使い終わった家電をあらたな「資源」に戻したい
~資源循環の取り組み~
世界で「脱プラスチック」が叫ばれ、ゴミを出さない「サーキュラー・エコノミー」への指向が強まっています。電気製品も金属やガラス、プラスチックで作られており、利用後にはゴミでなく資源になることが求められます。パナソニックは使用済み家電に含まれる貴重な資源を効率よく回収・再生し、材料として生まれ変わらせるための技術、工法、設備を研究開発してきました。
「循環型モノづくり」には、「投入資源を最小化し、再生資源を最大化する」「生産活動から出る廃棄物の最終処分量をゼロにする」という二つの目標があります。
モノづくりの段階では製品の軽量化・小型化によって投入資源を削減すると同時に、リサイクルの現場では新技術の導入などにより再生資源の回収量を増やす取り組みを進めています。
使用済み家電からリサイクルのための資源を取りだすには高度な技術が必要となります。当社は兵庫県にある2000年設立のリサイクル工場、パナソニック エコテクノロジーセンター(PETEC)において、使用済みのテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機から、プラスチック、鉄、銅などの貴重な資源を最新のリサイクル技術によって高純度に取りだしています。



例えばプラスチック。見た目は同じ樹脂に見えてもその種類はさまざまです。PETECでは、近赤外線を照射することによってプラスチックの種類を識別し高純度で種類別に選別・回収することを可能にした高精度樹脂選別システムを開発。混じりあった樹脂片から3種のプラスチック(ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS)を99%を超える純度で選別・回収しています。
近赤外線識別技術を用いた高精度樹脂選別システム

選別された樹脂は新たなリサイクル材料として出荷される


高純度で取り出された再生資源は、新たな“資源循環商品”に生まれ変わります。再生プラスチックはエアコン、IHクッキングヒーター、冷蔵庫の内部部品などに使われています。また、テレビのブラウン管から再生したグラスウールを使用した真空断熱材は、冷蔵庫に使われています。
今後はこうした資源循環の技術を日本国内だけでなくグローバルに拡げていくことで、SDGs※の達成と持続可能な社会の実現に貢献します。
※ SDGsはSustainable Development Goalsの略。2030年までに達成を目指す17の目標のこと。
「持続可能な開発目標(SDGs)」17のゴール


