オリンピアスポーツクラブの課題

施設内に3面あるインドアテニスコートの清掃はテニスコーチが担当していました。 テニスコーチの業務のほとんどがレッスンで、最終レッスン終了は夜10時過ぎ。そこから清掃と翌日の準備がスタートします。大型掃除機を使って3面の片側のみを除塵、廊下やギャラリー、トイレの清掃・アルコール除菌も行います。さらに夏場は冷風機1台ごとに約50リットルの水を補充する作業があり、これが4台あるのでかなりの重労働だったと宮﨑さんは振り返ります。
「すべてが終わるのは夜11時を過ぎることも多く、私自身はその後に管理業務も残っており、翌朝から勤務のときは心身ともに疲弊していました」

▲『RULO Pro』導入前は本来、レッスンや指導に集中するべき時間を清掃に割かざるを得なかった

夜に2人体制を取れるのは週3回だけだったため、コート清掃は週3回が限界。十分に清掃できていないことが大きな課題でした。 テニスコートでは、プレイによってボールのフェルトクズが出ます。これに加えて利用者のウエアから出る糸くず、虫の死骸なども蓄積。カーペットコートは静電気が強く起こる性質があり、ホコリを舞い散らせないため、掃除をしないと明らかに色のくすみが出てしまいます。

導入のきっかけと決め手

課題の解決方法を模索する中で、転機となったのはある雑誌記事との出会い。
「テニス雑誌『スマッシュ』に掲載されていた、有明テニスの森インドアコートやインドアテニススクールGODAI横浜・港北店様で『RULO Pro』が導入されている記事を拝見しました」と宮﨑さん。
認知度の高い施設で導入されているのであれば信頼できると、問い合わせフォームから連絡することに。
トライアルで実物を目にした第一印象は「かわいい！」でした。デザインに親しみやすさを感じる一方で、「これでしっかり掃除ができるのだろうか」と同時に不安も抱きましたが、実際に動かしてみるとその不安はすぐに払拭されました。
「テニスボールの毛や細かいホコリまでしっかりと取れていました。清掃後のコートは、私たちが手動で掃除機をかけていたときよりも見違えるほどきれいで、その効果に本当に驚かされました」
これが導入を決める大きなきっかけとなり、社内でもDX化による業務効率化や省人化が求められていたこともあって、社長の承諾はすぐに得られました。しかし、人件費と導入費用を比較して費用対効果を試算した結果、短期的にはペイしにくいという課題が。そんな折、パナソニック側から『中小企業省力化補助金』の提案がありました。
中小企業省力化投資補助金は、中小企業が人手不足解消に効果のあるIoT、ロボット等の汎用的な製品を導入する経費を国が補助する制度。『RULO Pro』は対象製品として登録されていたため、導入費用の半分を補助金でまかなえることに。補助金の提案があったのが2月、申請を経て6月には導入が決まりました。

▲スタート操作はワンタッチ。バッテリー交換、ゴミ捨て、運搬とメンテナンス性が高いのも特徴

また、5名いるテニスコーチのうち3名が40代後半で、宮崎さん含め『ハイテク機器は操作が難しいのではないか』という抵抗感もあったといいます。
ただ、実際に操作してみると非常に簡単で『えっ、これだけでいいの？』と驚くほどスムーズに扱えたのだとか。清掃後のゴミ捨てやメンテナンスも難しいことは一切なく、当初の杞憂はすべて要らぬ心配でした。

『RULO Pro』導入後の変化

現在、オリンピアスポーツクラブではインドアカーペットコート3面の片側を、『RULO Pro』1台で清掃しています。毎日のレッスン終了後、約1時間30分かけて清掃し、これをローテーションさせることで、2日でコート全面をきれいにすることができるようになりました。
「お客様の反応は良好。『前よりもコートがきれいになってワントーン明るくなったね！』というお声を最初にいただきました。さらに『お掃除ロボットを導入したんだ。すごいね、最先端だね！』と驚かれる方も多く、清掃効果を感じ取っていただけていることを嬉しく思います」と宮﨑さん。

▲コート3面片側を約1時間30分で清掃する

コート横の通路やラウンジは『RULO Pro』では少しサイズが大きかったため、より小型である『RULO Biz』を導入。
「『そこまで行けるの？』と思うほど、想像以上に狭い場所まできれいにしてくれます。とくに回転ブラシでゴミを掃き出す力は予想以上で、人が手で行う掃除機以上の働きをしてくれます。この小さなロボットが、大きな『RULO Pro』では届かない場所までカバーしてくれるおかげで、施設全体の清掃品質が格段に向上しました」と宮﨑さんは『RULO Biz』の性能を高く評価します。

▲現在『RULO Biz』が担当するコート横のラウンジ（左）と幅1ｍ50cmの長さの通路（右）

導入後、2つの大きな変化がありました。1つは手動で掃除機をかけていた時間を「管理業務」に充てられるようになったことです。『RULO』が清掃を自動で完璧にこなしてくれるので、その時間を利用してスタッフの教育や施設メンテナンス、より質の高いサービスやイベント企画に充てられるようになったのです。
そしてもう1つが、テニス部門の清掃を夜のうちにすべて終わらせられるようになったこと。翌朝出勤したテニススタッフが、人員不足だったフィットネス部門の清掃ヘルプに回れるようになりました。『RULO』の導入は単なる清掃の効率化に留まらず、部門の垣根を越えたチームワークを生み、施設全体の清掃レベル向上にもつながったのです。

今後の展望とメッセージ

フィットネスエリアに加え、更衣室やエントランスでもトライアルを実施済みであり、今後4～5台の追加導入を検討中。最終的には施設全体の清掃をロボットに任せ、スタッフはより価値の高い業務に集中できる体制の構築を目指しています。
「当初抱えていた課題は、想像以上に大きく解決できました。清掃が楽になったというレベルではなく、業務全体の効率化や、スタッフの負担軽減といった想定外のプラスの効果が多く、正直『感動』しています。清掃に追われていた時間が、より重要な業務にシフトしたことで施設運営が根本から変わったと実感しています」

▲当初は半信半疑だったものの、実際に効果を体験すると手放せなくなる。今ではなくてはならない存在に

『RULO Pro』と『RULO Biz』、どちらか片方だけでは、ここまでの業務効率化や省人化は達成できませんでした。2つの組み合わせによって施設全体の清掃体制が完成したといえます。『RULO』は清掃ロボットの枠を超えた大切なパートナーだと笑顔で語る宮﨑さん。
「導入事例記事との出会いは偶然ではなく、DX化を強く願っていたからこそ出会えた、必然だったのではないかとさえ感じています。インドアテニススクールを運営されており、カーペットやハードコート、砂の入っていない人工芝のコートをお持ちの施設と『RULO Pro』は非常に相性が良いと思います。私たちの取り組みが、今お困りの方々の救いの手の一端を担えたら、それ以上に嬉しいことはありません」
清掃業務の負担や人手不足に悩んでいるなら、ぜひ一度トライアルを体験していただきたいとインタビュー取材を締め括りました。