材料物性測定(応力ひずみ曲線、ポアソン比など)

CAE(数値解析シミュレーション)のための材料物性を入手できずに困ったことはありませんか?
また、シミュレーションと実測値が合わずにお困りではありませんか?要因の一つに、実際の現象にあった適切な材料物性を適用していないことが考えられます。

プロダクト解析センターでは、構造解析シミュレーション用の物性測定(応力ひずみ曲線、弾性率、ポアソン比、引張強度、摩擦係数など)ができます。恒温槽付きの万能試験機を保有しておりますので、高温や低温下の引張試験による物性測定も可能です。引張試験を行うことで応力ひずみ曲線の測定や、ポアソン比の測定が可能となります。

また、測定以外の物性評価として、プロダクト解析センターでは構造解析シミュレーション用の材料物性データベースも保有しておりますので、試験が困難な場合、データベースから該当物性が含まれているか調査することも可能です。

構造解析シミュレーションのための物性評価

測定可能な物性

◆ 応力ひずみ曲線(SS曲線)
◆ 引張弾性率、曲げ弾性率(ヤング率)
◆ 引張強度、曲げ強度、圧縮強度
  降伏応力、降伏ひずみ
◆ ポアソン比
◆ 摩擦係数  等

装置の仕様

◆ 最大荷重 : 5000 N
◆ 最大ストローク : 1100 mm(恒温槽使用時:400 mm)
◆ 恒温槽の温度範囲 : -30 ~ +200 ℃
◆ 試験速度 0.001 mm/min~1000 mm/min
(再委託により、上記以上の条件も対応可能)

恒温槽付き万能試験機

引張試験

◆ ダンベル片、短冊片、フィルムのサンプルなどの引張試験が可能
 (応力ひずみ曲線や弾性率、ポアソン比の測定が可能)
◆ 恒温槽内(-30 ~ +200 ℃)での試験が可能
◆ 引張試験中のひずみの測定は下記の2種類が可能
  - ひずみゲージ(接触式:ひずみ5%以下)
  - ビデオ式伸び計(非接触式:ひずみ5%以上も可能)

引張試験(ビデオ伸び計)

曲げ試験

◆ ダンベル試験片が困難な場合や
 商品からの切り出した短冊形状の試験が可能
◆ 曲げ弾性率や曲げ強度の取得が可能
◆ 恒温槽内(-30 ~ +200 ℃)での試験が可能

曲げ試験

圧縮試験

◆ 材料、商品の圧縮試験が可能
  製品の剛性を測定することも可能
◆ 恒温槽内(-30 ~ +200 ℃)での試験が可能

圧縮試験

摩擦係数測定

万能試験機に摩擦係数計測の治具をセッティングすることで、摩擦係数の計測が可能です。 一定の速度でサンプルを移動させた場合の荷重を測定し、荷重値から摩擦係数を算出いたします。(室温のみ)

摩擦係数測定

疲労試験

疲労試験機を用いて、SN曲線(疲労強度)の取得も可能です。温度依存性も取得できます。
詳細はこちらのページをご確認ください。

SN曲線 例

樹脂材料の寿命予測

樹脂材料やゴム材料は熱や紫外線や繰り返し荷重などの影響により強度が徐々に低下します。恒温恒湿槽を用いた劣化加速試験を行い、加速試験後の引張強度試験を行うことで、経年劣化後の強度低下やアレニウス法による寿命予測を行うことが可能です。

樹脂材料の寿命予測
疲労試験/疲労寿命シミュレーション CADモデルの作成→有限要素解析→疲労曲線(S-N)取得→疲労寿命解析→結果の解釈

構造解析シミュレーション結果の検証

構造解析シミュレーション結果の検証として変位やひずみ(応力)を測定を行うことがあります。プロダクト解析センターではひずみゲージを装着した実製品を万能試験機に設置し、荷重を負荷させた際のひずみ(応力)測定も可能です。

また、ひずみ分布や変形量を測定したい場合、プロダクト解析センターで保有しているデジタル画像相関(DIC)法が有効です。DICはひずみゲージが苦手な熱応力を測定することも可能です。恒温槽内に試験片や製品を設置し、恒温槽の外からカメラで画像を撮影し、画像処理でひずみや変形を算出いたします。非接触で測定するため、ひずみゲージのような線膨張差の影響がなく、熱応力を測定することが可能となります。

構造解析シミュレーション結果の検証 測定①:PC形成品の線拡張係数 測定②:PP形成品の線拡張係数

事例 応力ひずみ曲線の測定、ポアソン比の測定

構造解析シミュレーションにおいて、材料物性として弾性率だけを定義した線形解析ではシミュレーションで算出した応力が高くなることがあります。実際に破断するかどうかを判断したい場合や塑性変形を考慮した解析などでは線形材料の定義だけでは不十分となってしまします。そのような場合、応力ひずみ曲線を材料物性として与えることが必要となります。

応力ひずみ曲線(線形と非線形)

応力ひずみ曲線を測定するためにはひずみゲージを用いた引張試験を行うことが一般的です。しかしながら、ひずみゲージでは数十%を超えるような大きなひずみ領域を測定するのが困難です。

そのような場合、ビデオ式伸び計を用いれば大ひずみ領域の応力ひずみ曲線を測定することが可能です。ビデオ式伸び計はダンベル試験片にシール式のマークを貼り付け、画像処理で伸び量を自動で測定する機器です。非接触でひずみを測定するため、大ひずみ領域も測定することが可能となります。また、フィルムなどの薄膜の場合、ひずみゲージを接着するとひずみゲージの剛性の影響を受けるため、正確に測定することが困難になります。そのような場合でも、ビデオ式伸び計を使用すれば非接触で測定できるので、より正確に計測することが可能となります。

精度よく弾性率やポアソン比を測定したい場合はひずみゲージ、大ひずみ領域の応力ひずみ曲線やポアソン比を測定したい場合は、ビデオ式伸び計と使いわけることも可能です。

ビデオ式伸び計を用いた引張試験
ビデオ式伸び計を用いた応力ひずみ曲線の測定例
ビデオ式伸び計を用いたポアソン比の測定例

また、外部から試験片を確認可能な窓付きの恒温槽も保有しておりますので、ビデオ式伸び計を用いて、温度環境下における応力ひずみ曲線も取得することが可能です。

恒温槽とビデオ式伸び計を用いた引張試験

恒温槽とビデオ式伸び計を用いた引張試験