環境:サーキュラーエコノミー型事業の創出

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サーキュラーエコノミー型事業の創出

資源の有効活用と顧客価値の最大化を実現するため、サーキュラーエコノミー型事業の創出に取り組んでいます。まずその1つの事業モデルであるシェアリングサービスとして、Tsunashima SST※1内の3カ所と日吉駅に駐輪場を設置し、タウン内の住人や商業施設の従業員、近隣住人などを対象に30台の新たに開発した省電力のスマートロックを搭載したIoT電動アシスト自転車を提供し、IoT電動アシスト自転車の稼働検証を実証しています。この実証実験を通して、自転車に対するニーズの把握、走行範囲、距離などのデータ蓄積・解析により、最適な自転車運行管理システムの検証を進めています。また、プライムライフテクノロジーズグループのトヨタホーム(株)様が開発・販売をしている愛知県みよし市の大規模戸建分譲地「TENKUU no MORIZONO MIYOSHI MIRAITO(てんくうのもりぞのみよしみらいと)」のシェアサイクルステーションに、IoT電動アシスト自転車を納入しました※2。当社製IoT電動アシスト自転車の最初の納入事例で、今後も順次、販売、普及させていく予定です。

IoT電動アシスト自転車と搭載したスマートロック

モノのサービス化のモデルとして、冷凍冷蔵ショーケースの冷やす価値提供サービスとリファービッシュスキームを実施しています。冷やす価値提供サービスとは、スーパーやコンビニなどの食品小売業の方々にショーケースを販売するのではなく、“食品を冷やす”という価値自体を提供するものです。リファービッシュスキームは、チェーン店で使用されたショーケースを検査・修繕し別の店舗で再活用するというものです。これらのサービスを導入することにより、メンテナンスコストやエネルギーコストを抑えるとともに、限られた投資予算の中でより多くの店舗改装が可能となり、効率的な事業経営を支援します。

また、別の冷やす価値提供モデルとして、医薬品の安心・安全輸送を実現する保冷ボックス「VIXELLTM」のレンタルサービスを開始しました※3。医薬品輸送の現場においては、厳格な温度管理や追跡管理、作業効率性などが求められています。そのため、VIXELLの要となる断熱層には、当社が特許を有する、継ぎ目の無い一体成形の真空断熱筐体(VIC:Vacuum Insulated Case)を採用し ています※4。板状の真空断熱パネルを貼り合わせて断熱層を形成した一般的な断熱ボックスでは解決できなかった冷気漏れを抑え、-75℃±15℃を最長18日間維持できます。また、断熱ボックスによっては、設定温度帯ごとに保冷剤と保冷ボックスを変える必要がありますが、VIXELLでは外箱は共用し、収納箱と蓄熱剤をセットにした「蓄熱ユニット」を変えるだけで、-75℃±15℃、-20℃以下、2℃~8℃、15℃~25℃と医薬品輸送に求められる多様な温度帯の対応が可能です。さらに、VICには、非接触給電技術を用いた無線真空度センサーユニットを予め内蔵しています。専用の検査台にVIXELLを乗せるだけで、VICの真空状態を読み取ることができるため、使用前に断熱性能の良否を確認できるので安心です。その他の特長として、VIXELLは電波透過性にも優れています。ボック ス内に温度やGPSなどのセンサーを設置すると、開封することなくボックス内の状態が監視できます。今後、冷蔵庫などの家電製品の開発で培ってきた断熱技術や成形技術、IT/IoT技術を駆使することで、医薬品輸送においてさらなる安心・安全と、新たな価値創造を目指します。

VIXELLと検査アプリケーション

さらに、モノのサービス化の別モデルとして、照明器具の所有ではなく照明機能の提供を行う「あかりEサポート※4」を実施しています。「月額料金」でお客様ご指定のLEDの照明機能を修理対応等のサービス付きでご利用できる「あかりの機能提供型のサービス」です。LEDの照明機能の長期利用料、性能維持のための修理対応、動産総合保険、省エネ効果の認証などのサービスが含まれており、メンテナンスコストやエネルギーコストを抑えることが可能となります。
当社ノートパソコンのカスタマイズメニュー「バッテリーライフサイクルNAVI※5」では、製品価値を長寿命化できます。本サービスは、バッテリー満充電容量の低下を自動で検知し、基準値を下回ったタイミングでパソコン画面上にお知らせを送り、その後に交換をお申し込みいただくだけで、新しいバッテリーをお送りするものです。長年使用して短くなった駆動時間も購入時と同等のパフォーマンスを取り戻すことができます。

次に、サーキュラーエコノミーの考え方をベースとした以下のような取り組みを進めています。その1つは、建築におけるリノベーションです。かつて当社がショウルーム等として20年近く利用してきたビルをパートナー企業と共にリノベーションし、コワーキングスペース、スタジオ、ラボ、ラウンジ、カフェなどを有する複合施設であるTENNOZ Rim※6へと生まれ変わらせました。既存の建物を有効活用し、新築の時以上の性能になる工事であるリノベーションはリマニファクチュアリングの1つと考えています。また、TENNOZ Rim内のカフェにて、利用者が定額プランに加入し、高濃度セルロースファイバー成形材料のリユースカップを持参すると、ドリンク1杯もしくはフード1品を提供される飲食サブスクリプションモデルの実証実験※7を実施し、使い捨てプラスチック容器削減に貢献しました。本実証実験を通して、文化・アートの発信基地として近年注目を集める天王洲エリア全体の新たな賑わいづくりと使い捨てプラスチック容器削減に貢献すると共に、環境に優しい容器の普及活動によるサーキュラーエコノミーの貢献を目指していきます。また、工場排出物をクリエイティブなデザインにより全く別のプロダクトとして新たな価値を創出するリバリュープロジェクトを進めています。今まで、アイロン、炊飯器、システムキッチンの製造過程で生じた工場排出物をもとに、パートナーと共創でブックエンド、照明、テーブルなどを製作しました。本プロジェクトの活動が認められ、2020年度グッドデザイン賞(ビジネスモデル分野)を受賞しました。今後も更なるプロダクトの創出とともに、共創拡大による新たな価値創造にチャレンジしていきます。
以上のように、当社はサーキュラーエコノミー型事業の創出に向け、様々な取り組みを開始しています。今後、さらにサーキュラーエコノミー型事業の創出を拡大していくために、既存事業のサーキュラーエコノミー型事業への転換を進めていきます。このために、2019年度に開発した分析手法に沿って、GP2021に示した既存事業と循環経済の関連性マッピングを着実に進めていきます。

TENNOZ Rim 内のコワーキングスペース
リバリュープロジェクトで創出したプロダクト

※1 2018年3月に神奈川県横浜市にグランドオープンした次世代都市型スマートタウン。パナソニックをはじめとする異業種12団体で構成された「Tsunashima SSTまちづくり運営協議会」により運営され、先進的な環境配慮の取り組みに加え、街に関わる事業者や住民、自治体との協業による新たなサービス創出を目指しています。(http://tsunashimasst.com/JP/
※2 https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/10/jn201014-3/jn201014-3.html 参照
※3 https://www.panasonic.com/jp/business/vixell.html 参照
※4 https://www2.panasonic.biz/ls/lease/lighting-e-support/ 参照
※5 https://panasonic.biz/cns/pc/letsnote/and_connect/battery.html 参照
※6 https://www.tennoz-rim.tokyo/ 参照
※7 https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/09/jn200910-1/jn200910-1.html 参照