材料分析 Materials Analiysis

オージェ電子分光分析(AES)について

2011年6月13日

材料表面分析の紹介の第2弾です。
前回はX線光電子分光分析(XPS)をご紹介しましたが、今回はオージェ電子分光分析(AES)についてご紹介します。

AES(Auger Electron Spectroscopy)は、XPSと同様に、材料のごく表面(数nm(ナノメートル))の元素分析を行う手法として活用されています。

オージェ電子分光分析装置 JAMP-7800F
オージェ電子分光分析装置 JAMP-7800F

超高真空中で電子線が試料に入射した際に、3つの電子軌道の間での電子遷移の結果、元素固有のエネルギー値を持った電子が放出されます。1920年代に、このような電子遷移に関する研究を行ったフランスの研究者、ピエール・オージェの名前をとって、「オージェ電子」と呼ばれています。表面から放出された2次電子のエネルギーを分光して得られるエネルギースペクトルから、オージェ電子のエネルギー値を解析することによって、試料表面の構成元素(水素とヘリウムを除く)の情報を得ることができます。なお、検出下限は0.1%程度です。

オージェ電子が放出される領域は、表面から数nmと非常に薄いため、ごく表面の情報を知ることができます。また、XPSと同様に、イオンビームを照射してエッチングを行えば、最表面から深さ方向への試料内部の元素情報を得ることもできます。

オージェ遷移
AESの原理と測定スペクトルの例

分析対象試料としては、金属や半導体といった導電性がある固体試料の分析が可能であり、めっき膜などの金属表面処理材料や半導体多層薄膜の分析、導電材料表面に発生した微小異物の分析などに活用できます。ガラスやセラミックのような絶縁材料でも、分析条件を工夫すれば分析できる場合もありますが、樹脂材料については帯電が著しいために分析は難しいです。

AESでは細く絞った電子線を照射するため、0.1μm以下の微小点の分析ができることが特徴です。

弊社では、AESでは導電材料の微小部分析、XPSでは絶縁材料の分析というように2つの表面分析手法を使い分けて、幅広い材料の表面分析を行っています。

材料分析HP

材料に関する困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

最新記事

情報館では、プロダクト解析センターWEBで掲載されない情報をリアルタイムでお届けしています。

    現在、新しいお知らせはございません