高専卒入社社員 杉本さん

入社を決めたきっかけは、森田拠点の工場を見学したことです。最初は軽い気持ちだったのですが、米粒よりも小さいチップ抵抗を生産しているのを見て、「鼻息でも吹き飛んでしまうような部品をどうやって作っているんだろう?」と俄然興味がわきました。決め手となったのは、先輩社員が言い放った「私たちは見えないところから世界を変える仕事をしています」という言葉。もともと“スーパー負けず嫌い”で難易度の高い技術に挑戦したかった私は、完全にパナソニックインダストリーのファンになってしまいました。「自分もこの福井県から、小さい部品で世界をより良く変えていくエンジニアになりたい」。このときに感じた思いは、今も変わりません。
パソコンやスマートフォン、自動車など電気が流れるものには必ず使用されている「チップ抵抗器」という電子部品の品質保証業務を担当しています。工場内部や、お客様先で発生した異常の原因究明から対策導入までの一連の業務を、他部門と連携しながら推進します。わずか数百万分の1の確率で起こる再現性の低いエラーを究明するのは至難の業ですが、車載部品は人命に関わるものだけにプロとして妥協は許されません。幾多の失敗を乗り越えて真因究明にたどりついたときには技術者として強い達成感がありますし、調査・報告を依頼されたお客様から「ありがとうございました」と感謝の言葉をいただけたときは、飛び跳ねたくなるほど嬉しいです。
ある1日のスケジュール

出社
メールをチェックし、各メンバーの業務を確認。

製造工程確認
異常や気づいたことについて、製造メンバーに確認します。

ミーティング
内部プロジェクトの定例会議。進捗確認を行います。

昼食
先輩や同期、後輩と仲良くランチタイムを過ごします。

ミーティング
お客様共同プロジェクトの内部会議。ときには激しく議論します。

お客様報告用資料の作成
「お客様が聞きたいことは何か」を意識して取り組んでいます。

ミーティング
お客様との会議(共同プロジェクト)。進捗を報告し、お客様の声を伺います。

各打合せの議事録作成
「記憶が新鮮なうちに」をモットーに、手早く取りかかります。

終業
平日は釣りに行けないので、電子書籍を読み漁ります!

各部門の社員やお客様など、多くの人と折衝しながら仕事を進めています。

高専は「なぜ?」と考えることが多い場でしたが、仕事においても「なぜ?」と疑問を持ち、自分で調べて実行してみるという習慣が品質保証業務に役立っていると感じます。また、高専ではインターンシップの期間が通常の大学と比べて長いので、そこで社会人の働き方や、課題に取り組むスピード感をしっかり体験できたことは良かったですね。他にも、卒業研究でリーダーを務めた経験が、チームの後輩をまとめていく上で活かされていると思います。逆に高専時代に勉強しておけば良かったと思うのは統計学。確率の低いエラーの検証には欠かせないので、今仕事をしながら勉強しているところです。
英語力アップに向けてチャレンジしている真っ最中です。品質保証の仕事では海外のお客様と仕事をする機会も多く、たとえば私はドイツ向けの品質保証業務のために、VDAというドイツの製品監査資格も取得しています。現在は通訳を挟んで打合せをしているのですが、やはり伝えたいことを自分の言葉で伝えられるようになりたいのです。最近はオンライン英会話を自主的に利用しており、リスニングについてはかなり上達してきました。将来的には海外出張や海外勤務の可能性も見据えているので、もっと話す力を身につけたいです。
チップ抵抗器は自動車によく使われるのでドイツやアメリカといった自動車の本場に興味があります。
「プロフェッショナル意識の高さ」が、パナソニックインダストリーの一番の魅力だと思います。たとえば製造部門のベテラン技術者の中には、数値化できない機械の変化を本能的に察知できるような方がいます。「あの設備から変な音がする」というので、首をひねりながら調べると、本当に不具合が見つかったりするのです。もちろん品質保証部の先輩方も尊敬すべき技術者ぞろいで、問題解決力や経営者的な意識もすごく高い。負けず嫌いの私が「あと3年で追いつきますからね」と強がると、「無理無理。その3年でオレも成長するから」と反撃されます(笑)。仲間と切磋琢磨しながら成長し続けられる、恵まれた環境だと思います。

休日には釣りを楽しんでいます。始めたきっかけは「もう28歳だし、大人らしい趣味を持ちたい」と思ったこと。幸い福井は一年中海釣りができますし、釣りに詳しいベテラン社員からいろいろ教えてもらえています。先輩からは釣り竿を3本も譲っていただきました。釣りは想像以上に奥が深く、一匹も釣れない日も珍しくありません。しかし一人静かに海と向き合っていると、会社では思いつかないような仕事のアイディアが閃くこともあり、良い趣味だと思っています。最近は少しずつ釣れるようになってきたので、竿をいただいた大先輩が定年を迎える前に、大物を釣って恩返ししたいです。
