
FT-IR分析法による反応追跡(皮脂の親水性化)
2010年1月8日
フーリエ変換型赤外分光(FT-IR)分析は有機物の反応前後の官能基の変化を調べる際に有効です。今回は頭皮の皮脂に帯電微粒子水を噴霧した際の皮脂の変化を追跡した結果を示します。
下図に帯電微粒子水を噴霧した際の皮脂のFT-IRスペクトルの変化を示します。青のスペクトルが未噴霧、赤のスペクトルが3分間噴霧した際のスペクトルです。皮脂の主成分であるトリグリセライド中の不飽和二重結合(C=C)ピーク(3008cm-1)に由来するピークが減少し、エステル結合ピーク(1730cm-1付近)の半値幅の増大やエーテル結合(C-O-C)ピーク(1100cm-1付近)の増加が確認されました。この結果は帯電微粒子水によりトリグリセライドの官能基であるC=C結合が反応し、エーテル結合が生成していることを示しており、疎水性である皮脂が親水性化していることを示唆しています。


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