炭素材料の構造分析

炭素材料のラマン分析

炭素材料としてよく知られているグラファイト、ダイヤモンド、カーボンブラックのほかに、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン、DLC (Diamond Like Carbon)なども炭素材料の一つです。 これらの炭素材料の構造分析にラマン分析が威力を発揮します。

炭素材料のラマンスペクトルには1330cm-1付近と1580cm-1付近に2つのラマンピークがあり、それぞれDバンドおよびGバンドと呼ばれています。

炭素材料の製造条件(材料構成や焼成温度、表面処理の有無など)によって、この2つのピーク強度比やバンド幅、ピーク位置が変化することから、炭化物の黒鉛化度(炭化度)や配向性などを評価することが出来ます。

カーボンナノチューブのラマン分析

カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素六員環構造がつながった網目状のシート(グラフェンシート)が丸まった状態の構造をしています。 特に単層カーボンナノチューブ(Single-Walled Carbon Nano Tubes:SWCNT) はその特異な性質により、ナノマテリアルの1つとして注目されています。

ラマン分析では、このCNTの構造を分析する上で有効なツールです。

CNTのラマンスペクトルを示します。DバンドおよびGバンドのピーク強度比からCNTのグラフェンシートがきれいに生成されているかがわかります。 また、200cm-1以下の低波数側にもラジアルブリージングモード(Radial Breathing Mode:RBM)と呼ばれるピークが現れてます。
このピーク位置からCNTの直径や電気的特性を評価することが可能です。