マネジメントシステム

当社では、創業者が掲げた「お客様第一を基本に製品やサービスを通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、社会の将来動向も踏まえて、「品質向上」と「製品安全の確保」に関わる各種の制度や仕組みを常に改善しながら、モノづくりを行っています。
品質向上については、チーフ・クオリティ・オフィサー(CQO)を責任者として、品質に関わる基本方針である「品質基本規程」を定め、パナソニックの品質マネジメントシステムの運用を通じて、お客様第一の視点に立った継続的な品質改善に取り組んでいます。2016年10月には、医療機器の製造販売に関わる業務をより適切かつ円滑に推進するため、医療機器製造販売業業務基準を制定いたしました。
製品安全の確保については、FF式石油暖房機事故を痛恨の教訓とし、製品安全を経営の最優先事項として取り組んでいます。さらに、製品安全レベルを向上させるために、全社横断の総合製品安全委員会を中心に、事業や製品の変化に応じた製品安全の確保に努めています。

方針

当社では、全社品質方針を「常にお客様および社会の要望に合致し、満足していただける製品およびサービスの提供を通じ、真にお客様に奉仕する」と定めています。

加えて、製品安全については、自主行動計画に係る基本方針(2007年6月27日開催の松下電器産業株式会社(当時)取締役会において決議)を定め、「お客様第一」と「スーパー正直」に徹して、製品安全の確保に積極的に取り組んでおります。

さらにパナソニック行動基準の「商品の安全」セクションでも、安全の確保に努めることを定めています。

規程

品質マネジメントシステム

当社では、カンパニー/事業場自己完結型の品質保証プロセスを確立するために、2004年に発行した「品質マネジメントシステム(P-QMS)構築ガイドライン」に則り、カンパニー/事業場が品質マネジメントシステムを構築しています。
P-QMSは、ISO9001の要求事項に当社独自の品質保証の手法やノウハウを加えた、当社が求める品質レベルの実現をめざした品質マネジメントシステムです。
このP-QMSの推進をベースに、継続的な品質改善に取り組んでいます。
2014年度には、車載部品事業を対象にした「車載品質マネジメントシステム構築ガイドライン」を策定し、適用を開始しました。
さらに2016年度には、P-QMS構築ガイドラインにISO9001の2015年改定内容を盛り込むとともに、全社共通部分と事業分野に特化した部分に分け、家電・車載・住宅・デバイスのセクター規格を策定するなど、当社の各事業分野に合致した進化を図っています。

教育

パナソニックの品質の考え方を徹底するために、「パナソニックの品質を学ぶ」をコンセプトにカンパニー/事業場の品質責任者に対して研修を開催しています。また、現場の品質力強化を目的にQCサークル世界大会を開催しており、2016年度の第54回大会には、パナソニックグループの総数5008のQCサークルから予選を勝ち抜いた28サークルが出場し、グランプリを決定しました。

写真:QCサークル世界大会の様子

QCサークル世界大会の様子

製品安全を最優先とするモノづくりを定着させるために、製品安全エキスパートを育成する製品安全技術者育成講座を開講しました。また、製品安全最優先の企業風土を全従業員に広げるために、eラーニング「製品安全の基礎」などの自主学習や社内外の事例を通じて製品安全について考える「製品安全フォーラム」の開催など、製品安全教育にも取り組んでいます。さらに現場・現物に即した教訓の伝承と製品安全技術の学習を目的に、大阪府枚方市の人材開発カンパニー内に「製品安全学習室」を設置し、FF式石油暖房機事故をはじめとする過去のリコール製品の現物、原因・対策や、重要な不安全事象(トラッキング、強度劣化など)の防止策を学ぶことができるようにしています。
2016年度の利用者数は、7,073名(前年度比110%)で、新入社員から幹部社員まで、お客様の立場にたって事故を学ぶことで二度と事故を起こさない決意を新たにします。

写真:製品安全学習室

製品安全学習室

責任者・体制

当社のチーフ・クオリティ・オフィサー(CQO)は、専務執行役員の 宮部 義幸です。(2017年8月現在)
そして、本社直轄部門のガバナンス/支援のもとに、各カンパニー/事業場が自主責任・自己完結型で事業推進していく体制を築いています。

品質管理体制

品質管理体制

また2014年9月より、北米、中南米、欧州・CIS、東南アジア・大洋州、インド・南アジア・中東亜、中国・北東アジアの6地域に、それぞれ地域品質責任者を設置しました。
地域の品質状況を監視し、製品安全に関わる不具合情報や、各地域の安全規格や安全認証等に係わる情報を、速やかに事業部門と共有することで、事業部門の体制を補強しています。

委員会・組織

品質責任者会議の活動

全社の品質改善取組みや品質状況は、各カンパニーCQOならびに職能関係者が参加する「CQO会議」で検討・総括しています。会議では中長期視点での当社品質のあるべき姿の議論などを通して、全社の品質基盤をより強固なものにするための方針や方策を決定しています。
また、より具体的な品質施策協議の場として、各カンパニーの品質統括部門の責任者が参加する「品質委員会」を定期的に開催し、社内での連携を強化しながら品質改善活動を推進しています。2015年度からは世界各地域の品質責任者も参加する「グローバル品質責任者会議」を開催し、各カンパニーと地域の年度方針や課題を共有し、品質改善活動を促進する場を設けています。

総合製品安全委員会の活動

製品安全を最優先とするモノづくりのために、2012年に全社の総合製品安全委員会を再編し、傘下に「安全技術部会」と「安全規格部会」を設けました。これら部会を通じて、2005年のFF式石油暖房機事故の反省から取り組んできた安全技術の開発と製品安全規格の整備活動をより一層恒常的なものにしています。
また、当委員会では、多種多様なロボティクス製品の拡大、高齢者の製品安全事故の増加などを受け、当社が新たに取り組むべき施策についても検討を行っています。

安全技術部会の活動

安全技術部会では、設計時の想定を超えてお客様が長期にご使用になる場合を考慮して、製品に使用される材料などの耐久性を把握するための加速劣化試験など科学的な評価手法を開発してデータを蓄積し、データベース化しています。2016年度は、事後対応から予防活動へと製品安全活動をシフトし、製品設計段階で高齢者への配慮を反映させるなど、将来のパナソニックの事業を見据えたテーマ計画策定を行いました。

安全規格部会の活動

公的安全規格の順守はもちろんのこととして、より安全性を高めるため、製品開発において守るべき設計規則を「パナソニック安全規格(PCSS)」として制定しています。
安全規格部会では、安全技術部会の活動から得られた知見をPCSSに反映し、長期使用や難燃化対策、落下防止といった重要安全事項の規格を強化しています。2016年度はリチウムイオン電池の発火事故防止を最優先課題とし、リチウムイオン電池を使用する応用商品で守るべき規格を定めました。
また、事業領域の拡大で発生が見込まれるリスクを未然に防ぐため、例えば、エネルギーマネジメントシステムなどを対象とした「パナソニックシステム安全規格(Panasonic System Safety Standards、略称PSSS)」や、人共存ロボットの安全性を確保するための、「パナソニック人共存ロボット安全規格(Panasonic Personal-care Robot Safety Standards,略称PRSS)」を制定するなど、製品安全に関する規格の拡充にも取り組んでいます。

国際安全規格の認証取得事例

《生活支援ロボット「リショーネPLUS」がISO13482※1認証を取得》
2017年1月

2014年2月に国際安全規格ISO13482を世界で初めて取得したリショーネ(ベッドと車椅子を合わせた機能を持つロボット介護機器)に続き、リショーネの利便性、安全性、デザイン性を向上させた「リショーネPLUS」も、2017年にISO13482に基づく認証を取得しました。

《自動車機能安全規格ISO26262※2認証を取得》
2012年2月

当社は、自動車向け機能安全※3規格ISO26262のプロセス認証を、第三者機関であるドイツTÜV SUD(テュフ・ズード)より取得し、車載機器、デバイスのソフトウェア開発プロセスにおいて、本規格の最高安全水準であるASIL-Dまで対応可能と認められました。

※1: 国際標準化機構(ISO)から発行されたパーソナルケアロボット(生活支援ロボット)の安全性に関する国際規格。physical assistant robot、 mobile servant robot、 person carrier robotの3タイプのロボットを対象としたもの。
※2: 2011年11月15日に発行された自動車向け機能安全の国際規格。この規格では安全度水準 (ASIL; Automotive Safety Integrity Level) が4段階 (ASIL A~ ASIL D) に定められています。
※3:マイコンなどの電気・電子的な装置の働き(機能)により実現されている安全性のこと。例えば、故障の検出や、安全な停止制御、ユーザーへの警告などが機能になります。