基本的な考え方

当社は、健全で心豊かな社会づくりをめざし、社会と対話しつつ、企業の立場から積極的に企業市民としての活動を行っています。
事業進出・撤退の際は、現地政府や住民との対話、環境等への影響度評価を行い、地域社会への貢献と、マイナス影響の最小化に努めています。

パナソニック行動基準(一部抜粋)

企業市民活動や、地域社会とのかかわりについて方針を定めています。

第2章 事業活動の推進 II-6. 企業市民活動

(1)企業市民活動

私たちは、健全で心豊かな社会づくりをめざし、社会と対話しつつ、企業の立場から積極的に企業市民としての活動を行います。特に、地球環境との共存、人材育成・教育、芸術・文化振興、社会福祉の活動を行い、NPO/NGO・市民とともにより良い社会づくりなどの支援活動も行います。

(2)地域社会との共生

私たちは、自らが地域社会の一員であることを認識し、地域社会との連携を図りつつ、ともに発展していくよう努めます。
特に、地域社会の活動への参加・協力を積極的に行い、環境への対応や芸術・文化・スポーツの振興など、地域に根ざした活動を実施するとともに、社内施設の提供や社内イベントの開放などにできる限り努め、地域社会のニーズに適切に対応します。
また、自然災害など大規模災害発生時には、関係先と協力しつつ、可及的速やかな支援活動を行います。

(3)寄付、賛助活動、公益事業の運営支援

会社は、社会的課題の解決と社会的ニーズへの対応のため、社会貢献として意義のある適正な寄付、賛助活動などを行うほか、自ら設立した財団や基金などの公益事業の運営を支援します。

企業市民活動のマネジメントシステム

私たちの使命は、生産・販売活動を通じて社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与すること-----。
1929年、創業者の松下幸之助が制定した綱領は、パナソニックの事業目的と存在理由を簡潔に示したものであり、あらゆる活動の根幹をなす「経営理念」です。
現在に至るまで、私たちは常にこの考え方を基本に企業活動を進めています。

その一つは企業本来の事業活動を通じて世界中のお客様に満足いただく「産業人としての活動」であり、もう一つは、社会の一員として、健全で心豊かな社会作りに向けて、企業の立場でお役に立つ「企業市民としての活動」です。

この企業市民活動において私たちは、後述するグローバル方針に基づき、世界各地域の実情に合わせた活動を展開しています。主な活動については主要評価指標(KPI)を定め、実績評価と改善につなげています。定期的に、ブランド戦略推進委員会CSR・企業市民活動分科会 企業市民活動部会を開催して情報共有や意見交換を行い、よりよい活動推進に向けた検討を続けています。さらに、各地域の活動については「CSR・企業市民活動ニュース」にて社長以下、関連する取締役・役員、世界各地域の企業市民活動担当者に共有しています。

また、年1回、企業市民活動の実態をグローバルに調査し、CSR・環境サイトで社外に公表しています。

企業市民活動のマネジメント体制図:CSR・社会文化部(企業市民活動担当部門)にてグローバル方針の設定、企業市民活動の推進、成果の測定と改善を実施、各地域にCSR・企業市民活動ニュースなどで情報共有、アプライアンス社、ライフソリューション社、コネクティッドソリューション社、オートモーティブ社、インダストリアルソリューション社のカンパニーと中国・北東アジア社、US社、欧州、インド・南アジア・アフリカ、東南アジア、南米、中国・北東アジア、北東の各地域でグローバル調査を行い、CSR社会文化部が実態把握し、CSR・環境活動サイトを通じてステークホルダーへ公表

方針策定

3年毎に中期計画を策定し、企業市民活動の方針、重点テーマを定めています。
重点テーマについては、中期計画を策定するタイミングで見直し、事業方針や社会情勢、社会からの要請事項、有識者からの意見などを総合的に勘案し、決定しています。
2016年度からスタートした中期計画(2016~2018年度)の策定にあたっては、以下の取り組みを行いました。

(1)他社動向分析

CSR先進企業といわれる企業のCSR担当部署とのディスカッションを通じて、企業市民活動に関するトレンド、方向性分析を実施。

(2)専門家からの意見収集

外部の専門家を招聘し、グローバルな社会課題の傾向についてヒアリングを実施。2015年の9月にニューヨーク国連本部において開催された「国連持続可能な開発サミット」の成果文書として採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」*との関連にもとづき中期計画方針を策定。

(3)マテリアリティ分析

当社事業と社会課題を照らし合わせ、本業で解決に貢献できる課題と社会貢献活動を通じて対処すべき課題を分類。課題ごとに、ステークホルダーから当社への期待の高さなども考慮して、企業市民活動における重点テーマを抽出しています。

さらに2018年度には、前中期(2016~2018年度)のテーマの進捗や、社内外の動向を踏まえて、2019~2021年度の中期計画を策定しました。

企業市民活動の方針

当社は「A Better Life, A Better World」のブランドスローガンのもと、事業活動とともに企業市民活動を通じて、社会課題の解決や、より良いくらしの創造と世界中の人々の幸せ、社会の発展に貢献することを目指しています。

昨今、世界が直面するさまざまな課題のうち、特に先進国、新興国・途上国に存在するさまざまな貧困は深刻なものとなっています。2015年に国連が、人間、地球及び繁栄のための行動計画としてかかげた「持続可能な開発目標」は、17の目標と169のターゲットから構成されていますが、「貧困」はその筆頭に記されています。

またパナソニックの創業者である松下幸之助は、「貧困」を罪悪としてとらえ、それをなくすことが企業の使命と考えました。現在、人々の暮らしの水準は向上し、一部の貧困は解消されましたが、豊かさから取り残される国や地域も多く、先進国と呼ばれる発展した国の中でも、格差が大きく広がっています。

そうした現状を踏まえて私たちは、製品や技術、モノづくりで培ったノウハウやリソースを生かし、ステークホルダーの皆様と協働しながら、人材育成、機会創出、相互理解などの企業市民活動を通じて、社会課題を解決しサスティナブルな社会づくりに貢献したいと考えています。

A Better Life, A Better World の実現(新興国:主に企業市民活動で貧困などの課題解消)(先進国:主に事業活動で課題解決)

企業市民活動の責任者・体制

責任者は、参与 竹安 聡です。(2020年8月現在)
担当部門としては、ブランドコミュニケーション本部 CSR・社会文化部のほか、7つの社内カンパニー(アプライアンス社、ライフソリューションズ社、コネクティッドソリューションズ社、オートモーティブ社、インダストリアルソリューションズ社、中国・北東アジア社、US社)と4つの地域統轄会社(中南米、欧州・CIS、東南アジア・大洋州、インド・南アジア・中東阿)に企業市民活動担当者を設置し、グローバル方針に基づきながら地域の実情に合わせた活動を展開しています。

社員の参画とそれを支える制度

当社の企業市民活動を推進する上で、社員の企業市民としてのマインド醸成やその参画は非常に重要です。その活動内容と「参画を促進するための人事制度」について紹介します。

従業員の社会参画を促進する活動

CSR・社会文化部、各カンパニー・地域の企業市民活動部門などが、従業員が参加しやすいボランティア機会の情報提供や、従業員の意識変革、社会課題解決実践の機会などの企画・運営を行っています。
活動の詳細は、企業市民活動のサイトで紹介していますが、特徴的な活動を下記に記載します。

社員食堂へのサステナブル・シーフード*の導入

2020年7月現在、日本国内47拠点の社員食堂で、定期的に「サステナブル・シーフード」を提供しています。食堂での喫食を通じて従業員の社会課題への意識を高め、本人やその家族の消費行動の変革につなげることを目的に、2021年度日本国内全拠点導入を目指しています。
*MSC及びASC認証を取得した持続可能な水産物

みんなで“AKARI”アクション

社員の福利厚生サービスのポイントや、古本・ディスクなどの寄贈などで集めた資金で、無電化地域に当社製品のソーラーランタンを届け、夜間の学習や就労、医療などに活用いただくプログラムです。これは、2018年1月に終了した「ソーラーランタン10万台プロジェクト」で、アジアやアフリカなどの無電化地域に明かりがもたらした効果を継続するために、一般の方にも寄付の輪を拡げるプラットフォームとして構築したもので、2019年度は、グローバルに873人の従業員も参加しました。

プロボノ活動

従業員が、仕事で培ったスキルや経験を活かし、NPO/NGOなど社会課題解決に取り組む団体の事業展開力の強化を支援するプログラムです。社会課題に対する理解が得られるだけでなく、実践的な経験が当社の事業にも生かされるため、日本およびヨーロッパ地域では、人材育成プログラムの一環としても取り組んでいます。

パナソニック エコリレー・フォー・サステナブル・アース

当社は真のグリーンプロダクツをつくるには真のグリーンマインドが必要との想いから、1998年より従業員とその家族が家庭や地域社会でも積極的に環境活動を行うことで環境意識を向上し、ライフスタイルを変革することを目的とした地球を愛する市民活動(Love the Earth=LE)を推進してきました。2008年からは、地域に根ざした環境活動をそこで働く従業員自らが企画し実施するパナソニック エコリレーを世界各地で展開し、地域の方々や子どもたち、従業員の家族を交えて活動を実施してきました。その後、活動はグローバルに様々な分野へと拡大発展し、2010年10月からは世代を超えてつなぐという想いをこめたパナソニック エコリレー・フォー・サステナブル・アースという新たな名称で、地球市民として持続可能な地球環境と社会づくりへの貢献を目指しています。

社員参画を支える人事制度(日本国内の事例)

ボランティア休暇制度

社員一人につき年5日のボランティア休暇が付与されています。ボランティア活動目的で休暇を取得する場合は、会社は連続取得できるよう配慮します。

ボランティア休業制度

ボランティア活動への参加を目的とした休業制度です。
対象の活動は国・地方公共団体等の公的機関が主催するボランティア活動、および、会社または組合が主催・推奨するボランティア活動で会社が認めたものとなっています。(ただし、政治・宗教活動を除く)

青年海外協力隊休職制度

青年海外協力隊への参加目的での休職制度です。

チャレンジ休暇(節目休暇)

心身のリフレッシュや自己成長をはかり、新たな意欲をもって会社生活を過ごせるように、会社生活の節目において、休暇を取得出来る制度です。
30才、40才、50才に達した社員(除、管理職)について10日の休暇が取得可能で、ボランティア参加の機会としても活用されています。

企業市民活動の評価

当社の主だった活動に対し、その特性に合わせた効果測定をおこなっています。

(1)プログラム実施後のフォロー調査による評価

  • Panasonic NPO/NGOサポートファンド(旧Panasonic NPOサポート ファンド)
    NPO/NGOの組織基盤強化を支援する「Panasonic NPO/NGOサポートファンド」では、助成事業終了の1年後に助成先のフォロー調査を行い、組織基盤強化の有効性について第三者が定量的・定性的な評価を実施しています。2019年に行った、2017年の助成先8団体への調査結果では、8団体のすべてで助成前に比べて総収入が増加し、その増加率の平均は29.2%でした。また、8割にあたる7団体の財源が多様化しています。8団体の組織運営力は助成前より約1.2倍向上していますが、組織基盤強化事業の取り組みにより助成前に抱えていた課題が80%解決したと答えたのは8団体のうち5団体(62.5%)に留まりました。なお、8団体すべてで主要事業のアウトカムが増大したと回答しており、本助成プログラムによる組織基盤強化の取り組みが、主要事業のアウトカム・インパクトの改善・向上に有効であったことを示しています。
  • キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)
    映像制作を通じて、協調性や創造性、コミュニケーション能力を高めることを目的とした教育支援プログラム「キッド・ウィットネス・ニュース」では、2017年からプログラム実施後の子ども達の成長を定量的・定性的に測ることで、プログラムの効果検証に取り組んでいます。2017年は、小学校のプログラム実施クラスで記述式アンケートやインタビューを行い、定性評価を行った結果、コミュニケーションやチームワークにおいて成長が見られることがわかりました。また、2018年は中学校の有志の参加者に対して質問紙やインタビューを用いて調査を行い、プログラム実施前後や、参加者以外の集団との比較・分析を通じて、コミュニケーションや人間関係形成のスキルの伸びを確認しました。
  • オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム
    様々な社会課題について学び、その解決方法を考える「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」では、プログラム実施前後の生徒達の成長を定量的・定性的に測ることで、プログラムの効果検証に取り組んでいます。2019年度は、プログラムを実施した中学校でプログラムの実施前後に、生徒と先生へ記述式アンケートやインタビューを行い、生徒の社会参画や社会課題に対する意識がどのように変容したのか等を測定しました。その結果、「社会的意義」、「人間関係形成力」等の領域で生徒の資質・能力に伸びが確認できました。また授業の手法としてアクティブラーニングを積極的に取り入れることにより、プログラムを取り入れた授業では「コミュニケーション」と「思考活動」が活性化される傾向が見られました。

    ※キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)とオリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラムは、パナソニックのキャリア教育「学び支援プログラム」として、第10回キャリア教育アワード 大企業の部「優秀賞」受賞。特に審査項目の「教育効果」において、プログラムの効果検証を行っている点や先生、生徒へ継続的にアンケートを実施している点が高く評価されました。

(2)SROI手法によるプログラム評価

SROI(Social Return on Investment:社会的投資収益率)とは、該当の活動によって影響が及ぼされる社会的インパクトの大きさをROI視点で評価する手法で、投入した費用(インプット)に対しどれくらいの社会的価値(アウトカム)が創出されたかを表すものであり、SROIが「1」を越えていれば(社会的価値が投入費用を上回る)投資価値があると判断できます。

  • Panasonic NPOサポートファンド
    助成先の1つである「特定非営利活動法人アレルギー支援ネットワーク」を対象にSROI評価を行い、その結果、組織基盤強化支援の社会的インパクトが投入額の8.82倍となり、大きな社会的成果を生んだことが分かりました。また本結果レポートを「Social Value International」に提出し、SROIレポートとして日本で初めてアシュアランスを取得することができました。

企業市民活動の費用支出

当社では、グローバルレベルでの活動状況を把握するために、グループ全体の企業市民活動の実態調査を行っています。

2019年度 企業市民活動の地域別活動費

企業市民活動の地域別活動費(単位:百万円) 中南米:89、欧州:23、中国・北東アジア:339、東南アジア・大洋州:90、インド・南アジア・中東阿:31、日本(海外):362、日本(国内):2,621、北米:172(支出総額:3,727百万円)

2019年度 企業市民活動への支出の活動分野別内訳

企業市民活動への支出の活動分野別内訳 活動運営費:9.0%、人材育成支援:27.1%、環境:3.6%、ランタン寄贈:0.2%、無電化地域ソリューション:1.2%、AKARI:0.5%、NPO基盤強化:1.2%、社会福祉:5.1%、学術:3.0%、スポーツ:3.0%、芸術文化:5.8%、寺社・史跡保存:0.3%、地域社会:10.0%、災害:0.8%、経済団体:1.4%、情報公開:0.3%

寄付金について

寄付の種類

(百万円)

寄付の種類

企業市民活動総額における割合

寄付金 1,835

49%

地域貢献他 1,567

42%

各種協賛支援 325

9%

合計 3,727

100%

寄付の方法

(百万円)

貢献の方法

金額

キャッシュでの寄付

2,133

社員ボランティア関連費用

81

商品・サービス提供とプログラム協賛金

1,178

企業市民活動に関する運営費

336

合計

3,727