マニアック対談/近い将来、我々の暮らしを支えるのはロボット?

マニアック対談 近い将来、我々の暮らしを支えるのはロボット?

プロダクト解析センターにはコアな技術を持ったエンジニア、別名「マニア」が多数潜んでいます。
電気ソリューション部メカトロデバイス設計課の吉元崇倫もその1人。ロボットサッカーの世界大会に、日本代表として出場するほどのロボットマニアなのです。この対談では、吉元を中心に、プロダクト解析センターに在籍する技術者が現在と未来のロボット技術を語り合いました。そこからは、未来の暮らしはもちろんのこと、当社エンジニアたちの素顔が垣間見えます。
※対談に先立って、出席者全員でロボットサッカーの試合の映像を鑑賞しました。

ロボットサッカー動画:CMDragons RoboCup 2007 SSL Champion

ロボットサッカー動画:CMDragons RoboCup 2007 SSL Champion

出席者

 電気ソリューション部 メカトロニクスデバイス設計課:(入社3年目)
信頼性ソリューション部 製品評価課:(入社9年目)
電気ソリューション部 EMC・電気安全設計課:(入社6年目)
材料ソリューション部 有機分析課:(入社2年目)
※2017年4月1日現在

身長15cmの“自律した”サッカーロボットたちは、パスの名手であり、百戦錬磨の戦略家


どうでしたか、ロボットサッカーの試合の様子は?

すごーい。めちゃくちゃ動きが速いですね。

パスのつなぎっぷりもすごい!

ご覧いただいたのはアメリカのチームで、ここまでパスをつなげるチームは他にはいないと言われているほどの強豪チームです。

制御はどうやってるの?自立型?

yoshimoto

そうです。すべて自動で、ロボットが自分で考えてプレーする自立型です。実はこのロボットサッカーという競技は、AIの技術向上のために行われているんです。試合では勝敗を競っていますけど、そこに至る過程で、動作制御や協調性など、さまざまな技術の研究が行なわれている。それを論文にして発表しているんですよ。大会は、そうやって蓄積した技術の発表の場という側面も持っています。

yoshimura

自立型っていうことは、ロボットたちは自分の位置を把握して、相手のゴールに進んでいったり自陣に戻ったりするんですよね。それはどうやって把握するんですか?

試合会場の天井にカメラがあるんです。そこで撮影した情報がネットワークで各チームに送られて、それを元に自分がどこにいるのか、どこに進むべきかを考えています。もちろん、それを考えるのはAIです。僕たちは試合が始まれば何もすることがありません。

位置はそれでわかるとして、自分がどこを向いているかっていう情報はどうやって判断を?

ロボットの上部に、4つの色の丸いシールが貼ってありますね。これがマーカです。これを読み取ります。4色の位置関係を読み解くことで、自分が今、どちらを向いているかを把握するのです。

賢いなあ。AIはプレー中にどんなことを考えているの?

言ってみれば確率の計算をしています。パスを受けた位置からゴールに向かってボールを蹴って、ゴールに入る確率が一番高いと判断したらシュートします。ゴールの可能性が低ければパスを選択し、その場合は右にパスをするか、左にパスをするのかを考える。もちろん判断基準は「最終的にゴールに辿り着く確率が高い方は?」です。もちろん、強引にでもシュートを選択するチームもあれば、確実性を優先してパス回しを増やすチームもある。そのあたりは、チームごとの戦略です。

すべてのロボットたちがそのことを考えているんですか?

実は僕が参加している「小型リーグ」では、メインのAIだけが状況判断を行っています。他のプレーヤーはAIからの指示に従って動いているんです。でも、もう少し大きなロボットを使う「中型リーグ」では、各プレーヤーが個別に判断を行います。分散型と呼ばれるシステムになっていて、こちらのほうが開発は大変ですね。

ロボットと言うとヒト型を想像しがちだけど、これはまったく違って円筒形。サイズも案外小さい。大きさは決まっているんですか?

直径が最大18cmと決まっています。高さは最大で15cmです。だいたいどこのチームもこのサイズで開発していますね。大事なポイントの1つに、重心の安定性があります。こんなに小さなやつですけど、結構なスピードで走ることができる。そのうえ、静止も素早い。ということは、重心が安定していないと急停止したときにこけちゃうんです。

ボールを止める、蹴るというサッカーならではの動作はどうやっているの?

ロボット正面の下の部分、口のように見える場所が止める、蹴る、そしてドリブルを行う場所です。人間の足に相当する部品としてローラーが用いられていて、ローラーの回転をボールに伝えることでキックをします。回転を制御すればパスやシュートの強さをコントロールできますし、浮き玉も可能なんですよ。

タイヤの向きが変わってるよね。最初、このロボットを見たときに僕は、タイヤがロボットの左右に平行に付いていると思ったんです。イメージで言えばガンタンク。でも実際は、円筒を取り囲むように斜めに向かい合っている。これはどうして?

この仕組みはオムニホイールと言います。そして、オムニホイールこそがこのロボットの自慢のポイントである、前を向いたまま横に進める機能を実現しています。

どうやってそんなことができるの?

4枚のタイヤをバラバラに制御するとか?

タイヤをよく見てみてください。大きなタイヤの外周上に、小さなタイヤがいくつもついていますよね。小さなタイヤは動力は持っておらず、ただ転がるだけです。斜めに向かい合ったタイヤが回転すると、進みたい方向にベクトルが合成されます。あとは、その方向に小さなタイヤが勝手に回るので、前を向いたまま横に進めるわけです。

賢いなー。