「こんなものがあったら…」が新しい形になっていった時代

1932(昭和7年)
万能調理器
1935(昭和10年)
コーヒー沸かし器
1935(昭和10年)
パン焼き器
1936(昭和11年)
自動首振り扇風機

今でこそたくさんの電気を使うものがある台所だけど、この時代にはまだまだ電気製品(せいひん)は登場していなかった。それじゃあそのころの台所はどんなだったんだろう?

たとえば冷蔵庫(れいぞうこ)。今ならどの家にも電気冷蔵庫があるけれど、このころはまだ電気冷蔵庫はほとんどなかったんだ。じゃあどうやって食べるものを冷やしていたのかって? 冷やすと言えば何を思い出すかな? そう、答えは氷。この頃の冷蔵庫は氷で冷やしていたんだ。木の箱の中にステンレスの板を貼(は)った冷蔵庫の一番上のたなに氷を入れて、その冷たさが全体に行きわたるようにしていたんだよ。もちろん今の冷蔵庫みたいに氷を作ることはできないから、氷屋さんから毎日氷を配達してもらっていたんだ。

お湯をわかすのもお米を炊(た)くのも、そのころは電気じゃなくてガスが使われていた。炊飯器(すいはんき)なんていう便利なものはないから、お釜(かま)を使っていた。ご飯を炊くのに大切な火加減(ひかげん)は、ガスになってずいぶん楽になったけど、それでもよく見ながら炊かなければならなかったから、ずいぶん大変だったんだよ。

とっても楽になったのは、水道の登場。寒い冬でも外の井戸(いど)まで水をくみに行かなくてよくなったし、いつでもきれいな水を使えるでしょう。水をくむ仕事をしていた子どもやお母さんは、これでずいぶん助かったんじゃないかな。