフスタイルへ対応する抗ウイルス加工商品をはじめとする商品ラインナップの充実による「新・価値創造」、自前主義にこだわらず、建材業界各社と得意分野で補完しあって水平分業を推進する「業界構造変革」を目指します。

図版タイトル:抗ウイルス加工商品をはじめとする「新・価値創造」 写真:抗ウイルス加工商品の内装ドア用ハンドル、内装ドア用引手、床材、トイレ

また「くらし価値イノベーション」では、パネル工法・ユニット工法の進化によって省人化・短工期を実現。課題となっている建築現場の人手不足をカバーする「新・工業化」や、DXやIoTを活用した新しい価値提案を目指す「新・顧客体験」の創出に取り組みます。

さらに「くらしテクノロジーイノベーション」においては、真空断熱ガラスやマイクロバブル、将来的には新しい非木材のイノベーティブな建築材料など、培ってきた技術・ノウハウを注入したマテリアルやデバイスの開発提供を通じて、省エネルギー化、再生可能エネルギー化の促進と、資源保全を目指していきます。

図版タイトル:真空断熱ガラス「Glavenir(グラベニール)」  図版:商品写真、ガラスの断面図、ルーム写真。厚さ約6ミリのガラスの断面図ではLow-E膜、真空層の間隔を保つピラー、フロート板ガラス、真空封着材を紹介。

国内新築住宅市場の縮小を見据え、リフォーム&海外へも注力

国内は、この先の人口動態から見ても、戸建・集合住宅ともに新築市場は減少していきます。しかしこれに代わって、ストックが豊富な国内ではリフォーム市場が拡大。リフォーム市場で事業をしっかり伸ばしていくと同時に、店舗・診療所・福祉施設など多様な施設での事業拡大を図っていきます。
海外に目を向けると建設市場はまだまだ大きく拡大すると見込まれておりますので、海外市場での増販による全体の成長を実践していきます。東南アジアを中心に、日本型の生活様式や収納の工夫などが高く評価されつつあり、システムキッチンやユニットバスといった設備に注目が集まっています。まずはこのニーズに応えるべく、現地企業との協業を進めていきつつ、将来的には各国デベロッパーと組んで、まだまだ改善の余地が大きい従来型工法そのものの革新なども手掛けていきたいと考えています。国内住宅はリフォーム拡大などで事業規模を維持しつつ、現在全体の約1割となっている海外、国内の住宅以外の建設市場などの売上比率を、2030年度に3割にまで上げ、事業全体の売上を2030年度に2021年度からプラス1,000億円を目標にし、2022年4月から新たに出発するパナソニック ハウジングソリューションズ株式会社は、さらなる躍進を目指します。