
妨害電力測定時の供試品(EUT)と金属壁との距離について
2011年9月30日
EMC 橋坂です。
先日,妨害電力測定で使用する吸収クランプと金属壁との距離についての実験結果をお伝えしましたが,「供試品と金属壁では,どのような結果になるのか?」というご質問をいただきましたので,実験してみました。
※「吸収クランプと金属壁との距離について」の実験結果は こちら をクリック!
<実験方法>
1)下図の通り,セットアップを行う
※サンプルは直管タイプの照明器具とシェーバを使用
2)吸収クランプは金属壁の影響を受けない位置に設置する
3)金属壁を設置し,EMIレシーバでQP値を計測する

※実験で使用したシールド室内の周囲の壁と天井にはフェライトをはっております。
<実験結果>
金属壁がない状態の結果を基準とし,金属壁との距離による差を
示した結果が下記のグラフになります。

金属壁が40cmの位置にある場合の基準との差は +1.4 ~ -0.2dB,
金属壁が80cmの位置にある場合の基準との差は +0.1 ~ 0dBという
結果になりました。
<まとめ>
実験結果より,金属壁から80cm以上離すことで,金属壁の影響が少ない状態で測定が実施できることがわかりました。
供試品にもよりますが,吸収クランプと同様に,測定の再現性を考慮すると,電気用品安全法の場合でも,金属壁からは80cm以上離した状態で測定することをお勧めします。
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