におい成分の調査・分析サービス

においは複数の化学物質が混ざり合った複合臭(混合臭)になっていることが多く、濃度や構成比率が変化するとにおいの感じ方(臭気)が変わることがあります。また、非常に低濃度(微量)でも強いにおいを発する(=嗅覚閾値の低い)化学物質もあることから、におい成分の調査では、においを構成する成分とその濃度を分析するだけでなく、においの種類や強さも含めて評価する必要があります。
以下に、香りや異臭(悪臭)の原因になっているにおい成分の定性・定量分析と、臭気を同時に測定できるにおい嗅ぎガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS-O)法(以下、におい嗅ぎGC/MSと表記)による調査・分析サービスについて紹介いたします。

におい嗅ぎGC/MSの概要

におい嗅ぎGC/MSは、におい成分を分離するガスクロマトグラフ(GC)部と、分離した成分を検出する質量分析計(MS)部、それに検出成分のにおいを嗅ぐことができるにおい嗅ぎ部で構成されています。 GCでは、試料がカラムに導入され、成分によりカラム中の固定相との相互作用(吸着、分配)の強さが​異なる性質を利用して分離し、におい嗅ぎ部と質量分析計(MS)部に分岐します。におい嗅ぎ部では、分析者の嗅覚によりにおいの種類や強さを感知します。質量分析計(MS)部では、成分がイオン化され、電場内で質量ごとに分離されて検出器に到達します。これにより得られたMSスペクトルによりにおい成分の定性を行います。

におい嗅ぎGC/MSの装置構成と原理

におい嗅ぎGC/MSによる測定例

柑橘系の香気を有する香料をにおい嗅ぎGC/MSで分析した例を以下に示します。

におい嗅ぎGC/MS分析結果

GC/MS分析チャートでは大小含め多くの化合物のピークが検出されていますが、におい嗅ぎシグナルで検出されたのは11成分になります。これらに該当する化合物のピークを定性分析することで、においの主成分はにおい嗅ぎシグナルが強く検出されたオクタナール[6]、ノナナール[7]、および、リナロール[11]の3種類であることが判明し、においを可視化することができました。

上記の分析結果のように、におい成分は必ずしもGC/MS分析チャートのピークが大きい化合物とは限らないため、“GC/MS分析”と“におい嗅ぎ”を併用することにより、GC/MS分析チャートの小さなピークでも臭気物質と特定することができ、試料のにおい成分を正確に評価することが可能です。

分析応用事例

  • 異臭原因の調査
  • 脱臭、消臭性能評価
  • 製品や部材の臭気比較調査
  • 臭気物質の調査