
設計診断による輻射ノイズ低減とコストダウン
2017年10月18日
電気ソリューション部 電子回路設計課の大住です。今回は、設計診断の事例を紹介します。
ある商品のEMC対策を相談いただきました。樹脂ケースの内側に「導電塗装」を施し、さらに様々なEMC対策を検討したが、輻射が減らないとのこと。下記ステップで検証することにしました。
Step1.ノイズの素性把握
暗室での追加評価により、3つのノイズが複合していることが判明しました。
- 30MHz付近:DCDCコンバータ
- 100~300MHz:筐体FG要因
- ヒゲ状ノイズ:映像系のクロック高調波
課題の周波数範囲が広く、上記以外にもノイズ要因があると考え、EMCに特化した【設計診断】を提案しました。
設計診断 → 電子回路の設計診断
Step2.EMCに特化した設計診断
弊社独自の観点表に基づき、「部品選定」「回路設計」「基板レイアウト」「機構設計」について、35項目の課題のピックアップ、改善提案を実施しました。特に次に課題が見つかりました。
- DCDCコンバータの使用部品、レイアウト
- 筐体への基板の接地方法
- GND分離によるリターンパス分断
診断に基づく改版により不要輻射が改善し、最終的には、なんと規格を満足するだけでなく、導電塗装を無くすことができました。

ノイズは根元から断つ!回路、基板レイアウトの重要性を再認識した次第です。第三者視点でチェックする設計診断にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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