付せんを使って共生社会の実現のための「課題」と
「解決策」を考える!

・東京都中央区立晴海中学校1~3年生での実践 ・総合的な学習の時間での活用 ・付せんを活用して共生社会実現の「課題」と「解決策」の可視化をするアレンジ ・意見の可視化と全体での意見共有の効率化

■アレンジ概要

プログラム④「多様性と共生社会」での活用事例です。同校は、東京都のオリンピック・パラリンピック教育の重点校として年間を通じて、「障がい者理解の促進」をテーマに学習計画をたてて、実践を行っています。今回は「共生社会を実現するために問題となっていることを理解し、自分たちにできることを考える」ことをめざし、プログラムを活用しました。
特に、ワークアレンジとして、教材の共生社会実現に向けて、それぞれの分野で取組む4名の エキスパートたちの資料をもとに、クラス全体で意見交換をするための工夫について紹介します。

●アレンジの経緯

共生社会について考える授業を実施する際に「プログラム④」を活用することにした。様々な立場から多角的に共生社会実現の課題に関する考えを知るために、ワークで各生徒・グループの意見・考えを全体で一覧できる形にしたい。

矢印

●アレンジの概要

グループで考えた共生社会実現に向けての「課題」を赤色の付せんに、それに対する「解決策」を青色の付せんに書き、黒板に貼り出して共有。グループ間で互いに質問を行い、全体でディスカッションをした。

■アレンジの詳細

「共生社会の実現」に向けて、各分野のエキスパート資料を読み、その課題について考えるワークのアレンジです。本来はジグソー法での情報共有・意見交換を設定していますが、ジグソー法の難易度が高いと判断したため、付せんを使った 意見・情報共有の簡易アレンジを行いました。

  1. 各グループで1種のエキスパート資料(Aさん、Bさん、
    Cさん、Dさんの取組と課題意識)を割り当て、各自資料を読み込む。

  1. 各グループ内でどういう課題があったか読み取れたものや考えの意見交換を行う。
    読み取れた「課題」を共有し、それに対する
    「解決策」の案を検討する。

  2. 「課題」は赤い付せんに書き、「解決策」は
    青い付せんに書き、黒板に貼る。
    ※各グループの意見が一覧化できる

  3. 各グループより、エキスパート資料の概要と
    読み取れた「課題」、考えた「解決策」を
    発表し、クラス全体での共有を行う。
    発表を聞いて、質問や意見をグループ間で投げ
    かけあって意見交換する。

  4. 意見交換を通して、「共生社会の実現に向けて」
    考えた自分ができることをワークシートに
    記入する。

また、「深い学び」を促すための工夫として、本授業の後半に生徒から出た意見「障がい者だからといって、特別扱いしないように普通に接しようと思った。」という意見を取り上げて、次の質問を投げかけました。
「もし、エレベーターの前にあなたが並んでいて、あとから車椅子の人が来たとします。エレベーターが開くと多くの人が乗っていて一人しか乗れそうにありません。あなたは車椅子の人に譲りますか?」。
この質問に対して、生徒達で意見交換をし、「一人しか空いていないから譲るよ、自分は階段でのぼる」、「いや、それが特別扱いになるから私は、自分が乗る方がいい」などの意見が、具体的な場面をジレンマの ある設定を投げかけることで、自分たちが考えた意見をより具体に、多角的な視点で議論することができていました。

●実施した生徒の感想

●教員の声

上田 純一 先生

上田 純一 先生

共生社会は子どもたちにとってもイメージしにくい概念です。ただ、授業やワーク、映像教材(重度障がい者多数雇用事業所:パナソニック吉備の取組)を通して、 少しでも共生社会ってこんな感じかな、と考えられたのが良かったです。また、 障がい者とのコミュニケーションは一辺倒に、「特別扱いする、しない」で整理できるものではないので、子どもたちにはきれいごとではなく、まず相手を「知る」ことで自分の考えを深めてほしいです。