
近傍磁界プローブの応用例2
2009年11月10日
EMCの稲田です。前回に引き続いて,近傍磁界プローブ(MP法)の応用例をご紹介いたします。
無線通信の高周波化に伴い,アンテナがP板上に直接取り付けられる(場合によっては,P板そのものでアンテナが形成される)ことが多くなっています。
その場合,気になるのがオンボード化による性能の低下や,周辺回路との干渉問題の発生です。
UWB用のアンテナを例にして,近傍磁界プローブにて検討を行ってみました。まずはアンテナ単体での電流分布を示します。

アンテナ表面の中央に電流分布が見られます。
続いてオンボード時の電流分布です。


アンテナ単体時に比べ,アンテナ表面の電流が小さい値となりました。これはアンテナにとって好ましくない傾向と言えます。
また,RF回路とは直接関係しない周辺回路にまで,RF信号が流入していることが分かりました。
このサンプルはあくまで検討用のものですが,RF信号の流れを可視化することで,最終品の完成度向上のためのヒントを得られる可能性があります。
今後はRF回路設計においても,最初のチェック項目として,MP法は欠かせない存在となるかも知れません。
また,近年,EMCでは電子機器内の自家中毒(イントラEMC)が問題となっていますが,この事例と同様,近傍磁界プローブの活用が期待できます。
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