
供試品の安定時間について
2013年9月9日
EMCの橋坂です。
供試品の安定時間について検討を行いました。
ある供試品を用いて端子妨害電圧測定を行った結果、電源投入直後では下記のグラフの通りとなりました。

時間の経過とともに、スペクトラムに変化があらわれ、30分後には下記のようなスペクトラムとなりました。
30分後以降は変化はありませんでしたので、この供試品を安定させるためには30分以上の時間が必要ということがわかりました。

安定時間については、条件が記載されている規格もあります。
例えば、CISPR15(EN55015)の照明器具に対するEMC規格では、「白熱ランプは5分、蛍光灯ランプは15分、その他の放電ランプは30分」と記載されています。
また、CISPR14-1(EN55014-1)の家電機器に対するEMC規格では、「供試品が正常に動作することを確実にするため、十分な期間動作させなければならない」と記載されています。
皆さんは普段、どのように評価されていますでしょうか?
そんなに変わらないので、電源を入れてすぐに測定するという場合もあるかと思います。
今回、ご紹介しました供試品のように、安定時間を管理しておかないと「前回との再現性がない」、「昨日と今日でも結果が違う」などの問題が発生することも考えられますので、ご注意ください。
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