Universal Design ユニバーサルデザインを通じて、より多くの人が生き生きと暮らせる生活の実現を目指すパナソニック。 「いきいきライフデザインマガジン」では、様々な専門家から人生をさらに豊かにするヒントをお届けしてまいります。

いきいきライフデザインマガジン

第12回(後編):ペットと楽しく暮らすための、住環境のポイント 第12回(後編):ペットと楽しく暮らすための、住環境のポイント

犬山動物総合医療センター代表

太田亟慈(おおたじょうじ)先生

ご高齢の方がペットと暮らす上でどんなことに気をつけたらいいのか、また人にもペットにも快適な住環境の工夫について、全国の獣医師団体「Team HOPE」および犬山動物総合医療センター代表の太田亟慈先生にパナソニック(株)デザイン戦略室の中尾洋子がおうかがいしました。

写真:太田亟慈(おおたじょうじ)先生肖像 写真:太田亟慈(おおたじょうじ)先生肖像

まずは空気清浄機で室内を除菌 まずは空気清浄機で室内を除菌

(左)太田亟慈(おおたじょうじ)先生、(右)パナソニック(株) デザイン戦略室 中尾洋子
中尾 中尾

当社もペットのリフォームを色々とご提案していますが、ご高齢の方がペットと暮らすにあたって、住環境にはどんな工夫が必要でしょうか。

太田先生 太田先生

もともと動物アレルギーというものはあまりないのですが、毛に付いたホコリや汚れが原因となってアレルギーを起こすのです。ペットをさわるとアレルギーになるという方でも、朝晩、固く絞ったタオルでペットを拭いてあげるようにすると、アレルギーが治る場合がかなりありますよ。さらに空気清浄機は絶対に必要ですね。ペットの毛は菌やダニが繁殖しやすいので、除菌やウイルス対策が大切です。

中尾 中尾

ペットが室内にいるとニオイも気になります。空気清浄機で香りを付加するものがありますが、ペットにはどうなのですか。

太田先生 太田先生

ペットは嗅覚が敏感なので、香りは嫌がりますね。鼻をくしゅんくしゅんとやりますよ。私の病院でも一時期アロマディフューザーを使ってみたのですが、精油の香りと動物のニオイが混じってしまうので、あまりよくないですね。

中尾 中尾

では、ニオイ自体も消せるような空気清浄機や脱臭機がいいのですね。

太田先生 太田先生

そうですね。
逆に、テーブルの脚など、犬にかじられたくないところには、イヤがるニオイをつけるといいですよ。

写真:空間除菌脱臭機「ジアイーノ」

次亜塩素酸の力でスピード脱臭、
発生し続けるニオイにも高い効果を発揮する
空間除菌脱臭機「ジアイーノ」

写真:空気清浄機

ナノイーでニオイを脱臭し、ペットの生活ゾーン
である床上30cmをの汚れを効率よく見つけて
吸引する空気清浄機

抜け毛はロボット掃除機でササっと掃除 抜け毛はロボット掃除機でササっと掃除

写真:リビングでくつろくミニチュアダックスフンド
太田先生 太田先生

抜け毛対策も大事ですね。毎日たくさん抜けるので、効率よく掃除しないと、とくに体力が落ちていくご高齢の方は疲れてしまいます。

中尾 中尾

うちはミニチュアダックスフンドと暮らしていて、抜け毛についてはそれほど気にしていませんでしたが、ロボット掃除機を使うようになったら、毎日ものすごい量の毛がとれるのでびっくりしました。

太田先生 太田先生

ロングヘアですか?

中尾 中尾

そうです。

太田先生 太田先生

短毛種はもっと抜けますよ。プードルはあまり抜けませんが、ほとんどの犬や猫はだいたい思っている以上に抜けています。私の自宅でもロボット掃除機を使っていますが、古い機種だからか、音が大きいのですよ。犬や猫は耳がいいから、大きな音をいやがりますね。そろそろ音の静かな機種に買い換えないと。

中尾 中尾

ロボット掃除機は散歩中に使用されるといいですよ。

太田先生 太田先生

なるほど、散歩に出ているときに使えばいいのですね。
あとはソファなどについた抜け毛が気になるときに、サッと吸い込めるハンディな掃除機があるといいですね。

中尾 中尾

ソファや柔らかいクッションにも使えるノズル付きのふとん掃除機はいかがですか。ダニや微細なゴミを検知してランプで知らせる赤外線センサーもついています。

太田先生 太田先生

老眼が進むと細かな毛は見落としがちなので、センサー付きはいいですね。

写真:ロボット掃除機「ルーロ」

3種類の障害物検知センサーと
カメラセンサーで賢く丁寧に掃除する
ロボット掃除機「ルーロ」

写真:ふとん掃除機

ハウスダスト発見センサー搭載
「ふとん掃除機」

滑りやすい床は怪我の原因に 滑りやすい床は怪我の原因に

中尾 中尾

床はどうすればいいでしょうか。前にミニチュアダックスフンドの腰が悪くなって獣医さんに診てもらったとき、「フローリングの床は危険だから絨毯を敷いてください」と言われて、絨毯を敷いたのですが、今度はそそうをしたときが大変なのです。

太田先生 太田先生

フローリングが流行るようになってから、膝を痛める事故も増えています。犬はダーッと走って急に方向転換する習性があります。そのときに床が滑ると、膝の靱帯がプチッと切れてしまうのです。ですから、ご家族の方には、すべりにくい加工をした床材をお薦めしています。すべらないけど掃除がしやすいものが理想です。
それから、濡れた床もすべりやすいので気をつけてください。私の犬は2歳のときに濡れた床ですべって膝を痛めてしまいました。

ペットは高温多湿が苦手。熱中症にご用心 ペットは高温多湿が苦手。熱中症にご用心

太田先生 太田先生

蒸し暑い室内や閉め切った車の中でのお留守番で熱中症になって動物病院に運び込まれてくるペットがたくさんいます。

中尾 中尾

そうなんですか?

太田先生 太田先生

種類や個体差によって差がありますが、基本的に、ペットは人間よりも暑さや湿度に弱いので、留守中もエアコンをつけて快適な温度を保ってあげてください。

中尾 中尾

エアコンには、ご高齢の方や小さなお子様のいるご家庭に好評な、室温を測って一定以上の温度になると自動的にスイッチが入る機能がついたものがあります。

太田先生 太田先生

その機能はペットにも大変いいと思います。私の自宅では留守中もずっとエアコンをつけていますよ。冬は猫のために床暖房もつけっぱなしです。

中尾 中尾

ホームネットワークシステムを活用して、ペットの様子をスマホで見て、温度管理をしたり、外出先からペットに声がけもできたりする「遠隔留守番ケア」というのもあります。

太田先生 太田先生

外出先からも温度管理ができるのはいいですね。理想を言うなら、ペットの心拍数や体温などがわかると万全です。

ペットの健康を守るために日頃からチェック ペットの健康を守るために日頃からチェック

写真:健康診断を受けている猫
中尾 中尾

ペットの健康を家庭でもチェックできるポイントがあればぜひ教えてください。

太田先生 太田先生

動物たちは言葉が話せないので、体調が悪くてもそれを伝えることができません。全国の獣医師からなる「Team HOPE(チームホープ)」では、ペットの不調や不具合をご家族がいち早く発見できるように「ウェルネスチェックシート」をつくりました。あてはまる項目がひとつでもあれば、早めに動物病院に連れていってあげてください。人間と同じで、動物も早く病気が見つかれば、重症になる前に対処でき、早く治ります。

中尾 中尾

認知症の兆候もチェックできますか?

太田先生 太田先生

老化に伴って脳が萎縮してくると、耳が遠くなって呼んでも聞こえなかったり、夜鳴きをしたり、徘徊したりという症状が出てきます。認知症の予防はできませんが、とてもよく効くサプリメントがあるので、先ほどお話したような症状が出てきたら、動物病院で診てもらってください。前編でもお話ししましたが、高齢のペットとつきあうノウハウは十分に確立されています。ペットも人も長生きして最期まで楽しく暮らせるように、快適な環境をつくって、ちょっとした変化に日頃から気をつけてあげましょう。

ペットの不調や不具合をご家族がいち早く発見するための「ウェルネスチェックシート」:下記のあてはまる項目をチェックしてみてください。「生活全般について」元気がない、息切れがあるなど、疲れやすい、歩き方や行動に変化がある、睡眠に変化がある、体重に変化がある「食事」食事量や飲水量に変化がある 「排泄」排泄物の色や臭い、量、固さや、排泄の回数などに変化がある「体や部位」毛づやに変化や、脱毛がある、体をかゆがったり、皮膚に異常がある、目に濁りや充血などの異常がある、くしゃみや咳、鼻水や鼻血が出る、口臭がある、よだれが出る、歯が汚れている、歯石がある、耳の中が汚れている
太田亟慈(おおたじょうじ)先生プロフィール

1954年生まれ、名古屋市出身。獣医学博士(Ph.D)
1977年北里大学畜産学部獣医学科卒業、犬山動物病院入社。1998年犬山動物総合医療センター院長、2009年より北京農学院動物科学技術部臨床獣医学客員教授に就任。2014年から同センター代表に。2016年より全国の獣医師が協力してペットの未来を考える「Team HOPE」を起ち上げ、ペットの予防医療に取り組む。自身も自宅で2頭、病院で1頭の犬を飼う。

写真:太田亟慈(おおたじょうじ)先生肖像 写真:太田亟慈(おおたじょうじ)先生肖像

編集後記 編集後記

中尾洋子 パナソニック(株) デザイン戦略室 課長 / 全社UD担当

ロボット掃除機はペットを飼っているご家庭に良いのでは?と思っていましたが、他にも色々な普通の家電も役に立つことが分かって良かったです。また、ペットの毛は菌やダニが繁殖しやすいので除菌やウィルス対策が大事とお聞きして、マメに空気清浄機をつけてソファや座布団にも掃除機をかけるようになり気持ちもスッキリしています。皆さんも家電を上手く使って、快適なペットライフをお過ごし下さい。

人物イラスト:中尾洋子 パナソニック(株) デザイン戦略室 課長 / 全社UD担当