当社は、「カルテル」および「贈収賄」などの重大不正に関するコンプライアンス・プログラムを全社的に推進しています。2018年度は、「反贈収賄」に焦点をあてたコンプライアンス・インフラストラクチャー強化のための以下の各取組みをグローバルで推進しました。

  • 「経営層の関与」:社長、カンパニー社長、地域総代表およびゼネラル・カウンシルらの経営幹部から従業員に対してコンプライアンスメッセージを発信し、また、取締役会をはじめとする経営会議でコンプライアンス討議を実施しました。また、ゼネラル・カウンシルが海外子会社を訪問して現地の経営責任者とのコンプライアンスに関する対話を行うなど、経営層が直接コンプライアンスに関与しています。
  • 「コンプライアンス意識・風土の浸透」:重大不正を題材としたマンガやポスターを作成して配布しました。また、従業員参加型のコンプライアンスイベントを企画・開催しました。さらに、全従業員を対象に、「コンプライアンス意識実態調査」を行いました。2018年度の回答者は約14万6千人で、2017年度に比べて、約12.5%増加しました。
  • 「教育・啓発」:全従業員を対象に重大不正に関するeラーニングを実施し、2018年度は約14万人が受講しました。また毎四半期に、事業部長宛てに重大不正に関するニュースレターを配信しています。
  • 「新グローバルホットラインの設置」:前述の「内部通報制度」で記載したように、グローバルホットラインの設置による通報の一元管理を実現しました。ホットラインへの通報や報告、その他監査等において違反を疑われる行為を発見した場合は、速やかに社内調査を行います。社内調査により違反行為の事実を確認した場合は、直ちに違反状態を解消するとともに、真因を追求し、それに対する再発防止策の実施、関係者の処分を行います。
  • 「反贈賄プログラムの改善・強化」:グローバルで実施した贈賄リスクアセスメントの結果を踏まえ、各カンパニーの経営層とゼネラル・カウンシルがコンプライアンス討議を行って課題の共有と対策の検討を行い、その結果を2019年度の各カンパニーの具体的な取組みに反映し、推進しています。
  • 「コンプライアンス監査・調査機能の強化」:2018年度、贈収賄・腐敗リスクの早期発見・予防・対処を目的として本社部門による同リスクのコンプライアンス監査を実施しました。2019年度以降も組織的取組みとして監査実施拠点のフォローアップとともに新たな拠点に対するコンプライアンス監査を定期的に実施予定です。また、全社の社内通報・調査制度の整備を行い、2019年7月1日付でグローバル規程として、「社内通報および調査に関する規程」と「通報者等への報復行為禁止に関する規程」を制定しました(詳細は「内部通報制度」の章をご参照ください)。

また、2019年度は、昨年度の取組みを深化させて継続しつつ、経営層においてリスクやコンプライアンスインフラストラクチャーについてより焦点をあてて討議・方向付けを行うためのコンプライアンス委員会を別途設置するなど新たな取組みとともに推進しています。

カルテル防止

当社は、過去に当局から摘発された事実を厳粛に受け止め、「カルテル防止」に取り組んでいます。ひとたびカルテルを起こすと、お客様からの信頼を失うだけでなく、高額の制裁金や損害賠償金の支払い、公共調達における指名停止処分など、事業活動への様々な悪影響が発生することから、徹底して防止に取り組んでいます。

基本方針

カルテルや談合を防止するために以下のような基本方針を掲げて取り組んでいます。

  • 競合他社との接触は必要最低限に限るものとし、やむを得ず競合他社と接触する場合、事前に必要な承認を取得するものとします。
  • 競合他社との間で、価格や数量など競争に関わる事項について情報交換や取り決めを行うことは厳に禁止します。
  • カルテルの疑いを招く行為に遭遇した場合には、異議を述べ退席する等の行動をとるとともに、社内で必要な報告を行うものとします。
  • 社内通報制度や社内リニエンシー制度を設け、会社としての自浄能力向上に取り組むとともに、リスク評価に基づいた適切なモニタリングを実施し、効果的なカルテル防止体制を構築します。

競合他社との活動に関する規程

当社では、競合他社との活動全般に関し、2008年に、カルテル・談合およびそれらの疑いを招く行為を防止することを目的とした「競合他社との活動に関する規程」を制定し、グループ全社員に適用しています。この規程には以下のような項目が含まれています。

  • 製品等の価格、数量、性能・仕様に関する情報交換や取り決めなど、カルテル・談合およびその疑いを受ける行為の禁止
  • 競合他社と接触する場合に、事業場長および法務責任者の事前承認を得ることを義務付ける事前承認制度
  • 不適切な行為があった場合の対応
  • 違反のおそれがある場合の報告義務
  • 違反した場合の措置
  • 社内リニエンシー制度

特にリスクの高いデバイス事業においては、カンパニー経営責任者会議や傘下の海外会社責任者会議における幹部への再徹底、カルテル防止教育の全員受講、疑わしい行為の洗い出し、誓約書の提出、監査の実施、人材ローテーションの加速など、カルテル防止の取り組みをグローバルに推進しています。

政治献金における透明性の確保

日本経団連は政治寄附に関して「民主政治を適切に維持していくためには相応のコストが不可欠であり、企業の政治寄附は、企業の社会貢献の一環として重要性を有する」との見解を示しています。当社もこの方針に従い、企業の社会的責任の一環として政治寄附を行っています。
寄附にあたっては、政治資金規正法などの関連法令を順守するとともに、厳格なルールを定めて実施しています。
なお国内では、政治資金の収支状況を公開することが政治団体に義務づけられており、官報または都道府県の公報により公表されます。
Webサイトでも閲覧が可能です。

腐敗行為の防止

これまで、当社は、公務員贈賄の防止はもとより、当社行動基準に定めるとおり、接待や贈答その他形態の如何を問わず、法令または社会倫理に反して、利益の提供を行うこと、また、個人的な利益供与を受けることを禁止してまいりました。もっとも、今日の時勢に適合する形で贈収賄・腐敗行為の防止をグローバルに徹底するため、2019年7月1日付で、パナソニックグループの全役員・従業員に適用される新たなグローバル全社規程として、「グローバル贈収賄・腐敗行為防止規程」、「贈収賄・腐敗行為防止に向けた特定取引先に関するリスク管理規程」、「贈収賄・腐敗行為防止に向けた贈答・接待等に関する規程」、「利益相反防止規程」を制定しました。また、「特定取引先」との取引開始・更新に際して、当該取引に伴う贈収賄・腐敗行為関連リスクを事前に審査するための新たなリスク審査プロセスを導入いたします。
「グローバル贈収賄・腐敗行為防止規程」は、公務員を当事者とする賄賂を含む腐敗および取引先との関係における腐敗行為について、実際の腐敗行為または腐敗とみなされる行為を有効に防止、発見、調査および是正することを目的として制定しました。具体的には、ファシリテーションペイメントの禁止、政治献金・寄付・スポンサーシップ、ロビイング、雇用および採用、合併・買収・ジョイントベンチャーなどの各項目について、贈収賄/腐敗行為に該当する行為の禁止や、贈収賄/腐敗行為防止に向けた具体的な手続を定めています。
「贈収賄・腐敗行為防止に向けた特定取引先に関するリスク管理規程」は中間販売業者や業務委託先に関わる贈賄およびその他の腐敗行為のリスクを軽減し、これらのリスクに関連する現実および予想される問題を防止・発見・調査・是正するため、特定取引先の特定、審査、選定、登録、取引開始・解消に関する原則を定めることを目的として制定しています。
「贈収賄・腐敗行為防止に向けた贈答品・接待等に関する規程」は、公務員・取引先それぞれからの、または、それぞれに対する、食事、もてなし、旅費負担を含む贈答・接待の提供と受入れに係る贈収賄・腐敗行為関連リスクの防止を目的として、禁止行為や実施に当たっての具体的な手続を定めています。
「利益相反防止規程」は、利益相反の防止、特定、管理および是正に関する規則を定めるとともに、具体的に利益相反に該当するおそれがある行為を定めています。
これらの新たな贈収賄/腐敗行為防止に向けたグローバル規程の順守を徹底するため、全社的に周知・推進活動を行ってまいります。