<組織診断+組織基盤強化>

助成事業名

地域からの共感と支えを得るための組織基盤強化 -「姿の見えるNPO」を目指して-

団体名

特定非営利活動法人はちのへ未来ネット

代表者

平間 恵美

【推薦理由】
 家庭環境の格差が広がる中、子どもたちの健全育成のための社会全体での総体的支援は大変重要であり、子どもを真ん中にしたネットワークづくりは、ますます重要になっている。
 近年、子ども劇場の関係者によるこうした展開が取り組まれているが、時に、従来の活動の根底に流れる「子どもの文化の創造」「権利の主体としての子ども観」が、ネットワークの共通認識となっていないケースに出会う。また、事業は様々に広がっているものの、「子どもの支援なのか親の支援なのか」、「地域づくりとの関係性は」といった事が論理的に整理できておらず、組織基盤が脆弱なところも少なからず見られる。
 はちのへ子ども劇場の提唱から始まった本団体が、関係団体との連携・協力を得て広がり、行政の受託事業が質量共に充実する中、改めてミッションの明確化に向かおうとする姿勢は、次代に継承するという意味でも高く評価される。内部環境・外部環境の分析を丁寧に行うことで、組織診断からミッションの明確化へのステップを踏まれることを期待する。
 団体としての個性は明確にしながらも、多くの人と協働することによって、子どもにとっての豊かな環境づくりに寄与することを願いたい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    2006年(設立後 満7年)
  2. 目的
    次世代育成を目的とし、次代を担う子ども達・若者達と、その子どもや若者をはぐくむおとな世代のひとりひとりが、地域社会の見守り・つながりの中で、健やかに夢をもって暮らしてゆけるように、各関連機関、団体、個人と連携して事業を企画運営すること。
  3. 活動内容
    (1)子育てつどいのひろば「こどもはっち」、(2)高校生の居場所「どりーむキャンパス」、(3)手作り玩具制作・販売「おもちゃハウスくれよん」
  4. 活動地域
    青森県八戸市
  5. 子どもの対象年齢
    乳幼児・小学生・中学生・高校生
  6. 有給スタッフ数
    10人(常勤有給4人、非常勤有給6人)
  7. ボランティア数
    40人
  8. 財政規模(年間経常収入)
    1,965万円(2013年度予算)
    1,678万円(2012年度決算)
    1,150万円(2011年度決算)
  9. ホームページ
    http://www7.ocn.ne.jp/~hmn/

<2012年度収入内訳>

助成事業名

自閉症/発達障害児・者と保護者を支援する組織基盤強化 -『あったらいいな』の実現を目指して-

団体名

認定特定非営利活動法人みやぎ発達障害サポートネット

代表者

相馬 潤子

【推薦理由】
 発達障害の専門家や支援者が地域に少ない中、発達障害のある子どもの親が勉強会を始め、専門家に任せきりになることなく、発達障害について正しく理解し、日々の子育てに活かすことが重要と考え、支援者と保護者が集まり、2006年に団体を設立した。相談事業、おしゃべりサロン事業、研修事業、療育事業に取り組み、広報活動にも力を入れるなど、発達障害児・者とその家族が安心して地域で暮らせるよう精力的に活動を行っている。
 事業が拡大する中、日々の業務に追われ、組織全体の中でどのような役割を果たすのかや、業務を担う者同士の横のつながりが見えなくなっている。また、法人運営を考える機会が少なく、今後5年間の中期計画が立てられないなど、問題解決の糸口が掴めないでいる。
 今回の助成では、コンサルタントの力を借りて、組織診断から組織基盤強化へのステップを踏み、スタッフ一人ひとりが経営者の立場で考え、ミッションの共有化を深めるなど、意識の醸成も図る。
 地域社会の信頼を得ながら、事業を着実に展開して来ており、次の5年を見据えて、本団体の組織基盤強化に取り組み、自閉症/発達障害児・者と保護者の「あったらいいな」の実現につながるよう期待したい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    2006年(設立後 満7年)
  2. 目的
    発達障害をとりまく環境の改善・向上を図り、発達障害児・者とその家族が人格の尊厳を侵されることなく、心身ともに健やかに安心して暮らせる社会づくりに貢献すること
  3. 活動内容
    (1)療育事業、(2)相談支援事業、(3)おしゃべりサロン事業、(4)学びあい事業、(5)広報活動
  4. 活動地域
    宮城県仙台市
  5. 子どもの対象年齢
    乳幼児・小学生・中学生・高校生・成人(保護者・支援者)
  6. 有給スタッフ数
    11人(事務局有給職員2人、現場有給職員9人)
  7. ボランティア数
    12人
  8. 財政規模(年間経常収入)
    3,386万円(2013年度予算)
    3,322万円(2012年度決算)
    2,740万円(2011年度決算)
  9. ホームページ
    http://mddsnet.jp/

<2012年度収入内訳>

助成事業名

子ども支援ボランティア全国展開のための組織体制強化

団体名

特定非営利活動法人キッズドア

代表者

渡辺 由美子

【推薦理由】
 教育における格差の連鎖が、社会的にも大きな問題となっている。2011年の東日本大震災以降の新たな課題も含め、貧困による支援を必要とする子どもたちの増加は著しい。教育格差は、考えることや自分が成長できるということからの「あきらめ」を生み出し、社会を形成する市民意識の成長を阻むことにもつながる。
 こうした現状を考えると、子ども支援ボランティアによる学習支援活動は社会貢献性が非常に高いと言える。支援を求めている子ども達と直接出会う活動は、子どもたちの喜びや成長が見えるだけに、目の前の対応に追われて日々が過ぎてしまうことが多い。また、子どもとの対応が喜びで参加しているボランティアも多いことから、組織マネジメントに取り組む人材が位置付かなければ、システムなどの枠組みが整理できないという問題も抱える。
 今後の量的な広がりに対応し得る組織になっていくことを願い、助成が必要と判断した。組織診断システムを活用して現状を分析し、整理し、改革していこうという姿勢が明快である。コンサルティングに頼り過ぎずに組織基盤強化に取り組まれることを願っている。
 「子どもにとって学びとは何か」「現代の子どもの心理」といった根源的な研修も含め、スタッフの質的向上にも期待したい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    2007年(設立後 満6年)
  2. 目的
    こどもの健全育成に関わる情報やノウハウの共有を図るプラットフォームを作り、子どもがより育ちやすい環境、楽しく子育てできる環境を作り、少子化解消に寄与すること
  3. 活動内容
    (1)児童養護施設および母子生活支援施設の小中学生向け学習支援、(2)無料の高校受験対策講座[タダゼミ]の企画・運営、(3)被災地域の中学校の放課後学習会等
  4. 活動地域
    東京都、宮城県南三陸町・仙台市、福島県楢葉町
  5. 子どもの対象年齢
    小学生・中学生・高校生・大学生
  6. 有給スタッフ数
    12人
  7. ボランティア数
    約1,000人
  8. 財政規模(年間経常収入)
    5,650万円(2013年度予算)
    7,400万円(2012年度決算)
    4,431万円(2011年度決算)
  9. ホームページ
    http://www.kidsdoor.net/

<2012年度収入内訳>

助成事業名

エイズ孤児に特化した支援モデルのスケールアウトを目指した人材・組織基盤強化事業

団体名

特定非営利活動法人エイズ孤児支援NGO・PLAS

代表者

門田 瑠依子

【推薦理由】
 全世界に1,660万人いると言われているエイズ孤児(片親ないし両親をエイズで失った18歳未満のこども)の支援をミッションにしている本団体の存在は、世界に対する日本の市民社会の使命と貢献という意味から大きいものがあると言える。更には、従来の日本人を派遣して行う「駐在員常駐型」支援から、より現地主導の「パートナー型」支援に転換することも世界のNGOの趨勢であり、理にかなった方向性である。
 その中で、より強く安定した財政基盤を築き、新しい体制を支えることが本団体に求められ、そのための取り組みは必須の課題と言える。それを実現するための本企画内容は、課題認識も正確であり、実施内容も具体的かつ適切なことから助成を決定した。
 助成事業の中心は、新しいサポーターの獲得とそれを可能にさせるであろう、目標設定、KPI(重要業績評価指数)設定、進捗管理、評価、改善というサイクルの実施とキャンペーンの実施である。それらを成功させるためには外部の専門家(組織)の協力を得ることが重要である一方、あくまでも実施主体は本団体にあることを自覚し、組織をあげての取り組みが重要である。
 財政基盤の確立はNPOにとっての共通の課題であり、本団体の取り組みが他のNPOにとっての成功事例となることを期待したい。

団体概要

  1. 設立(開設)
    2005年(設立後 満7年)
  2. 目的
    アフリカにおけるエイズ孤児に関する課題を解決するために、総合的な支援や普及啓発、調査研究を行い、一般市民の支援の輪を広げることにより、エイズ孤児の課題を解決し、公益に資すること
  3. 活動内容
    (1)エイズ啓発活動、(2)教育支援活動、(3)国内支援活動
  4. 活動地域
    ケニア共和国ニャンザ州、ウガンダ共和国ジンジャ県
  5. 子どもの対象年齢
    乳幼児・小学生
  6. 有給スタッフ数
    8人(事務局有給職員4人、現地有給職員4人)
  7. ボランティア数
    150人
  8. 財政規模(年間経常収入)
    2,308万円(2013年度予算)
    1,813万円(2012年度決算)
    1,553万円(2011年度決算)
  9. ホームページ
    http://www.plas-aids.org/

<2012年度収入内訳>

助成事業名

赤ちゃん先生プロジェクト 全国展開への組織基盤強化

団体名

特定非営利活動法人ママの働き方応援隊

代表者

恵 夕喜子

【推薦理由】
 2011年から取り組み、毎月1回開催してきた赤ちゃん先生クラスによる「いのちの授業」の実績が着実に積み上げられてきたことで、次世代を担う小学生から大学生までの幅広い参加者に対して、「いのちの偉大さ」を伝え、大きな気づきを与えるなど、本団体が果たす社会的意義は大きい。
 今後、赤ちゃん先生クラスの開催地域や対象者数の急増が予想される中、事務管理能力の強化、カリキュラムの数値化による効果検証と専門性の向上、事業リーダーのマネジメント力強化という3点の組織基盤強化の方向性を掲げている。
 選考過程での団体へのヒアリング結果を踏まえて、全国展開を図る前に、団体の足元をしっかりと見つめていただいた方が良いと判断された。今回の助成では、外部の専門家(機関)の力を借りて組織診断に取り組み、組織の現状を幅広く分析して優先課題を明らかにし、組織課題の解決策を検討したうえで、組織基盤強化に取り組んでいただきたい。
 組織診断から組織基盤強化へのステップを踏むことで、子育て中の女性の新しい働き方を創り、育児をしながら地域に貢献できるというメリットを社会に広めていただき、ポジティブで力強い社会の形成に力を発揮していただくことを期待している。

団体概要

  1. 設立(開設)
    2007年(設立後 満6年)
  2. 目的
    女性が出産後も働き続け社会参加できる環境をつくり、雇用機会を創出し、潜在している女性の力を活用することにより、日本経済の活性化に寄与すること
  3. 活動内容
    (1)赤ちゃん先生クラス、(2)ママの子連れキャリアアップセミナー、(3)多様な働き方革命シンポジウム
  4. 活動地域
    兵庫県神戸市、東京都渋谷区、福岡県北九州市
  5. 子どもの対象年齢
    乳幼児・小学生・中学生・高校生・大学生・高齢者
  6. 有給スタッフ数
    5人(事務局有給職員5人)
  7. ボランティア数
    0人
  8. 財政規模(年間経常収入)
    6,512万円(2013年度予算)
    2,224万円(2012年度決算)
    4,756万円(2011年度決算)
  9. ホームページ
    http://mamahata.net/

<2012年度収入内訳>