トップメッセージ 社会の公器として

写真:パナソニック株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 CEO 津賀 一宏(つがかずひろ)

当社は、創業以来、「企業は社会の公器である」という考え方を基本として経営にあたってきました。これは、社会から預かったあらゆる経営資源を元に、事業活動を通じて社会の要請に応え、社会の課題解決や発展に貢献することで、持続的な成長を遂げるというものです。創業時、日本は、社会全体が貧しく、モノが不足している時代でした。当社は、くらしをより豊かなものにしたいという社会のニーズに応え、家電を中心とした良質な商品をリーズナブルな価格で大量供給することにより、発展してきました。

創業から100年を経て、人々のくらしが大きく変化した今、当社はグローバルでどのような社会の要請に応えていくのか。確かに、モノという観点では社会は豊かになってきたかもしれません。しかし、私は、豊かさを追求したことの代償として、さまざまな「ひずみ」も多く生じているのではないかと考えています。人という観点では、個々人の健康への不安、少子高齢化、子育て世代の悩みなど、人の心や体が健全になったとは必ずしも言いきれません。また社会全体に目を向けると、環境・エネルギーや都市集中の問題等、豊かになる過程で犠牲にしてきたことも多いと感じています。これを修正し、健全・最適な状態にしていくことが、今、改めて求められているのではないかと考えています。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、我々は「デジタル技術の進化がリアルな社会を変える」ことを実体験しました。デジタル技術をはじめ最先端の技術を駆使し、過去100年にわたりお客様に寄り添ってきた強み、また外部のパートナーの力を活かしながら、これまで解決できなかった社会のさまざまな「ひずみ」の解消により大きな貢献を果たす。これこそがこれからのパナソニックが果たすべき役割だと思います。そして、これは国際社会が目指すSDGs(持続可能な開発目標)の達成、サスティナブルな社会の実現に貢献していくことに他なりません。こうした社会からの要請にしっかりと応えていくために、地球環境への貢献や人材育成、人権の尊重、公正な事業活動の推進、コーポレート・ガバナンスの強化など、ESGの取り組みについても継続的に注力してまいります。

これはパナソニックの目指す「A Better Life, A Better World」の実現に向けた取り組みであり、「社会の公器」という我々の経営理念の実践そのものであると考えています。こうした活動を積み重ねることで、パナソニックという会社を「ブランド」として輝かせ、持続的な成長、中長期的な企業価値の向上を目指していきます。引き続き、パナソニックの挑戦をご支援いただきますよう、お願いいたします。