プログラム①②④
小学校  中学校  高等学校
総合(小・中) 体育(高)

「小・中・高それぞれの発達に合わせた授業アレンジ:
   児童・生徒の身近な体験を軸に!」

・東京都立府中けやきの森学園での実践 ・特別支援学校小学部・中学部・高等部を通しての教材活用 ・身体障がいのある児童・生徒向けの各発達段階に応じた授業編成 ・「共生」、「支える」、「おもてなし」について考える授業を実施

■アレンジ概要

プログラム①、②、④の活用事例です。同校では、各発達段階において「オリンピックとパラリンピック」を題材に、「共生」、「支える」、「おもてなし」をテーマに授業を実施しました。各授業では児童・生徒が学校行事や授業での体験や経験に繋げて考えられるように工夫し、それぞれの「テーマ」について自分なりのイメージや解釈が持てるように進行しています。小学部から高等部までそれぞれの発達段階でプログラムを活用いただいた授業の様子とアレンジのポイントをご紹介します。

小学部 テーマ:「支える」 総合的な学習の時間 プログラム① 「大会の意義と それを支える人々」
中学部 テーマ:「おもてなし」 総合的な学習の時間 プログラム② 「多様性と国際理解」
高等部 テーマ:「共生社会」 体育 プログラム④ 「多様性と共生社会」

●アレンジの経緯

学校全体としてオリンピックとパラリンピックに関する教育を行う中で、「共生」「支える」「おもてなし」をテーマに、各発達段階に柔軟に対応できる教材を模索していた。

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●アレンジの概要

教材の進行は基本を変えずに、小・中・高それぞれで実施。ただし、児童・生徒が経験した学校行事や学習などの具体的な体験を思い起こせるような授業を組み立てた。

■各授業の様子

小学部 テーマ:「支える」 総合的な学習の時間 プログラム①活用
《アレンジ・活用のポイント》 ・ワークであるイメージマップの作成は、教員が児童の意見を聞きながら、ホワイトボードに板書 ・キーワードを進行スライドだけでなく、紙に書いて提示することで、児童へ印象づけを行った ・映像視聴の際は、教員が適宜解説を入れることで、児童の理解を支援

《授業の様子》

プログラム①のメインワークでは「オリンピックとパラリンピックではどんな人が関わり何をしているか」という問いのもと、教員と児童がホワイトボードを活用して一緒に考える形で、イメージマップを広げていきました。また、授業で重要なポイントはスライド教材だけでなく、紙に書いて提示することで、授業の中で常に掲示できるようにしました。また、映像教材(リオオリンピックの舞台裏)の視聴では、教員が「今はカメラを動かしているね」などと、適宜説明を加えることで、児童の理解を支援しました。
児童の経験と紐づけて「支える」活動を考える為に、児童が以前、オリンピックとパラリンピックのポスター制作を行った経験をとりあげました。ポスター制作もオリンピックとパラリンピックを「支える」の活動の一つであることを確認し、自分ができる「支える」活動は何かを考えました。

教員と児童でイメージマップを広げる様子

教員と児童でイメージマップを広げる様子

スライドだけでなく紙に書いて強調する

スライドだけでなく紙に書いて強調する

中学部 テーマ:「おもてなし」 総合的な学習の時間 プログラム②活用 「多様性と国際理解」
《アレンジ・活用のポイント》 ・「おもてなし」について生徒が具体的にイメージできるように、昨年度の留学生との交流経験を想起させた ・本授業を単元の導入として位置付け、今後の「おもてなし」の学習につなげるカリキュラムマネジメント ・ワークシートは使用せず、映像とスライド教材のみを使用

《授業の様子》

プログラム②で「おもてなし」について考える授業を実施しました。毎年、同校は留学生との交流授業を実施していることから、導入で昨年度の様子を写真で提示し、生徒にその時のことを思い出してもらいました。次に、今年度の交流に向け、留学生を「おもてなし」するために大切なことを考える授業を行いました。生徒からは「相手を思いやる気持ちを大切にしたい」「あいさつからはじめ、お互いの気持ちを和らげる」などの意見が出されました。その後、映像教材「パナソニックセンター東京のおもてなし」の視聴を通じて、生徒たちはプロの「おもてなし」の視点を知ると同時に、自分たちもプロと同じ視点を持っていたことに気づく事ができました。最後に、自分たちができる具体的なおもてなしを考える際は、これまでの「総合」の授業で学びを深めてきた「茶道」と関連させて考えました。

「パナソニックセンター東京のおもてなし」映像視聴 

「パナソニックセンター東京のおもてなし」映像視聴

「おもてなしに必要なこと」を考える様子

「おもてなしに必要なこと」を考える様子

高等部 テーマ:「共生社会」 体育 プログラム④活用
《アレンジ・活用のポイント》 ・導入はスライド教材をアレンジし、パラリンピックに関する学習をクイズで実施。 ・知的障がい部門の仲間との交流を想起させ、個性に応じたコミュニケーションについて考える。 ・最後は学習した内容も踏まえて、身体を動かす活動を取り入れた。

《授業の様子》

プログラム④を実施し、生徒たちは、肢体障がいを持つ当事者として「どのように共生社会の実現を目指すか」について考えました。導入ではスライド教材をアレンジし「パラリンピック」に関する学習をクイズ形式で実施しました。また、社会にいる多様な人々に対応したコミュニケーションで大事なことを考える際には、文化祭での知的障がいの仲間との和太鼓演奏を通じた交流・協働をふりかえり、自分ならどう接するかを考えました。
その後、映像教材の「重度障害者多数雇用施設-パナソニック吉備-」を視聴し、共生社会を実現するために必要なことは何かを考えました。生徒たちから「大切なのは自分の得意、不得意分野を理解し、適した環境を整備すること」「相手の個性を理解し、尊重すること」という意見が出ました。
更に生徒たちに共生社会の実現のためにできることは何だろう?と問いかけると、生徒から「人と接する際には、何か特別なことをしようという気持ちでなく、普通に接することができたらいい。」という意見がでました。前半の学びを通じて、後半はまず、生徒たちが自分達を表現するための体育活動として、ペアでダンスを考えました。最後に「変わらない・同じ・工夫したらできる」など、生徒各自が考えた共生社会の実現のテーマに沿って表現を行いました。

パラリンピックに関するクイズの実施

パラリンピックに関するクイズの実施

映像教材視聴の様子

映像教材視聴の様子

●教員の声

都立けやきの森学園 高等部 山下さつき先生

都立けやきの森学園 高等部 山下 さつき 先生

児童・生徒の発達段階も個性も違う中で、それぞれにあった表現ができるように教材を編集・アレンジして活用し
ました。小学部、中学部、高等部で学校行事や学習で体験していることも違うので、児童・生徒それぞれの体験を
軸に、テーマについて自分なりに考えて深めていくことができました。オリンピックとパラリンピックの学習を通
し て、自身の世界が広がる一つのきっかけになれば嬉しいです。