特別企画:オンライン授業シリーズ

アメリカ合衆国 ニュージャージー日本人学校
矢出 大介 先生

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「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」

第六弾:オンライン授業実践教員へのインタビュー③

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世の中では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、学校では感染拡大防止の観点から子どもの学習環境が大きく変化しています。
今回は、ニュージャージー日本人学校の矢出大介先生に対して行った、「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」の教材を活用したオンライン授業に関連するインタビューの内容をお届けします。

●実践教員紹介

矢出大介先生の顔写真

教員:矢出 大介 先生
学校:アメリカ合衆国 ニュージャージー日本人学校
教科:小学校 6年生担任

プログラム活用授業:
対象:小学校6年生 1クラス 4名
教科等:国語
概要:全世界的なコロナ禍により、矢出先生ご自身がアメリカに
   渡航できない状況で、日本からニュージャージーの児童に
   向けて行ったオンライン授業。10月に行う学校行事 「メ
   イプル祭(学習発表会)」につながるように世界とのつな
   がりに目を向けたり、自分たちにできることを考える機会
   を作るために、「オリンピックとパラリンピック」を題材
   にした。

オンライン授業の様子①
オンライン授業の様子②

パナソニックの教育プログラムを使って
オンライン授業を実施されるに至った経緯を教えてください。

オンライン授業の様子③

【人とのつながりや支えを感じ、
自分は何ができるかを考える授業にしたかった】

コロナ禍の今、ニュージャージー州では爆発的な感染拡大を経験し、感染予防の観点から学校でも行事がなくなったり校外学習の機会がなくなったりしています。
人と人のつながりや交流が物理的に少なくなっている社会だからこそ、そこに目を向け、この環境下で自分は何ができるかを考える授業にしました。オリンピックとパラリンピックを題材にすることで、少しでも明るい話題に触れ、期待や希望を持てるようにしたいと考えました。子どもたちはこの授業のあと、「学校やみんなに対して自分は何ができるか」を考えて実践する予定なので、その導入授業として活用しました。

オンライン授業実施の際や授業づくり、単元構成で
意識しているポイントを教えて下さい。

【オンライン授業では「個人で進められる学習」と
「集団で行うことで効果が高まる学習」を分ける】

オンラインでの授業や単元を構成するとき、「個人で進められる学習」と「集団で行うことで効果が高まる学習」を整理して、授業では後者の時間を多くとるように構成しています。いわゆる*反転授業と言われる学習形態です。

*反転授業(flipped classroom)・・・下記URLの資料2枚目P69

表: 授業構成

図表の授業構成は矢出先生のアレンジ授業の展開です

授業構成の図表

今回の授業で言うと、もともとは表:授業構成の1~5の活動を想定していました。展開と活動内容を整理して、「1.動画視聴」「2.個人ワーク」については、個人でできる事前課題として、授業前の宿題とし児童が各自で学習を進めるようにしました。その代わり、3.以降の活動は集団で交流や意見交換して深まる内容なので、そこに授業時間を充てるようにしています。「知識・理解」の部分は事前課題で学習し、「思考・判断・表現」にあたる活動を授業で扱うようにしています。

【クオリティの高い教材は、事前課題で知識のインプットだけでなく、
授業自体への興味・関心を高める】

事前課題は効率的に知識をインプットするためのものとして捉えがちですが、授業前に授業への興味・関心も高められる、という側面もあります。
パナソニックの教材は丁寧に作り込まれているので、児童も問題なく事前課題を進められましたし、何より映像教材のクオリティが高いので、児童の興味・関心を高めることにもつながり、効果的な事前課題になったと思います。

オンライン授業の様子④

【子どもの個性と多様性を尊重したい
ルールは最低限で、多様な方法をとれる柔軟さを意識】

私は、オンラインの授業環境に限らずですが、児童一人一人の個性の発揮や多様性を尊重するクラスの雰囲気を大切にしています。そのための仕掛けの一つとして行っているのが、ルールは最低限にして多様なやり方を認める、ということです。
例えば、事前課題の提出の方法一つをとっても、課題をノートで直筆で書く方が適している子がいれば、一方ではパソコンでテキストデータとして打ち込む方が得意な子がいます。目的の課題さえクリアしていればOKとして、方法は個人の趣向に任せることで、児童にとっても快適になりますし、個性を発揮する、または受け入れるチャンスにもつながると考えています。また、ICT機器を活用すると、より多様な方法が選択できるはずです。

オンライン授業の様子⑤

オンライン授業を実践されて感じたこと、
ICT活用による授業のこれからの展望や期待を教えて下さい。

矢出大介先生がオンライン授業の様子

【ICT機器活用が本来教員がやるべき業務の環境を整える】

すでに、反復練習やドリルのような知識定着型の学習は、いろいろな優れたサービスやアプリがあり、子どもが一人でも、学習をある程度進められるようになっています。
例えば宿題などでこれを活用すると、教員が知識定着に使っていた授業時間の削減につながり、他の重要なことに時間を割けます。
これからの教員はより、ファシリテーター的な役割になると考えています。ICT機器活用が進むことで、本来時間を割くべき重要な業務、価値のある業務に教員がしっかりを時間を割けるようになると期待しています。

矢出先生、インタビューでも貴重なご意見や情報をいただきありがとうございました。
次回の記事もお楽しみに!

インタビューを終えて

ニュージャージー日本人学校
矢出 大介 先生

新型コロナの状況で、世間が暗い雰囲気になっているからこそ、教育の力で未来を明るいものにしていきたい。今こそ、教員・子ども・保護者で明るい未来を創造していく機会だと思っています。この教材のように遠隔授業でも実社会と関わっていく学び、ピンチをチャンスに変えていきたいと思える学びを実現をしたいです。そして、教員が誰よりも笑顔で前向きに子どもの前に立って安心感を与えてあげたいです。