特別企画:オンライン授業シリーズ

アメリカ合衆国 ニュージャージー日本人学校
矢出 大介 先生

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「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」

第五弾:オンライン授業実践レポート③

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世の中では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、学校では感染拡大防止の観点から子どもの学習環境が大きく変化しています。
今回は、ニュージャージー日本人学校の矢出大介先生に「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」の教材を活用して実施いただいたオンライン授業の内容を記事としてお届けします。

オンライン授業の様子①
オンライン授業の様子③

オンライン授業の様子

●実践事例の概要

学校:ニュージャージ日本人学校
実践教員:矢出 大介 先生
教科:国語
対象:小学校6年生 4名 (教員は日本、児童はニュージャージー州から接続してのオンライン授業)
活用プログラム:プログラム①「大会の意義とそれを支える人々」 

活用の背景:同校はアメリカ合衆国ニュージャージー州にある日本人学校です。矢出先生は今年の4月から
      同校に配属になる予定でしたが、全世界的なコロナ禍により、アメリカに渡航できない状況で、
      日本からニュージャージーの児童に向けてオンライン授業を実施していました。10月に行う
      学校行事「メイプル祭(学習発表会)」につながるように世界とのつながりに目を向けたり、
      自分たちにできることを考える機会を作るために、「オリンピックとパラリンピック」を題材に
      授業をしました。

授業概要:プログラム①「大会の意義とそれを支える人々」を活用して、大会に関わる人やモノ・コトなど
     幅広く考えました。また授業進行やワークも適宜ICTツールを活用したり、ワークシートも
     オンラインで考えやすいようにアレンジしました。授業を通して一つのイベントにたくさんの人が
     関わる事実に気づいた上で、自身がこのコロナ禍の中、登校再開になったときに、みんなと関わり
     ながら学校のため、みんなのためにできることを考えて、授業のまとめとしました。

●授業の流れ

授業時間:45分

導入

15分

 ※事前課題:映像教材の視聴(映像時間3分)
  (プログラム①-オリンピックとはどんなもの

  • 授業の流れの説明

  • 授業のねらいの確認
ワーク方法説明の様子
※拡大された写真は下記に掲載があります

ワーク

25分

  • ワーク説明・練習

  • 個人ワーク(ワークシートをアレンジ)

  • グループワーク(発表・意見交換)
    ※個人ワークの内容を発表後、友達の発表内容
     に関連して考えた内容を全体のワークシート
     を活用し全体で共有する
生徒のワークシート成果物
※拡大された写真は下記に掲載があります

発表

5分

  • 授業を通じた気づきの発表

  • まとめ
映像教材視聴の様子①
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●授業内容や工夫のポイント

導入

 ※事前課題:映像教材の視聴(プログラム①-オリンピックとはどんなもの

  • 授業の流れの説明

  • 授業のねらいの確認

【※事前課題:映像教材の視聴】

映像「オリンピックとはどんなもの?」については、事前課題として児童が授業前に各自視聴する形をとりました。
これにより、授業へのモチベーションを高めながら、授業冒頭の時間の削減、またオンライン環境での動画の視聴による接続トラブルを避けることができました。

映像教材視聴の様子②

【授業の流れの説明】

児童が授業の流れに見通しが持てるようにするため、ICTツールを活用して授業展開を一枚にまとめて提示しました。
各展開の説明だけでなく、ワークシートの該当箇所と紐付けて提示することで、児童は授業の全体像とワークシートとのつながりを理解でき、その後の授業にスムーズに取り組むことができました。

映像教材視聴の様子②
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ワーク

  • ワーク説明・練習

  • 個人ワーク(ワークシートをアレンジ)

  • グループワーク(発表・意見交換)
    ※個人ワークの内容を発表、友達の発表内容に関連して考えた内容全体のワークシート
     を活用し全体で共有する

【ワーク説明・練習】

ワークに入る前の練習として「オリンピックと聞いて思いつくものは?」という問いかけをしました。児童からは限られた分野のキーワードしか出てこなかったので、一旦、思考ツールのXチャートで整理をしました。今挙げたものは分類すると競技であることを確認し、「競技以外ではどんなことが思いつく?」と児童の発想を広げる工夫をしました。

映像教材視聴の様子②
映像教材視聴の様子②

【個人ワーク(ワークシートをアレンジ)】

基本のワークは「オリンピックとパラリンピックに関わっている人たち」をイメージマップを使って考えるのですが、
今回は「ピラミッドチャート」を活用しました。
ピラミッドの上部にあたる部分に「オリンピックとパラリンピック」というキーワードを置き、中段にそれに関わる「人・もの・こと」を記載します。また中段で出てきたキーワードに対して、さらにそれに関わる「人・もの・こと」を下段に記載します。
ピラミッドチャートを活用することで、各個人が考えた内容を全体で共有し、ワークシートにまとめる際、イメージマップと違って線で結びつけて示す必要がないので、他の児童の意見に触発されて思いついたことなどを柔軟に追加しやすく、また、見やすくなっています。

映像教材視聴の様子②

【グループワーク(発表・意見交換)】

個人で考えた内容をクラスで共有しました。教員が画面共有でピラミッドチャートを映しながら、児童が発表した内容を追記していくことで、クラス全体で意見を可視化しました。これにより、例えば児童Aが出した意見に対して、児童Bが別の意見を加えるなど、相互に触発され発想が広がりました。  
また、ある児童が「ちゃんとした名前がわからないけど…」と意見を出すと、他の児童がインターネット調べて正式な名称を探したりする場面も見られ、オンライン授業でも対話的なワークができました。

映像教材視聴の様子②
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発表

  • 授業を通じた気づきの発表

  • まとめ
全体発表の様子

【授業を通じた気づきの発表】

最後にワークを通して気づいたこと、自分がこれからできることを発表しました。  
児童は「皆が見てない所でいろいろと大会の準備をしてくれている。来てくれる人たちを盛り上げるため、感動させるため、色々な機器を設置してくれてることに気づきました。今私たちに出来る事は、オリンピック・パラリンピックに出場する選手を応援することです。大会が延期になって落ち込んでたら応援して、「頑張るぞ」と思ってほしいです。」と発表していました。

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オンライン授業での児童同士のコミュニケーションをより活発にするために、シンキングツールを工夫することで、対話的な授業を実施いただきました。
次回の記事は、日本からアメリカに向けてオンラインで継続的な授業実施をされた矢出先生の実践について話を聞いていきたいと思います。お楽しみに!

協力教員

ニュージャージー日本人学校
矢出 大介 先生

矢出大介先生の顔写真

新型コロナ流行の影響で大会が延期になり、子どもたちも学校に登校できない日々が続いています。普通に考えればつらいことが多く、落ち込むことも増えてくるかもしれません。この教材を学ぶことで「多くの人が大会を支えている。多くの人たちが繋がり、支え合っている」ことに気づいてほしいと考えました。その上で、このような状況だからこそみんなで支え合って、ピンチをチャンスに変えていこうとする気持ちが高めるきっかけになってほしいと願いを込めました。このようなことに気づくために、シンキングルーツなどを活用しました。