環境:投入資源の削減と再生資源の活用

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投入資源の削減

投入資源を最小化するためには、製品質量を削減することが大切です。当社は製品環境アセスメントを通じて、軽量化・減容化、部品点数の削減など、商品の企画設計段階から省資源化を進めてきました。また製品ライフサイクルで投入資源の削減を進めるという視点から、部品リユース、長期使用性向上、電池の取り外し容易化、回収・再資源化時に必要な表示などの取り組みも、同時に行っています。

独自の地盤補強工法「拡張パイル工法」

住宅を建築する際には、敷地状況により、地盤の補強が必要ですが、従来の工法では、施工機械が大型のため、狭小地での施工が困難なことや使用材料が多く、環境負荷が大きいことなどの課題がありました。パナソニック ホームズでは地盤補強工法として、地盤に鋼管を貫入してから体積を増加させる「拡張パイル工法」を独自に開発しました。「拡張パイル工法」では、筒状の鋼管を埋設し、加圧注水により鋼管を膨張させるため、従来の鋼管を地盤に貫入する方法よりも資源投入量が少なく、また地盤との間に高い摩擦力を生み出すことができます。今までの小口径鋼管杭工法では1棟あたり鉄は6075Kg必要であったが、本工法では710Kgになり、使用する鉄の使用量を約1/8にすることができます。

照明器具リニューアル専用器具 クイックアップ

既設照明器具の本体を活かし安定器をリニューアルすることができます。給電部品が反射板に搭載された構造なので、給電部品間の結線作業を必要とせず短工期でのリニューアルが可能です。埋込型、システム天井型の蛍光灯照明器具からLEDへのリニューアルに対応でき、廃棄物抑制、廃材処理費用の低減を実現できます。

照明器具リニューアル専用器具 クイックアップ

リサイクルしやすい設計の事例

リサイクルをより効率的に行うために、業界のガイドラインに沿って、分解・分別が容易になる設計に取り組んでいます。たとえば、製品がより分解しやすくなるよう、溶接やカシメ構造など分解しにくい固定方法をなるべく廃止したり、ねじの使用本数を削減するなどしています。また、より分別がしやすくなるよう樹脂部品の材質表示なども行っています。

樹脂部品の材質表示

再生資源を活用した商品

当社では「商品から商品へ」をコンセプトに、使い終わった商品から取り出した資源を活用する取り組みの拡大を進めています。樹脂では、使用済み家電製品(冷蔵庫・エアコン・洗濯機・テレビ)から取り出した樹脂の自社製品への再利用を進めています。また鉄でも、使用済み家電製品から取り出した鉄スクラップの自社製品への再利用を2013年より始めています。

資源循環:商品を作ってお客様にお届けし、使っていただいた後は、回収した商品から資源を取り出し、その資源を使い再び商品を作る

家電製品における再生樹脂の使用拡大

当社では、回収された廃家電から、鉄や銅、アルミなどの金属だけでなく樹脂も有効に活用すべく、当社の家電リサイクル工場であるパナソニックエコテクノロジーセンター(株)(PETEC)とアプライアンス社加東樹脂循環工場が連携して、樹脂循環の取り組みを推進しています。

樹脂循環取り組みの流れ:PETECが使用済み家電製品から高純度のプラスチックを取り出した後、加東樹脂循環工場で洗浄、強度・寿命回復を実施し異物除去後、強度・寿命を回復させたプラスチックを当社工場でエアコンのフィルター枠、冷蔵庫のカバーダクトなど再生樹脂を活用した部材として商品に活用

PETECでは、廃家電のシュレッダーダストから、用途や物性の異なる主要3種類の樹脂、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスチレン(PS)を、当社独自の近赤外線識別技術などを用いて純度99%以上の高精度で選別します。
PETECで選別・回収された単一の再生樹脂は、近隣に立地しているアプライアンス社加東樹脂循環工場へ持ち込まれ、再生樹脂としてさらなる高純度化と物性回復が行われます。加東樹脂循環工場は、家電などを生産・販売するアプライアンス社における再生樹脂の活用促進のための製造・開発実証拠点であり、再生樹脂としての純度を高める技術の確立など、再生樹脂の利用拡大に貢献しています。一般的に再生樹脂は新しい樹脂材料に比べ強度や寿命が劣化するため、様々な製品の部位・部材へ適用させるためには、新しい材料と同程度に物性を回復させる必要があります。お客様から要求される物性は樹脂により異なりますので、当社は酸化防止剤の添加や、再生樹脂と新しい樹脂材料の調合など、PP・ABS・PSそれぞれの樹脂に最適な物性を見極めた使いこなし技術を確立しています。2017年度は高機能材の開発に注力し、テレビバックカバー由来の難燃PSの再生や不織布から難燃PPへの再生、さらに従来は家電部品へ再利用されていなかったドラム式洗濯機由来のPPGF(ガラス短繊維入りPP)から、高剛性を特長とするタルク入りPPへの再生手法を確立しました。
加東樹脂循環工場にて品質保証された再生樹脂は、樹脂の種類によって当社の製品工場で使用され、エアコン、IHクッキングヒーター、冷蔵庫の内部部品などに生まれ変わっています。

3種の樹脂を同時に選別できる近赤外線樹脂選別機

再生鉄の循環スキーム構築

当社は東京製鐵(株)様と共同で、使用済み家電製品から発生する鉄スクラップをリサイクルし、再び当社グループの製品材料の鋼板として使用する再生鉄の資源循環取引スキームを、2013年7月から開始しました。使用済み鉄スクラップを支給し鋼板として買い戻すスキームは、国内電機業界初の取り組みとなります。

電炉鋼板の自己循環スキームイメージ。PETEC(パナソニック エコテクノロジーセンター)が使用済み家電製品を分解/選別して鉄スクラップを東京製鐵様へ供給し、鋼板をパナソニック事業部が調達し、お客様に商品として販売

具体的には、PETECで回収された家電製品由来の鉄スクラップを、東京製鐵様の岡山工場に納入し、同工場で電炉鋼板※1に加工後、再び当社がそれを調達し製品に活用します。2010年から東京製鐵様と検討を始め、再生鉄の品質を製品に使用できるレベルまで上げたり、加工性を向上させたりするための技術開発を行い、電炉鋼板特性に合った使い方を抽出し、さらに用途ごとに要求される特性(形状や強度、溶接性など)をチューニングして、2011年より電炉鋼板の薄板を製品へ導入してきました。そのような実績を経て2013年、当社資本の家電リサイクル会社から納品された鉄スクラップを電炉鋼板に使用するスキームが実現しました。
当初、当社からの鉄スクラップの提供は月50トン程度でしたが、2017年度は1年間で2,600トン以上を東京製鐵様に納品し、住宅用天井材や洗濯機など当社製品に利用しています。

PETECで回収された家電製品由来の高品位鉄スクラップを、東京製鐵様に納入、電炉鋼板に加工後、再び当社がそれを調達し製品に活用する(写真はパナホームの軽量天井材)

電炉鋼板の使用拡大は、日本の貴重な資源の一つである鉄スクラップの活用拡大につながります。さらに鉄スクラップを原料として鋼板をつくる場合、最初から鋼板を製造する方法に比べてCO2排出量が大幅に少なくなります。またこのスキームでは、当社の家電リサイクル会社から出荷する鉄スクラップ価格および東京製鐵様から調達する電炉鋼材の購入価格は、両者で協議した支給スクラップの変動ルールに基づいて取り決めることから、調達価格の安定化も実現します。さらなる資源の有効活用、CO2削減と調達価格の安定化を目指し、今後も本スキームの拡大を図っていきます。

※1 鉄スクラップを電気炉で溶解・精錬してつくられる鋼板のこと