iPS細胞の研究現場に、働き方改革を。

パナソニック iPS細胞自動培養ソリューション

パナソニック iPS細胞自動培養ソリューション

BACKGROUND

最先端の研究を支えていたのは
手作業だった

人体のあらゆる臓器や組織の細胞に変化することで、世界的に注目されているiPS細胞。再生医療や創薬など、生命科学の未来を切り拓く期待の研究分野ですが、一方で課題もありました。iPS細胞を実験に利用できるまで培養する約1~2カ月の間、研究者は絶えず細胞を見守り続けなければならないのです。培養液を交換し、成長の状態を確認するといった日々の作業は平日休日を問いません。しかも、培養技術の習熟には時間がかかり、各人の技術の差が細胞の品質に大きく影響してしまうことも。研究の発展には高品質な細胞の安定供給が不可欠ですが、研究者の手作業のみに頼って対応を続けていくことは困難な状況でした。

大学学部教員の活動別年間平均職務時間割合

研究に充てられる時間は減少傾向にある
(文部科学省 科学技術・学術政策研究所 2011年『減少する大学教員の研究時間 ー「大学等におけるフルタイム換算データに関する調査」による2002年と2008年の比較ー』より)

iPS細胞自動培養装置外観

実験室に置きやすいコンパクトサイズ。クリーンベンチ(無菌操作台)との置き換えも可能

SOLUTION

細胞を育てる一連の工程を
すべて自動化

パナソニックが京都大学と共同開発した「iPS細胞自動培養装置」は、育成に伴う日々の作業から最適なタイミングでの継代(細胞の株分け)までの工程すべてを自動化。これまでの手作業では万全ではなかった雑菌や酵母の混入もシャットアウトし、熟練研究者並みの「未分化率(培養成功率)96%」を達成。高品質かつ安定的な細胞の供給を可能にしました。実現にあたっては、彼らの作業を徹底的に解析。デジカメやビデオカメラといった分野で長年鍛えられた独自の「画像解析技術」と、産業用ロボット等の分野で培われた「ロボティクス技術」を駆使し、細胞の良否や継代タイミングを適切に判定する「眼」と、小さく繊細な生物を扱うがゆえの細やかな「腕」の双方を忠実に再現。研究者たちを驚かせました。

※国立研究開発法人科学技術振興機構の「COI(革新的イノベーション創出)プログラム」の支援として

iPS細胞自動培養装置の作業

細胞を安定供給でき、研究効率が向上

PROSPECT

人々の健やかなくらしに
貢献できる技術へ

この装置によって研究者の負担が軽減されることで、本来の研究に集中することや、例えば連休を取ることも可能になり、彼らのワークライフバランスとアウトプットの向上が期待されます。また、将来のiPS細胞量産化に向けて大学のほか、製薬会社などへの導入も見込まれます。「人生100年時代」を迎え、健康寿命を延ばすことがこれからの医療の大きなテーマ。これまで治療が難しいとされてきた病気やケガにiPS細胞が活かされる、そんな社会を支えるために。パナソニックはこれからも、さまざまな技術で医科学の発展と人々の健やかなくらしに寄与し、より良い世界の実現に貢献していきます。

iPS細胞の可能性

iPS細胞の量産化で、医療の飛躍的な進歩が期待される

A Better Life, A Better World

iPS細胞の培養を自動化する未来の装置。
私たちのミライの健康を支える現場は、予想以上に進化を遂げている。
研究と装置開発、双方の関係者に話を聞いた。