
九州工業大学の授業でメーカーのEMCについて講義してきました。
2019年5月29日
電気ソリューション部の奥村です。
2019年5月15日、九州工業大学大学院戸畑キャンパスで、「回路実装・システム設計特論」の講義として、電子工学を専攻している24名の学生に、「商品開発におけるEMC対応技術」についてお話させていただきました。
本講義では、メーカーにおけるEMC技術として、規格や測定をはじめ、対策方法やコストの考え方について話し、商品開発における設計段階でのEMC検討を行う重要性について、講義を行いました。

※本講義は『IoTシステム基盤研究センター』の特別講義も兼ねています。
具体的には、
- EMCの規格、試験
- 商品開発の中での「EMC」
- EMCの原因とメカニズム
- 具体的な対策手法(グラウンディング、シールド)
といった内容について講義を行い、その中で、学生さんからたくさんの質問をいただきました。
例えば
Q. なぜ電子レンジが動作すると、WiFiが停止するのでしょうか
A. ISMバンドという周波数があり、その周波数は自由に利用すること(免許不要)ができる。
その2.4GHzに、WiFiの通信周波数と電子レンジのマグネトロンの共振周波数が一致し、干渉が発生します。
Q. EMC評価はどれくらいの期間行うのですか?
A. 短いものでは数日。長いものでは2~3ヶ月かかります。
なぜ長期間かかるのかというと、各国の規格によって試験数が多かったり、サンプルの動作モードなどにも依存するためです。
本講義の後、学生の感想で下記のようなコメントをいただきました。
- コストや納期について、企業での開発者としての考え方を聞くことができ、今までと違う視点で問題解決を行う必要があることが理解できました。
- EMC品質について消費者があまり実感することないが、商品の品質を保つ上で欠かせないもので、縁の下の力持ちのような存在だと感じた。
- 設計段階からEMCに配慮した設計を行う事で、対策コストを抑える事ができ、効率的な対策ができることが理解できました。
- 品質問題が発生した際、ブランドイメージを損なう可能性があるため、責任の大きな仕事だと理解できました。
実験室や事務所での業務から環境を変え、普段の業務と全く異なる人に説明するということは、色々と発見があり、普段の自分と異なる一面に出会えました。
プロダクト解析センターでは、このように大学との連携も積極的に推進されており、その中で、研究テーマの深堀はもとより、人脈形成、効率的なプロジェクトマネージメントなど、自らのスキルアップにつなげることができます。今回、いただいた刺激を元に、これからの業務につなげたいと思います。
最新記事
情報館では、プロダクト解析センターWEBで掲載されない情報をリアルタイムでお届けしています。
現在、新しいお知らせはございません