
レオメーターのご紹介
2013年11月1日
材料分析の森本です。
レオメーターは、材料の粘度を測定する装置で、静的な測定と動的な測定の2つのモードの測定が可能です。塗料、インク、接着剤、ポリマー等の製造工程や品質管理、さらに性能評価などに有用な粘度、せん断応力および法線応力などの基礎データを得ることができます。今回は、一般的に活用されることが多い静的な測定について、コーンプレート型レオメーターを例にとって、測定原理を説明します。
はじめに、間隔hの2枚のプレートに液体を挟み、一方のプレートを固定して、もう一方のプレートを速度Vで移動させる場合を考えます。プレートに近い液体は速度が0であるに対して、上のプレートに近いところではプレートと同じ速度Vで動きますので、せん断流動が起こります。このとき、上下のプレート間の距離をhとすると、下記の式に従い、せん断速度γを算出することができます。
せん断速度 γ=V/h (s-1)
上下のプレートをずらす力(流動を引き起こすために必要な力)がせん断応力です。このせん断応力をσとすると、σとγに比例関係が成立します。この比例定数は、流れに対する液体の抵抗であり、粘度ηと定義します。
せん断応力 σ=ηγ (Pa)
次に、実測定装置の構造を説明します。図2に示すコーンプレートの表面速度は半径に比例しますので、外側ほど速くなります。一方、上下のプレート間の距離h'も外側ほど大きくなります。コーンプレートは、あるポイントでのプレート上の速度V'を上下のプレート間の距離h'で割ったせん断速度(V'/h)の値が、全く同じになるように設計されています。このようなコーンプレートを用い、遅い領域から早い領域へせん断速度を段階的に掃引させることで、高範囲のせん断速度でのサンプルの粘度ηを正確に測定することができます。
解析センターでは、粘弾性測定などの物性評価も行っています。よろしければ、こちらもご覧下さい。
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