責任ある鉱物調達における基本的な考え方

当社は2012年に紛争鉱物に対する基本的な考え方を設定しましたが、昨今の責任ある鉱物調達に対する社会動向を踏まえ、2018年4月に見直しを行いました。

当社は、紛争地域および高リスク地域(以下、対象地域)で、児童労働などの人権侵害、劣悪な労働環境、環境破壊、汚職などのあらゆるリスクや不正に関わる組織の資金源となる恐れのある錫、タンタル、タングステン、金、コバルトなどの鉱物問題を重大な社会課題として懸念しています。
そして、調達活動における社会的責任を果たすため、サプライチェーン全体で責任ある鉱物調達を推進します。

対象地域には、合法的に事業活動を行っている企業や人々もいます。問題のある鉱物不使用の取り組みにより、そのような人々の事業活動やくらしを阻害することのないよう、十分な注意を払いながら取り組んでいかなければなりません。
そのためには対象地域で健全な鉱物サプライチェーンの構築に取り組んでいる国々や企業、NPOを含めさまざまなステークホルダーと連携して取り組む必要があります。

当社は、経済協力開発機構(OECD)の「デュー・ディリジェンス・ガイダンス」に沿った取り組みを行い、グローバルスタンダードに即したマネジメントプロセスを構築し、継続した取り組みを実施します。

責任ある鉱物調達を推進するためには、鉱山等の川上企業、製錬/精錬企業のクリーン認証、川下企業間での製錬/精錬所情報の伝達など、サプライチェーン全体にわたるデュー・ディリジェンスの取り組みが必要となります。
関連する全ての購入先様に、サプライチェーンを通じて製錬/精錬所に関する情報提供をお願いするとともに、問題のない製錬/精錬所からの調達を目指します。

今後とも当社の果たすべき役割について検討しながら、責任ある鉱物調達に向けた国際的な取り組みへの貢献を目指していきます。

責任ある鉱物調達体制

チーフ・プロキュアメント・オフィサー(CPO)を最高責任者とし、全社体制を構築して取り組んでいます。各カンパニーと連携しながら、それぞれの事業特性に応じた体制構築と調査実施に取り組んでいます。

デュー・ディリジェンスの取り組み

購入先様に当社方針をお伝えし購入先様にご協力をいただきながら、社会的責任を果たすため、サプライチェーン全体で責任ある鉱物調達を推進します。
責任ある紛争鉱物調査は、製錬/精錬所に至る全ての購入先様のご協力が必要なことから、購入先様の対応負荷低減と調査効率向上のため、共通の調査ツールや説明資料を使用することが効果的です。このことから当社では、調査ツールとして「責任ある鉱物イニシアティブ(RMI)」の発行する「コンフリクト・ミネラル・レポーティング・テンプレート(CMRT)」および「コバルト・レポーティング・テンプレート(CRT)」を使用しています。また、JEITA「責任ある鉱物調達検討会」で実施する調査説明会に説明員として参加し、自動車メーカー・自動車部品工業会と共通の調査実施マニュアル・手引きを積極的に活用しています。

紛争鉱物の調査

2018年度は、パナソニックグループ全体で約2,300の購入先様に対し紛争鉱物調査を実施し、97%を回収しました(2019年2月末時点)。回収した調査票(CMRT)に基づき、リスク分析と評価を実施しリスクに応じて購入先様へ更なる調査をお願いしました。
パナソニックグループで特定した製錬/精錬所は、全鉱物で322社でした。そのうちConformant Smelter(RMIの監査に合格している製錬/精錬所)は全体の80%でした。
「対象国を原産地としている」との回答をいただいた金属について、現時点、直接・間接に武装勢力の資金源となっている鉱物は確認されていませんが、引き続き製錬/精錬所情報の精査、特定を続けてまいります。
また、業界活動などを通じて、製錬/精錬所にRMAP(Responsible Minerals Assurance Process) への参加を働きかけるとともに、購入先様に、引き続きデュー・ディリジェンスに取り組んでいただき、万一、紛争に加担する鉱物が見つかった場合には、調達先の変更など不使用化に向けた取り組みを行っていただくことをお願いしています。

コバルトの調査

責任ある鉱物調達の推進の一環として、経済協力開発機構(OECD)の「デュー・ディリジェンス・ガイダンス」に沿った取り組みを行い、グローバルスタンダードに即したマネジメントプロセスを構築しています。具体的にはコバルトのサプライチェーン調査を実施し、製錬/精錬所の特定・精査を行うなど、継続した取り組みを実施しています。
引き続き、業界動向を確認しながら、適切なコバルトの調査・調達を実践してまいります。

「責任ある鉱物調達のためのデュー・ディリジェンス実施」フォーラム参加

当社では2011年より、「OECD紛争鉱物デュー・ディリジェンス・ガイダンス」実施プロジェクト(現、「責任ある鉱物サプライチェーン・フォーラム」)に参加しています。2013年11月のフォーラムでは、ルワンダで責任ある鉱物調達に取り組む鉱山、取引所、鉱石のトレーサビリティシステム、鉱物の組成および年代分析により鉱山を特定する取り組みなどを確認し、コンフリクトフリーの鉱物調達に向けた努力が行われていることを理解しました。2016年、2017年とパリで開催されたフォーラムに出席し、紛争鉱物問題への効果的なアプローチについて、関係者との意見交換を重ねました。

業界連携の取り組み

責任ある鉱物調査ではサプライチェーン上のすべての購入先様のご協力が不可欠です。このことから当社では、電子情報技術産業協会(JEITA)「責任ある鉱物調達検討会」の共同主査、および、共同リーダーとして、業界連携によるサプライチェーンへの啓発活動や調査効率の向上に取り組んでいます。
具体的には、国内外の業界団体と連携し、責任ある鉱物に対する正しい取り組みを促進するためのセミナー開催や調査説明会の実施、製錬/精錬所情報の精査、米国の紛争鉱物に関するデータ転送規格IPC-1755策定への参画などに取り組んできました。「責任ある鉱物調達検討会」は2013年11月に、日本の自動車メーカーと「コンフリクト・フリー・ソーシング・ワーキンググループ」を発足させ、製錬業界との対話や製錬/精錬所情報精査の取り組みを加速させました。当社はこの活動にも参画しています。
2016年1月よりまだRMAPに参加されていない製錬/精錬所に対しJEITA「責任ある鉱物調達検討会」加盟企業とともに、監査認証を取得いただくよう働きかけを行っています。2018年も働きかけを継続しています。
また業界の最新動向を入手し、適切な活動を推進することを目的として、2017年7月より「責任ある鉱物イニシアティブ(RMI)」へ加盟し、2018年には米国で開催されたRMIのAnnual Conferenceにも出席しました。
引き続き、業界動向を確認しながら、責任ある鉱物調査を実践してまいります。

対象諸国の持続可能な発展への支援

当該地域に関する支援を企業市民活動として取り組みました。