新卒入社とキャリア入社のキャリアパス

同じ設計開発職からキャリアをスタートした二人は、どんなキャリアを歩んできたのでしょう。

写真:川崎さんと沓掛さん

川崎さん
2006年 新卒入社 経営企画

歩み

沓掛さん
2008年 キャリア入社 品質管理

分子レベルのミクロの振動について機械力学を研究。将来、身近な製品を開発したいという思いが芽生える。

学生時代

物理化学専攻。部活中心の生活を送る日々を過ごす。

半年間にわたる教育プログラムでは、1ヶ月間中国の工場で製造実習も経験。その後、モータ開発の研究所に配属。

1年目

別会社でモータ開発に5年間従事し、転職。当社でモータ開発に配属。ところが初めてみるサーボモータに戸惑う。

上司や先輩から設計や仕事の進め方について熱血指導を受ける。この時の経験が今のベースに。ただただ感謝。

2年目

結婚し、公私ともに充実した日々を送る。

小型モータの次世代モデル開発を担当。鳥取県、米子拠点に頻繁に出張し、現地メンバーと開発を進める。

3年目

大容量タイプの新製品開発を担当。80kg以上もあるモータを相手に、体力的な成長も実感。

中堅技術者研修に参加。別の部署の開発メンバーとともに国内拠点を巡る。幅広い製品・技術に触れ、刺激を受ける。

4年目

中国市場向け製品開発主担当に。海外出張が増え、産まれたばかりの長男の写真を見て奮闘。

次世代家電製品を開発する全社プロジェクトに参画。「これを機に成長したな」と先輩から褒められる。

5年目

研究所から、より商品に近い開発部署に異動。

6年目

特定顧客向けの特殊品開発担当に。多様な顧客ニーズに応える難しさとやりがいを感じる。

レアアースの世界的な価格高騰を受け、安価な材料で高性能なモータを開発。経営幹部から「量産予定はない」とバッサリ。衝撃の結末…

7年目

中国工場のR&Dセンターへ出向。

諦めずモータ開発を遂行。従来性能を向上させ、材料費を30%低減。このモータが会社の業績を支えることになる。プライベートでは結婚も。

8年目

生産工場側の立場で新製品開発に携わるも、図面通りにモノを作る難しさを痛感。

FA用モータ担当として中国工場に数週間出張し、試作・製造など幅広く関わる。それまでとは違う景色が見えた。

9年目

自動車用の商品開発部署に異動。HV自動車の電池を冷やすファン開発の担当に。

10年目

運動不足解消に始めたゴルフにハマるも、なかなか上達せず。

大手自動車メーカーへゲストエンジニアとして出向。お客様からの厳しい要望と実現に苦慮する自社との調整に苦心。

11年目

出向先の自動車メーカーでドライビングテクニックを学ぶ。テストコース走行のための社内ライセンスを取得。妻の出産を機に家族を呼び寄せ、新生活をスタート。

12年目

中国から日本へ帰任。同時に品質保証部へ異動。

国内外150車種の開発に携わった任期3年の出向を満了。多くの仲間に送別される。

13年目

経営企画部にて企画業務に従事。経営を身近に感じつつも、新たなプレッシャーに悪戦苦闘の日々を送る。

14年目

将来を支える差別化技術の開発プロジェクトを企画。主導的ポジションに。組織を動かす企画の醍醐味を味わう。

15年目

モータ事業の企画責任者に抜擢。事業の成長戦略の検討、立案などに従事する。

16年目

クロストーク

写真:談笑する川崎さんと沓掛さん

<入社後の印象>

顔写真 川崎さん

川崎/研究所配属という事もありましたが、人材育成の手厚さには驚きましたね。設計、解析シミュレーションや図面作成、試作、組立、評価、特許出願など、様々な内容をすべて幅広く経験することができました。常に先輩が横にいる環境の中、OJTも充実していましたね。また、想像以上に休日や有休の日数が多いなと思ったことを覚えています。

顔写真 沓掛さん

沓掛/前職よりも職場の平均年齢が高く、不安もありました。でも、ベテラン社員が「現場・現物・現実」の三現を実践して未知なる課題に粘り強く取り組む姿勢、チームプレーでモノづくりに取り組む体制を目の当たりにして不安もすぐに吹き飛びましたね。他者と協働することで、想像を超える成果を得られる面白さも感じることができたと思います。

写真:話しをする沓掛さん

<キャリアの中で印象に残っていること>

顔写真 沓掛さん

沓掛/入社6年目、日本で設計した図面にミスが発覚し、中国工場で生産ができない事態が発生したんです。すぐに問題点を洗い出し、連絡を受けた2日後には中国の現場に立っていました。チームから送られてきた設計修正図のメールをもとに製造工程の修正を現地メンバーに依頼。厳しいお叱りを受ける覚悟でしたが、皆すごく真面目で協力的でモノづくりのプロフェッショナルだなと感心するとともに、挽回のチャンスをいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいになりましたね。

顔写真 川崎さん

川崎次世代家電商品を開発する全社プロジェクトに参画した際のことです。私が参画する3年前からプロジェクトはスタートしており、モータ開発が遅れていたんですね。「あと3ヶ月でモータを開発せよ」という命題を受け、大きなプレッシャーを感じる中であらゆる可能性を検討し、目標以上の性能を実現することができました。プロフェッショナルとしてベテランエンジニアと意見を戦わせ、結果を出せたことで大きな自信を得られた機会でした。

写真:話しをする川崎さん

<キャリアの中で大変だったこと>

顔写真 川崎さん

川崎/国内自動車メーカーにゲストエンジニアとして出向した時ですね。性能をはじめとした要求レベルが非常に高く、毎日のように問い詰められる日々でした。打開策を考えた上で、約束を守る、きちんと受け答えをするなどあたり前のことを誠実に実行しながら、自分から積極的に話しかけたり、一緒にご飯を食べに行くなど仲間をつくることを心がけるようにしたんです。そうする中で「この商品なら川崎さん」と言われるほどの信頼関係を築くことができ、忙しくも楽しく仕事をすることができました。

顔写真 沓掛さん

沓掛/念願だった海外赴任が決まり、中国で次世代プラットフォームとなる新製品の工場立ち上げを任されたんです。従来の製品とは仕様の異なる設計、新たなモノづくりへの挑戦ということもあって、現地メンバーに無理なお願いを重ねてしまいプロジェクトが難航してしまいました。そこで、日本の設計部門に出張支援を依頼し生産プロセスの改善に取り組む一方で、現地メンバーと出張でやって来たエンジニアの橋渡しに注力。食事の場を設定するなど、お互いを理解し合う時間を作ったことで距離も縮まり、仕事もうまく進むようになりましたね。

写真:談笑する川崎さんと沓掛さん

<これからチャレンジしたいこと>

顔写真 川崎さん

川崎/これまでに自分自身が推進してきたモータの性能を飛躍的に高める基礎技術を、ビジネスとして成立するレベルまでさらに向上させたいですね。それによって、これまでモータを使うことができなかった製品に組み込むことが可能になり、新商品の開発につながっていくはずです。量産を経て、市場で高い評価を受ける商品に昇華させるために、企画戦略や事業経営について積極的に学んでいきたいと思っています。

顔写真 沓掛さん

沓掛/現在任されている品質保証における市場対応を通じて、ユーザーの声により耳を傾けていきたいです。クレームも含めたさまざまな声を直接聞き、その評価を間接部門にフィードバックすることでどんなユーザーにも満足していただけるような、より高い品質を備えた商品を生み出していきたいんです。それこそが、品質と使いやすさの向上はもちろん、ブランド価値を高めることにもつながっていくと確信していますから。