【調査レポート】
2019年度プログラム実施校アンケート結果のポイント

「自分らしい行き方発見に向けた取り組み」への意欲が向上

2019年度『私の行き方発見プログラム』は、61の中学校で出前授業を、202の中学校で教材提供を活用していただきました。パワーアップ情報ファイル3月号では、活用いただいた学校の先生、生徒のみなさんに協力していただいたアンケート結果(中間集計)のポイントを紹介します。今後のキャリア教育の実践や進路指導等の一助になれば幸いです。
また、2020年度『私の行き方発見プログラム』の募集開始は4月中旬を予定しています。ぜひ活用をご検討いただきますようお願いいたします。
 

『私の行き方発見プログラム』出前授業で講師が話している様子

出前授業アンケート結果のポイント

◆ポイント1

中学校での勉強やいろいろな活動が、将来、仕事についたときに
「とても役に立つ」との回答が19%アップ

◆ポイント2

「自分らしい行き方を見つけていくために取り組もうと思ったこと」が
最大30%増加

◆ポイント3

「持続可能な開発目標(SDGs)」への関心が向上

◆ポイント4

96%の先生が次年度も「活用したい」と回答

【調査の概要】回答校数(回答者数)2020年1月末現在

  • 事前アンケート(授業前約1か月)・・・・・ 53校(生徒5,381名)
  • 事後アンケート(授業後1週間程度)・・・・ 49校(生徒4,860名、教員239名)
  • 3か月後アンケート(授業後3か月程度)・・ 21校(生徒1,960名、教員 83名)

【ポイント1】中学校での勉強やいろいろな活動が、将来、仕事についたときに「とても役に立つ」との回答が19%アップ

Q1.今度の出前授業で、特に関心のある内容は何ですか?(事前:n=5,381)

講師が中学生だったころの話27.8% 会社を支えているいろいろな人の仕事や役割22.3% 講師が実際に行っている仕事の内容19.2% 実際に働いている人の仕事に対する考え方25.4% 学校での勉強や活動と実際の仕事とのつながり36.4% パナソニックという会社の特徴や事業内容13.4% その他2.8% 無回答5.6%

Q2.出前授業の中で、特に参考になったことは何ですか?(2つ以内)(事後:n=4,860)

講師自身の経験や仕事に対する考え方23.5% 会社や組織を支える仕事や役割の多様性14.9% 仕事をする上で大切なこと43.1% 学校での勉強・活動と実際の仕事とのつながり56.1% パナソニックについて11.8% グループ討議での意見交換6.9% その他0.8% 無回答3.8%

〇出前授業前に関心のある内容を尋ねたところ、「学校での勉強や活動と実際の仕事のつながり」と回答した生徒が一番多く36%でした。授業後、特に参考になったことは何かを尋ねると、やはり、「学校での勉強・活動と実際の仕事のつながり」との回答が最も多く56%でした。これは、出前授業のテーマである「自分の『今』が『未来』につながる」と合致しています。

Q3.中学校での勉強やいろいろな活動(部活動、生徒会活動他)は、将来、仕事についたときに役に立つと思いますか?(事前:n=5,381、事後:n=4,860)

事前 とても役に立つ33.1% ある程度は役に立つ55.4% あまり役に立たない8.9% まったく役に立たない1.8% 無回答0.8% 事後 とても役に立つ51.8% ある程度は役に立つ42.0% あまり役に立たない3.8% まったく役に立たない0.9% 無回答1.6%

〇中学校での勉強やいろいろな活動(部活動、生徒会活動他)が、将来、仕事についたときに「とても役に立つ」と回答した生徒は、授業前は33%でしたが、授業後は半数を超える52%となり、19ポイントもアップしました。授業後は、「ある程度は役に立つ」の回答と合わせ、94%もの生徒が学校での勉強・活動が「将来に役立つ」と答えました。出前授業のねらいが生徒たちに届いたものと考えられます。

生徒がワークシートに記入している様子

【ポイント2】「自分らしい行き方を見つけていくために取り組もうと思ったこと」が
最大31%増加(対象:生徒)

Q4.自分らしい行き方を見つけていくために、これから取り組もうと思ったことはありますか?
(事前:n=5,381、事後:n=4,860)

これまで以上に学校での勉強に取り組む 事前26.2% 事後56.9% これまで以上に学校での活動に取り組む 事前18.9% 事後24.3% まわりの大人から仕事や職業についての話を聞く 事前25.5% 事後25.1% 興味のある仕事、職業、会社などの情報を集める 事前30.2% 事後47.6% 将来つきたい仕事や職業に必要となる知識や能力を身に付ける 事前32.0% 事後50.7% 機会をみつけて職場見学や職場体験にチャレンジする 事前12.0% 事後19.7% 自分の得意なところを伸ばす 事前52.6% 事後62.5% 自分の苦手なものを克服する 事前46.7% 事後62.0% その他 事前1.3% 事後1.2% 取り組むつもりはない 事前9.3% 事後1.6% 無回答 事前0.9% 事後1.4%

〇自分らしい行き方を見つけていくための取り組みを尋ねたところ、授業後、ほとんどの取り組みでポイントがアップしました。特に、「これまで以上に学校での勉強に取り組む」は26%から31%も増え、57%でした。また、授業前、「取り組むつもりはない」と回答した生徒は9%でしたが、授業後は2%に減少しました。
出前授業を受けたことにより、学校での勉強や活動をはじめ、様々な取り組みを行っていこうという意識付けができたと考えられます。

【ポイント3】「持続可能な開発目標(SDGs)」への関心が向上(対象:生徒)

出前授業スライド SDGsエスディージーズ サスティナブルデベロップメントゴールズ 持続可能な開発目標 誰一人取り残さない 世界共通の目標 政府・企業・国民など 全員が当事者 
出前授業スライド SDGsの17の目標

出前授業スライドイメージ

Q5.「持続可能な開発目標(SDGs)」という言葉を知っていますか? (事前:n=5,381)

よく知っている7.4% 少しは知っている10.4% 言葉は聞いたことがある16.6% まったく知らない64.7% 無回答0.9%

Q6.授業の中で説明のあった「持続可能な開発目標(SDGs)」への関心が高まりましたか?
(事後:n=4,860)

かなり高まった20.4% 少しは高まった63.5% あまり関心が持てなかった10.9% まったく関心がない3.3%

Q7.「持続可能な開発目標(SDGs)」の17の目標のうち、あなた自身がこれから特に取り組もうと思う目標を選び、その番号に〇をつけてください(あてはまるものすべて)。 (事後:n=4,860)

目標1:貧困をなくそう19.1% 目標2:飢餓をゼロに17.6% 目標3:すべての人に健康と福祉を25.4% 目標4:質の高い教育をみんなに17.4% 目標5:ジェンダーの平等を実現しよう19.8% 目標6:安全な水とトイレを世界中に22.8% 目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに18.4% 目標8:働きがいも経済成長も14.0% 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう10.4% 目標10:人や国の不平等をなくそう26.9% 目標11:住み続けられるまちづくりを22.0% 目標12:つくる責任つかう責任16.8% 目標13:気候変動に具体的な対策を13.7% 目標14:海の豊かさを守ろう25.3% 目標15:陸の豊かさを守ろう23.4% 目標16:平和と公正をすべての人に29.2% 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう14.4%

〇持続可能な開発目標(SDGs)について授業前に認知度を尋ねると65%もの生徒が「まったく知らない」と回答しました。出前授業での説明を受け、授業後、関心が高まったかどうか訊いたところ84%の生徒が「関心が高まった」と回答しました。
また、自分が特に取り組もうと思う目標については、「目標16:平和と公正をすべての人に」と回答した生徒が29%で最も多く、「目標10:人や国の不平等をなくそう」27%、「目標3:すべての人に健康と福祉を」25%、「目標14:海の豊かさを守ろう」25%と続きました。

【ポイント4】96%の先生が次年度も活用したいと回答(対象:教員)

Q8.次年度においても、この出前授業を活用したいと思いますか? (3か月後アンケート:n=83)

是非活用したい21.7% 可能であれば活用したい74.7% 活用したいとは思わない3.6%

〇96%の先生から、次年度もこの出前授業を「活用したい」との回答をいただきました。

出前授業を活用していただいた先生、生徒のみなさんからいただいたコメント

  • 今、学校で勉強していることは、将来働くようになってからも役立つということがわかった。また、未来のために、今を考えることも大切ではないかと思った。(生徒)

  • 働くということは収入を得るためだけでなく、自己実現や社会のためにもなると考えました。(生徒)

  • 将来仕事をするとき、チームワークやコミュニケーション、仕事と真険に向き合うことなど、たくさん大切なことがあるんだなと思った。(生徒)

  • 社員アンケートで現場の声を知ることができたことで、学習していることと働くことをむすびつけて考えられる生徒が増えました。(教員)

  • 身近な企業が、生の声で具体的にキャリアについて話してくれるのは生徒にとって良い機会でした。
    (教員)

生徒が台紙に役割カードを置く様子

教材提供アンケート結果のポイント

◆ポイント1

「プログラム①会社の役割発見」と「プログラム②職業と能力の関係発見」の
活用が多い

◆ポイント2

95%の生徒がプログラムの内容を「理解できた」と回答

◆ポイント3

「自分らしい行き方を見つけていくために取り組もうと思ったこと」が
最大で21%増加

◆ポイント4

91%の先生が「次年度も活用したい」と回答

【調査の概要】回答校数(回答者数)2020年2月末現在

  • 事前アンケート(授業前約1か月)・・・・45校(生徒4,947名、教員135名)
  • 事後アンケート(授業後1週間程度)・・・45校(生徒4,839名、教員162名)

【ポイント1】「プログラム①会社の役割発見」と「プログラム②職業と能力の関係発見」の活用が多い(対象:教員)

プログラム1 テーマ 会社の役割発見 どのような役割の人が会社を支えているのだろう?  プログラム2 テーマ 職業と能力の関係発見 仕事をするために必要な能力とは何だろう?  プログラム3 テーマ 職業体験での仕事発見 職業体験の会社の役割と仕事と能力の関係は?  プログラム4 テーマ 自分の”行き方”発見 自分の価値観を発見しよう。

Q9.実際に活用したプログラムは何ですか?(事後:n=162)

プログラム① 会社の役割発見 77.8% プログラム② 職業と能力の関係発見71.6% プログラム③ 職場体験での仕事発見38.9% プログラム④ 自分の”行き方”発見28.4% 学校独自のプログラム8.6% 教材を活用しなかった3.1% 無回答3.1%

Q10.各プログラムを活用した授業は、どのような流れで行いましたか? (事後:n=162)

ティーチャーズガイドの授業の流れに沿って実施した54% ティーチャーズガイドの授業の流れを一部変えて実施した41% ティーチャーズガイドの授業の流れを大幅に変えて実施した1% 無回答4%

〇実際に活用したプログラムを尋ねたところ、「プログラム①会社の役割発見」が78%、「プログラム②職業と能力の関係発見」が72%でした。授業の流れについては、「ティーチャーズガイドの授業の流れに沿って実施した」が半数以上の54%、「一部変えて実施した」が41%でした。

ティーチャーズガイドには、
プログラムごとに基本的な
授業展開例や指導上の
留意点等が記載されている

※『私の行き方発見プログラム』教材の詳細は下記URLをご参照ください

【ポイント2】95%の生徒がプログラムの内容を「理解できた」と回答(対象:生徒)

Q11.プログラムの内容は理解できましたか?(事後:n=4,839)

よく理解できた29.9% ある程度理解できた64.7% あまり理解できなかった1.3% あまり理解できなかった1.2% 無回答2.9%

〇「よく理解できた」と回答した生徒が30%、「ある程度理解できた」が65%、合計95%が「理解できた」と答えました。また、「ワークシート」や「教材(役割カード、工程カード、エピソードシート)」の使いやすさについても高い評価をいただきました。

【ポイント3】「自分らしい行き方を見つけていくために取り組もうと思ったこと」が最大で21%増加(対象:生徒)

Q12.「自分らしい行き方」を見つけていくために、これから取り組もうと思ったことはありますか?
(事前:n=4,947、事後:n=4,839)

これまで以上に学校での勉強に取り組む 事前31.8% 事後43.3% これまで以上に学校での活動に取り組む 事前21.0% 事後18.3% まわりの大人から仕事や職業についての話を聞く 事前26.7% 事後30.2% 興味のある仕事、職業、会社などの情報を集める 事前33.4% 事後50.5% 将来つきたい仕事や職業に必要となる知識や能力を身に付ける 事前36.0% 事後57.3% 機会をみつけて職場見学や職場体験にチャレンジする 事前14.0% 事後20.6% 自分の得意なところを伸ばす 事前57.8% 事後62.6% 自分の苦手なものを克服する 事前50.7% 事後60.9% その他 事前1.9% 事後1.4% 取り組むつもりはない 事前8.6% 事後2.4% 無回答 事前0.5% 事後1.3%

〇出前授業のQ4同様、授業後、ほとんどの取り組みが大幅に増加しました。 また、出前授業は「これまで以上に学校での勉強に取り組む」が31ポイントアップで一番伸び幅が大きかったのに対し、教材提供は「将来つきたい職業に必要となる知識や能力を身に付ける」が21ポイントアップで最も伸び幅が大きくなりました。これは、それぞれのプログラムの特徴を反映した結果と思われます。

【ポイント4】91%の先生が次年度も「活用したい」と回答(対象:教員)

Q13.次年度においても、この教材を活用したいと思いますか?

是非活用したい21.3% 可能であれば活用したい70.6% 活用したいとは思わない3.1% 無回答5.0%

〇91%の先生から、この教材を「次年度も活用したい」との回答をいただきました。

教材提供を活用していただいた先生、生徒のみなさんからいただいたコメント

  • 会社の中でもたくさんの役割があることを知り、やってみたいと思う仕事をみつけるきっかけになった。(生徒)

  • 仕事に必要な能力を班で話し合ったので、私はこうゆう能力を持っているからこうゆう仕事がいいのかなと考えられました。(生徒)

  • 自分の良い所を見つけて、それに合った職業を考えるようになった。(生徒)

  • これまでは職業について漠然と考えていたが、これだけ多くの役割があることを知り、より深く自分の進路について考えるきっかけになったようである。(教員)

  • 職場体験の3日間だけでは見えてこない部分(多くの職種・部署等があること)について具体的に知り・深めることが出来た。(教員)