日本の発電で最も多い割合を占める火力発電では、発電時に多くの熱エネルギーを生み出してしまいます。この熱は、活用されることなく、エネルギーの約6割が捨てられていました。
一次エネルギー利用状況とエネルギーロスの実態

出所:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
多くの熱エネルギーが未利用の状態

環境への負荷低減に大きく貢献する「ナチュラルチラー」は、パナソニックが50年以上にわたり開発を続けてきた、自然冷媒である水を使用したノンフロン空調システムです。
主に天然ガスなどの燃料を熱源として稼働し、水が蒸発する際の気化熱を利用して冷房を行うためコンプレッサーが不要で、ピークカットによる電力需要平準化に大きく貢献します。

自然冷媒(水)を使った冷房方式について
冷媒(水)が4つの部屋を繰り返すサイクルで冷房します。

50年に及ぶ開発の歴史を動画でご紹介
吸収式冷凍機の仕組みを動画でご紹介
さらに、工場廃熱などの蒸気や温水も利用可能で、発電機の廃熱(温水)を利用したコージェネレーションシステムも構築することができます。
2011年の東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)の観点から、発電設備を自前で用意する企業が増えました。
この自前の発電施設に、あらかじめ廃熱の活用先を組み込んでおく、コジェネレーションシステムを採用することで、CO2削減に貢献しながらBCPを実現することが可能です。
コージェネレーションの仕組み
コージェネレーションとは、1つのエネルギー源から熱・電気など2つ以上の有効なエネルギーを取り出して利用するシステムです。
トータルエネルギー効率を高め、ガス消費量の削減にも貢献します。



コージェネレーションシステムによるエネルギー効率の向上

一般的な送電の場合、送電までの間に約60%のエネルギーロスが発生、総合的なエネルギー効率は約40%程度となっています。
対して、コージェネレーションシステムでは、発電時に発生する廃熱も有効活用するため、総合的なエネルギー効率は約70~85%まで高まると言われています。
コージェネレーションシステムと吸収式冷凍機の組み合わせを導入した実績として、すでに自社工場内で実績をあげており、低炭素化に貢献しています。
コージェネレーションシステム×吸収式冷凍機の組み合わせで、弊社拠点の実証で17%のCO2排出削減を実現しました。


さまざまな場面で吸収式冷凍機が活躍し、社会全体でのカーボンニュートラル実現を目指す取り組みに、パナソニックは技術力で貢献いたします。