基本的な考え方

当社では、創業者 松下幸之助の「先憂後楽の発想」「失敗の原因は我にあり」「すべての事には萌しがある」「小さい事が大事に至る。萌しを敏感にとらえて憂慮しなければならない」などの考え方を基軸とし、"失敗の原因"すなわち事業目的の達成を阻害する要因を事前になくしていく活動として、全社的リスクマネジメント活動をグローバルに展開しています。
また、リスクマネジメント活動は、経営戦略の策定・実行とともに事業経営を推進するための「車の両輪」であり、これら両者が機能することで事業目的の達成をより確実にし、企業価値の向上につながるものと考えています。さらに、リスク情報を適切に社会に開示し、事業経営の透明度を高めるとともに、リスクに対して事前に対策を打ちリスクを低減することによって、お客様をはじめとするステークホルダーの皆様や地域・社会にご安心いただくことができるものと考えています。

事業経営におけるリスクマネジメントの役割

各ステークホルダーへの情報開示、を実施、信用向上を得て、経営理念を軸とした事業経営で企業価値向上をめざしています

推進体制

当社では2005年4月から、パナソニックグループ全体のリスクマネジメントを推進する「グローバル&グループ リスクマネジメント委員会」(以下「G&Gリスクマネジメント委員会」)を設置しています。グループの経営幹部の中から任命される全社リスク管理担当役員を委員長とし、メンバーはカンパニーCRO(Chief Risk Officer)、地域統括会社、戦略本社・職能の責任者から構成され、事務局は法務部エンタープライズリスクマネジメント課が担当しています。
G&Gリスクマネジメント委員会は、本社・地域統括およびカンパニーが実施したリスクアセスメントの結果をもとに全社重要リスクを決定します。これは、コーポレートとしての法的要請への対応の一環です。また、本社・地域統括およびカンパニーが策定した重要リスクの対策計画をもとに、対策進捗のモニタリングを実施し、必要に応じ職能・各種委員会への指示や本社・地域統括およびカンパニーへの支援を行い、継続的改善を推進します。G&Gリスクマネジメント委員会の活動は定期的に取締役会で報告され、またモニタリングの状況については取締役会並びに監査役がその監視と検証を行っています。

パナソニックグループ グローバル&グループ リスクマネジメント推進体制

チーフ・リスク・マネジメントオフィサーを委員長とした本社コーポレート戦略本部、職能部門で会議を開催し、地域統括、カンパニーへの行政支援を行っています。

基本的枠組み

当社では、G&Gリスクマネジメント委員会、カンパニーおよび事業部の3つのレベルでリスクマネジメントを推進しています。毎年、カンパニーおよび傘下の事業部等にて事業経営に影響を与えるリスクについてグローバル共通の基準(経営への影響度と発生可能性他)でリスクアセスメントを行い、カンパニー重要リスクを選定し対策を実施します。さらに、このカンパニー重要リスクを踏まえ、全社的見地から全社重要リスクとして取り上げるべきリスクをG&Gリスクマネジメント委員会で検討、選定し、取締役会で内容を評価、対策進捗のモニタリング、改善を行い、全社的なリスク対策の強化を図っています。

リスクマネジメントの基本的枠組み

G&Gリスクマネジメント委員会、カンパニーおよび事業部の3つのレベルでPDCAサイクルを活用してリスクマネジメントを推進しています。

2019年度 全社重要リスク

  • 自然災害(地震、津波、気象災害など)
  • 品質問題
  • 重大不正
    (カルテル、公務員贈賄、不適正会計)
  • サイバー攻撃
  • 地政学的リスク等の戦略的なリスクも考慮

2020年度 全社重要リスク

  • 感染症パンデミック
  • 自然災害(地震・水害)
  • 公務員贈賄
  • 貿易規制・経済制裁
  • 独禁法違反(カルテル等)
  • 品質問題

リスク感性の向上

G&Gリスクマネジメント委員会では、リスクマネジメントの基本的な考え方を周知徹底し実践するため、パナソニックグループの従業員を対象として、リスクマネジメントに関する教育・啓発活動を計画的に推進しています。全従業員に社内広報を通じてG&Gリスクマネジメント委員会の内容(選定された全社重要リスクやその対策進捗)を周知するとともに、リスクマネジメント推進担当者に対しては毎年リスクアセスメントの説明会を実施。当社のリスクマネジメントの基本的な考え方である「リスクマネジメント実施要綱」を解説することで、リスクアセスメントの効果的な推進を行うためのスキルアップを図っています。
また、リスク発現時の対応不全によるリスク拡大を防止することを目的に、事業場長を対象とした「リスク発現時の対応指針」を発行し、徹底しています。新任の海外会社社長、海外赴任前の従業員に対しては、リスクマネジメントの基礎、リスク発現時の対応等についての研修を実施し、海外における現場でのリスク対応力を向上させています。
従業員が潜在的なリスクを報告できる仕組みとしては、コンプライアンス違反や各種ハラスメント、調達活動などに関するグローバルホットラインを整備しています。従業員およびお取引先様は、問題と感じた事象をいつでも自主的に通報することができ、通報者のプライバシーも厳守しています。また、毎年実施される全従業員対象のコンプライアンス意識実態調査でも職場に潜在的にあるコンプライアンス関連リスクを自主的に報告できる仕組みを設けています。収集されたリスクは各職場にフィードバックされ、リスク対応を行っています。

BCM・BCPの方針

当社は社会の公器として生産・販売活動を通じて社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与することを経営理念としています。2005年より企業の社会的責務としての事業継続活動の必要性を強く認識し、有事にも商品の供給・サービスの提供を中断しないため、また万が一中断した場合においても早期に再開するためのBCM(事業継続マネジメント)活動を推進しています。特に、災害・事故などが当社のサプライチェーンにおいて発生した場合は、当社グループの生産・販売に影響が及び、これがBtoBビジネスにおいては、さらに納入先の生産・販売に影響することから、サプライチェーンも含めたBCMが重要であると考えています。

主な取り組み

当社はリスクマネジメント規程、全社緊急対策規程に基づき、事業継続方針(BCMに取り組む事業の決定、復旧方針の決定)、有事の対応(初動対応、復旧対応)、防災・減災対応の3点を軸にBCM(事業継続マネジメント)構築ガイドラインを設け、各事業場単位でBCPを策定しています。各事業場単位で上記ガイドラインに基づき、適宜BCP計画の見直しを図り、レジリエンスの強化を図っています。
そのために、世界各地の自然災害リスク(地震・洪水・熱帯性低気圧・津波・自然火災・地滑り・竜巻・火山噴火)についてハザード調査を実施し、各カンパニーと結果を共有し、自社およびサプライチェーンで優先順位をつけた対策を実施しています。また、リアルタイムの災害・事故情報も入手し、従業員の安否確認や顧客企業への供給継続のための迅速な対応に努めています。
特に日本国内では、今後30年以内の発生可能性が高いと言われる首都直下地震、南海トラフ地震に備えるため、カンパニー横断タスクフォースを立ち上げ、政府の新たな被害想定に基づいた耐震対策や防災対策の推進、BCMの見直しを行っています。また、年1回、全社防災訓練を実施し、全社・カンパニー・事業部の各階層における緊急対策本部の立ち上げ、従業員の安否確認、各緊急対策本部間の被害状況の報告連絡といった初動対応能力の維持・向上を図っています。合わせて各事業場でも所在地にある自治体と協力し、適宜防災訓練・避難訓練を実施しております。
調達活動においては、調達部材の重要度や代替可能性を評価の上、代替調達先の確保、緊急時の在庫の積み上げなどの管理を行っています。
なお、火災事故に対しては、火災リスクアセスメント、防火設備および消防用設備、自衛消防隊および消化活動、再発防止、自主点検、防火訓練、啓発、監査などについて定めた「グローバル防火規程」に基づき、事故発生防止と緊急時に備える取り組みを推進しています。

新型コロナウイルスへの対応

当社は自然災害や疫病など事業経営の継続に大きな影響を与える事象に備えて全社緊急対策規程を設けています。本規程に基づき、新型コロナウイルスについてはWHOの緊急事態宣言を受け、1月31日全社緊急対策本部を発足。人事、経営、調達、物流等9チームを本部内に設置し事務局が窓口となり情報の集約を図っています。又、事業を運営している各カンパニーについても対策本部を全社緊急対策本部の設立に合わせて設置し、各カンパニー対策本部の事務局が全社緊急対策本部と連携し対策に当たっています。特に従業員の健康維持と事業の継続の観点から重要事項に関し役員に報告、合わせて全社通達等を通じて、従業員とステークホルダーの方々の健康と安全確保に取り組んでいます。具体的には、社会や行政の要請に基づいたテレワーク等による出社人員の削減、職場の感染防止策の徹底等のガイドラインを策定し、徹底を図っております。
また、影響のある購入先様、品目を徹底的に調査して課題を洗い出し、代替購入先、代替拠点の確保に取り組みました。合わせて、下請け購入先様の支援も視野に入れ、従来以上に情報連携を強化しました。現在では、ほぼ供給の継続が実現出来ています。