あかりを囲んで語り合う時間が
子どもたちの夢を育みます

認定NPO法人アジア教育友好協会(AEFA)
理事長 谷川 洋さん

認定NPO法人アジア教育友好協会(AEFA) 理事長 谷川 洋さん

AEFAは、アジアの極貧地域での学校建設を推進し、地域住民と一体になった学校づくりを通じて、子どもたちの教育環境の改善と地域の自立活動を支援する団体です。事業年度15年目を迎える2019年は、通算300校目、ラオスでは100校目となる小学校を建設予定です。

ラオスへのランタン寄贈は、2017年に参加したパナソニックさんの「ソーラーランタン10万台プロジェクト」に続き2回目となりますが、今回は、私どもにとって初の試みとなるクラウドファンディングで寄付を募りました。驚いたのは、参加者のほとんどがAEFAの会員ではない一般の方々だったこと。寄付金とともに、「ランタンだと火事の心配がなくていいですね」「私もランタンを背負って一緒に行きたかったです」といったメッセージも寄せられ、大変うれしく、また、励みにもなりました。

ローソクや懐中電灯の小さなあかりしか知らない村人たちにとって、ソーラーランタンのあかりは希望そのものです。今回は、102台のランタンが、無電化地域の学校や寮、診療所に順次届けられています。あかりを受け取った子どもたちは、「これで夜も本が読める!」「トイレにも行ける!」と大はしゃぎです。また、昼間は子どもたちの指導にかかりきりの先生も、翌日の授業の準備や自分自身の勉強を夜にすることができますし、診療所のスタッフも「これで安心して妊婦さんや患者さんを迎えることができる」と、大変喜んでいました。

あかりの下で子ども達が勉強している様子 ©AEFA
ランタン寄贈の様子 ©AEFA

ソーラーランタンには、燃料費がかからない、夜も勉強ができるなどたくさんのメリットがありますが、私が何より素晴らしいと感じるのは、村人同士の語り合いの機会が増えることです。たとえば、近年、AEFAが最初に建てた学校の卒業生が先生や大工さんになって戻って来るという大変喜ばしい事例が出始めていますが、彼らも忙しく働いているため、昼間はなかなかゆっくり話をすることができません。でも、ランタンがあれば、「仕事の後、寮に遊びに来てよ」「一緒にしゃべろうよ」という機会が生まれます。ランタンのあかりを囲み、村の誇りである先輩と語り合う中で、子どもたちはそれぞれの夢を育みます。「ランタンをつくる人になりたい」という子も、中にはいるかもしれません。

ランタン寄贈の様子 ©AEFA
ソーラーパネル設置の様子 ©AEFA

AEFAはこれまで多くの学校をつくってきましたが、一校も廃校がないのは、私たちの活動が“参加型”だからです。我々と現地パートナーNGO、学校に通う子どもたちのお父さん、お母さん、地域の人たち総出で資材を運び、レンガを積み、一から学校づくりに参加します。「私たちがつくった、私たちの学校」という誇りが、学校を大切にする気持ちにつながるのです。学校には、学校を中心に村がまとまる“求心力”と、村をより良くしていこうという“発展力”、そして、村と村を融和する“融和力”という3つの力があります。ランタンはそれら3つの力を後押しすると同時に、子どもたちの夢もサポートしてくれる。私はそう信じています。

※インターネットによる寄付

(プロフィール)
谷川 洋(たにかわひろし)
認定NPO法人アジア教育友好協会(AEFA)理事長
1943年、福井県生まれ。2004年に丸紅株式会社を定年退社後、認定NPO法人アジア教育友好協会(AEFA)を設立。ラオス、ベトナム、タイなど、主にインドシナ半島の極貧地域に暮らす少数民族の子どもたちのための学校を建設。地域住民と連携した学校づくりで、地域自立を支援・推進する活動を展開している。著書に『奔走老人 あなたの村に学校を作らせてください』(ポプラ社)がある。