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いきいきライフデザインマガジン

第10回:実践編 歯と口の健康を守るセルフケア 第10回:実践編 歯と口の健康を守るセルフケア
写真:水口俊介先生(みなくちしゅんすけ)肖像 写真:水口俊介先生(みなくちしゅんすけ)肖像

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野教授
NPO法人日本咀嚼学会理事長

水口俊介先生(みなくちしゅんすけ)

歯と口の健康を守ることは健康長寿を支える大切なポイントですが、正しいケアの方法については、あまり知られていません。
歯科医師、歯学者であり、NPO法人日本咀嚼学会の理事長を務めておられる水口俊介先生に、高齢期の歯と口の健康を守るためのセルフケアのポイントをお聞きしました。

写真:三浦悠(歯科衛生士)、水口俊介先生、細川慎(パナソニック(株)アプライアンス社ビューティ・リビング事業部)、森恭平(パナソニック(株)アプライアンス社デザインセンター)

左から
三浦悠(歯科衛生士)
水口俊介先生
細川慎(パナソニック(株)アプライアンス社ビューティ・リビング事業部)
森恭平(パナソニック(株)アプライアンス社デザインセンター)

大人はプラークがたまりやすい! 大人はプラークがたまりやすい!

セルフケアの基本はプラーク(歯垢)をためないことです。
本来、唾液には雑菌を洗い流す役割がありますが、加齢とともに唾液の量は減少するので、口の中の自浄作用が落ちてきます。また、歯ぐきも下がってくるので、歯と歯ぐきの間にすきまができ、そこにプラークがたまりやすい。中高年の方は、若いとき以上にしっかりとプラークを除去して、口の中を清潔に保つという意識を持つことが大切です。「歯医者に行けばなんとかしてくれる」と思っている方もおられるかもしれませんが、歯科医でいくら治療をしても、歯みがきなどのセルフケアをしなければすぐに元に戻ってしまいます。口の中のケアは毎日自分で行うものだという意識を持ってください。

夜の歯みがきは30分を目安に 夜の歯みがきは30分を目安に

歯みがきで大切なのは、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットに潜むプラークをしっかり除去することです。歯と歯ぐきの間に45度の角度で歯ブラシを当て、1箇所(1~2本)につき20回ずつ小刻みに動かしてください。とくに奥歯や歯並びに凸凹がある箇所はプラークがたまりやすいので、いろいろな角度から歯ブラシを当てる必要があります。小回りが利く小さなヘッドと細いネックの歯ブラシがお薦めです。
歯みがきの目安は30分。「長い!」と驚かれる方も多いと思いますが、一本一本をまんべんなく、きちんとした角度でみがくと大体それくらいかかるのです。歯みがき粉にはプラークを浮かせるなどさまざまな機能がありますが、歯みがき粉をつけてみがくと、長い間みがくのが難しいかもしれません。歯ブラシだけでもいいので、1日1回は必ず一本一本時間をかけて丁寧にみがいてください。テレビを見ながら、新聞を読みながらでもかまいません。みがく順番を決めて、みがき残しがないように、しっかりとみがいてください。
ブラッシングが終わったら、次は歯と歯のすきまのクリーニングです。すきまがあまりない方はデンタルフロス、すきまが見える人は歯間ブラシを使って、プラークを徹底的に除去します。しっかりとみがけているかどうかは、定期的に歯科医で診てもらい、必要があれば歯石を削ってもらいましょう。定期的に歯科衛生士から正しいみがき方の指導を受けることも大切です。
介護が必要な方は介護士さんに歯みがきをしてもらっていると思います。歯みがきで誤嚥性(ごえんせい)肺炎を防ぐことはできると思いますが、むし歯を防ぐのは難しい。“健康寿命を支える歯と口の健康“編で述べましたように、高齢者は歯ぐきが下がるためにエナメル質で覆われていない歯の根元の象牙質が露出していて、そこがむし歯になりやすいからです。介護専門職の方には、象牙質を強化するために、ぜひフッ素含有率の高い歯みがき粉を使用していただきたいと思います。

写真:歯みがきの重要性について語る水口先生 写真:歯みがきの重要性について語る水口先生

電装歯ブラシやジェットウォッシャーで歯周ポケットをケア 電装歯ブラシやジェットウォッシャーで歯周ポケットをケア

水口俊介先生に、微細で高速な音波振動により歯周ポケットをケアする音波振動ハブラシ「ドルツ」と、超音波水流で歯の表面の汚れまで強力除去する口腔洗浄器「ジェットウォッシャー ドルツ」をご覧いただきました。

写真:音波振動ハブラシ「ドルツ」
写真: 「ジェットウォッシャー ドルツ」
水口先生 水口先生

この電動歯ブラシはすごく軽いですね!ヘッドが小さくて軸が細いから、みがきにくい奥歯などにも小回りが利いて使いやすいです。

細川 慎(パナソニック株式会社 アプライアンス社 ビューティ・リビング事業部) 細川 慎(パナソニック株式会社 アプライアンス社 ビューティ・リビング事業部)

重いと電動歯ブラシを使うのがおっくうになってしまいますので、手軽に使っていただくために、軽さは重要な要素だと考えました。

水口先生 水口先生

音波振動にはどんな効果があるのですか?

細川 慎 細川 慎

歯周ポケットにブラシを当てるだけで歯周病の原因菌をかきだします。ヘッドが1.1㎜しか動かないので、歯ぐきへの負担が少ないのが特長です。

水口先生 水口先生

歯ぐきに当てるだけでプラークをかきだしてくれるのはいいですね。手みがきでかきだそうとすると、チクチクしてかなり痛いですから。

三浦 悠(歯科衛生士) 三浦 悠(歯科衛生士)

プラークをきちんとかきださないと、歯石になって、歯周ポケットがますます深くなっていくので、しっかりみがいていただきたいところですが、デリケートな部分なので、きちんと取り除くのはなかなか難しいですよね。歯と歯の小さなすきまにたまった汚れも落ちにくいので、歯ブラシをいろいろな角度から小刻みに動かさないと。

細川 慎 細川 慎

新しい機種では、歯周ポケットをケアするための横みがきと、歯間の汚れをかきだすために叩くような振動のWクリーンモードを搭載し、みがき感もアップしています。

写真:音波振動ハブラシ「ドルツ」について説明する三浦
水口先生 水口先生

デザインもいいですね。充電器に入れたときに本体が宙に浮いていますが、どうやって充電する仕組みになっているのですか?

森 恭平:(パナソニック株式会社 アプライアンス社 デザインセンター) 森 恭平:(パナソニック株式会社 アプライアンス社 デザインセンター)

無接触で充電できるように、上部にコイルを入れています。清潔さを保つために、水切りをよくして、さっと拭けばキレイになるようにデザインしました。LEDの表示部分も溝をなくし、汚れがたまらない仕上げにしています。

水口先生 水口先生

なるほど、洗面所に置いて快適に使えるように、細部までデザインされているわけですね。素晴らしい。もっと宣伝した方がいいのではないですか?

写真:音波振動ハブラシ「ドルツ」について説明する細川
写真:音波振動ハブラシ「ドルツ」
細川 慎 細川 慎

防水なので浴室でもご使用いただけます。1メートルの深さの水中に落としても30分間は浸水しません。

水口先生 水口先生

それはすごい!湯船に浸かってみがけるのは便利ですね。ところで、「ジェットウォッシャー ドルツ」はどの過程で使うのですか?

細川 慎 細川 慎

まず歯ブラシでみがく前に食べかすを流していただき、次は歯ブラシとデンタルフロスのあとに使って、遊離したプラークを洗い流していただくのが理想です。

水口先生 水口先生

プラークになって粘着性が出る前に食べかすを流し、さらに歯みがきの遊離したプラークを洗い流すわけですね。水圧はかなり強いのですか?

細川 慎 細川 慎

10段階に調整できます。歯ぐきが弱っている方は一番弱いモードでご使用いただき、慣れてきたらだんだん強くしていただければと。

写真: 「ジェットウォッシャー ドルツ」について説明する森
写真: 「ジェットウォッシャー ドルツ」
水口先生 水口先生

デザインもすっきりしてますよね。

森 恭平 森 恭平

ハンドル部分を楽に取り外せて、かつ、汚れがたまる凸凹がないように、マグネット式になっています。また、コードの出し入れも楽にできるよう、らせん状に加工されています。

水口先生 水口先生

あとは水を入れるタンクが洗いやすいといいのですが。

細川 慎 細川 慎

耐熱性があるので、タンクの部分を取り外して食洗機で洗っていただけます。

写真:「ジェットウォッシャー ドルツ」を使用する水口先生 写真:「ジェットウォッシャー ドルツ」を使用する水口先生
水口先生 水口先生

あ、それならOKです。水回りは汚れやすいから、食洗機で洗えるのはいいですね。水流で食べかすや遊離したプラークを洗い流すのは、歯に欠損があって手みがきでしっかりみがくのが難しい高齢の方にはすごくいいと思います。
とにかく歯みがきができていない方が多いので、しっかりみがいてほしいということを強調するために、私はいつも「30分くらいみがいてください」と言っているのです。歯みがきに自信がない方は、こういう便利な器具を利用して、口の中をキレイにする習慣をつけていただきたいですね。

水口俊介先生(みなくちしゅんすけ)プロフィール
写真:水口俊介先生(みなくちしゅんすけ)肖像 写真:水口俊介先生(みなくちしゅんすけ)肖像

1983年東京医科歯科大学卒業、1987年同大学大学院歯学研究科修了。同大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野助教授を経て2008年 同大学大学院医歯学総合研究科全部床義歯補綴学分野教授に就任。2013年より同大学院で高齢者歯科学分野教授として教育・研究に携わる。高度な専門技術が要求される全部床義歯において、CAD/CAMなどコンピュータを活用した診療支援システムを研究・開発するとともに、歯学部附属病院の義歯外来において診察も行っている。

編集後記 編集後記

人物イラスト:中尾洋子 パナソニック(株) デザイン戦略室 課長 / 全社UD担当

中尾洋子 パナソニック(株) デザイン戦略室 課長 / 全社UD担当

「歯みがきに30分」と聞くと長くてびっくりしてしまいますが、歯と歯ぐきの間の歯垢を取るために1本1本丁寧にみがいた時の目安だそうです。中年以降はだんだん歯ぐきが下がってきて歯垢がたまりやすくなるので、若い時以上にしっかりみがかないといけないのですね。ご紹介した商品の他にも、最近は色々なオーラルケア商品が出ていますので、歯やお口の状態に合ったものでお手入れして頂けたらと思います。