
ソフトマテリアルの明瞭な断面写真が撮れます!!~Cryo-BIB加工法のご紹介~
2014年4月14日
SEM・EPMA分析担当の高橋です。
今回は、Cryo-BIB加工法についてご紹介します。
前回、複合材料の平滑な断面試料作製に最適なBIB加工法をご紹介しました。BIB加工法は、Arイオンビームが照射されている箇所の温度が約100℃まで上昇するため、耐熱性の高い試料の前処理には威力を発揮しますが、ソフトマテリアルを加工すると変形・溶融などの熱ダメージを及ぼすことがあります。
そこで登場したのがCryo-BIB加工法です。その長所は、試料を冷却することにより、熱ダメージを軽減できるところです。Cryo-BIB加工法を用いれば、耐熱性の低い試料でも本来の構造を観察することができます。

一例として、芯鞘複合繊維(樹脂)の断面加工をご紹介します。通常、芯鞘複合繊維は鞘材料の方が芯材料より融点が低く、溶けやすい傾向にあります。この芯鞘複合繊維を通常のBIB加工法により断面出しすると、図1のように鞘材料が溶着し、芯材料を覆い隠してしまうために本来の構造がわかりません。
同じ試料についてCryo-BIB加工法により断面を出すと、鞘材料も溶けないため、芯材料-鞘材料の境界、また鞘材料同士の絡まり方など、本来の構造が明瞭にわかります。

Cryo-BIB加工法の対象サンプルを以下に示します。
ソフトマテリアルを用いたデバイス
・Li電池セパレータ
・有機ELパネル
・燃料電池MEA
その他、機能性高分子膜など
このような試料の前処理や、観察、元素分析でお困りの方はご相談ください。
お気軽に下記ホームページよりお問い合わせ下さい。
最新記事
情報館では、プロダクト解析センターWEBで掲載されない情報をリアルタイムでお届けしています。
現在、新しいお知らせはございません